ローズゼラニウムの箱庭で

riiko

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第六章 本心

123、本当の気持ち 10(桜 side) ※

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 せっかくの良太との時間を邪魔された。発情期でも無く、理性を保ったまま二人きりで過ごせている貴重な時間なのに。

 それなのに、どうして俺には仕事なんてものがあるんだ。今までは何も考えずこなしてきたけど、つがいと同じ高校生活を送るのに、こんな理不尽な時間を取られるなんて腹立たしい。学生のうちしかできない自由を良太と楽しみたい。

 そんな我儘を言えるほど自由には振る舞えない、上條の一人息子という立場だ。だがこの立場のお陰で良太とのつがい契約さえも制限付きだ。

 まとまらない思考を巡らせながら、マンションへと車は到着した。伊藤から労いの言葉をかけられ、良太への土産としてケーキをもらった。

 良太は一日何をして過ごしていたのだろう、こうやって家に帰れば愛しいつがいがいると思うと、楽しくてたまらない。

「上條様、お帰りなさいませ」

 エントランスでコンシェルジュに声をかけられたので、俺はつがいに変わったことがなかったか聞いた。

「えっ? 良太が買い物に?」
「ええ、上條様と一緒に外に出てから、その後しばらくしてから荷物を抱えてお一人で帰ってこられました」

 コンシェルジュは、大きな買い物袋を両手に持って帰ってきた良太を見て、家まで荷物を運んでくれたらしい。そしてお礼に良太が、おやつとして買ったチョコを一つ分けてくれたとか。良太を褒めてくれたのはつがいとして誇らしいし、その行為を思い浮かべたら可愛らしく思い、ついニヤニヤしてしまった。

 でも、なんでそんな買い物? 何か必要なものでもあったのか? 俺はコンシェルジュに、つがいが世話になったとお礼を言って、部屋へと急いだ。

「ただいまぁ、良太」

 家はシーンとしていた、ん? この匂い、カレーか?

 キッチンへ行くと、カレーの鍋と炊飯器からは炊き立てのご飯の香りがしている。テーブルには、サラダとキッシュにラップがかけられてあった。

 まさか、良太が?

 肝心の俺のつがいはどこだ、見渡す限りいない。そして寝室を覗いてみると、目を疑った!

 俺が今朝着ていたパジャマの上着だけを着て、ベッドに寝ている良太がいた。裾も袖も長すぎて、まるで俺に包まれているかのような。そこから見える太ももが、またイヤらしくてたまらない。そして手先よりも長い服の端をフニャッとした顔で口元に当てて、完全に寝ている。

「天使か?」

 俺が仕事から帰ると、まさかのつがいの手料理、そして自分さえも食べてくれといわんばかりの姿で寝ている愛しいつがい

 俺は理性を失った。

「良太ぁ!」

 寝ている良太の唇をむさぼった。

「んっ、んんんん――。ぷはっ、え? せ、んぱい? クチュっ、はん、く、るしいぃっ」
「もう忘れたの? 俺の名前」

 俺が言葉を発した時に、やっと唇が解放されて良太は息を吸い込んでいた。

 可愛すぎだろう。 

「はっ、ビックリした。お帰りなさい、好きっ」

 良太は涙を流して、俺に抱きついてきた。仕事に行ったことを後悔した。俺を待って、俺の匂いのするパジャマを着て、さらには帰ってきた途端涙を流して縋り付いてくる。たまらなく愛おしい。

 そのまま唇を重ね、舌を絡ませ唾液を交換して息継ぎを許さない程にむさぼった。

 良太は涙がまだ止まらずに、でも一生懸命に答えてくれている。

「寂しい思いをさせてごめんね。愛してるよ、俺の服着て、それに料理までしてくれて、本当に嬉しい、ありがとう」

 良太はふにゃぁと笑って答えてくれた。

「ううん、先輩は仕事も大変なのに、僕のためにいつも時間を作ってくれるし、頑張ってくれているから。僕の方こそこんなんでごめんなさい。大したものじゃないけど、先輩に手料理食べて欲しくてスーパー行きました」

 その間も、唇は良太の首、鎖骨へと滑らせながら、話を続けていく。

「一人であんなに、重かっただろう? 今度からは俺と一緒に行こうね」
「あんっ、でもコンシェルジュの人、手伝ってくれたし。はっ、あっ、せんぱ、い、そこだめ」

 話しながら、俺の唇は良太の胸へと辿り着いていた。舌でその小さな突起を突いては舐めた。

「どうして? もうこんなに尖ってきたよ。それに、先輩ってまだ呼ぶの? 朝までは名前で呼んでくれたのに」
「あぁぁん、そこで話さないで。息も唇も、くすぐったいよぅ、んんっ、」
「ねぇ、名前呼んで?」

 俺は指で摘んで、コリコリと突起を動かした。

「んんんっっ、あっ、だめ、だめなの。名前はやっぱりまだダメ」
「なんで?」

 はっ? なんでだ! 俺はそのまま胸を舌と指でこねくり回して、一度良太をイかせた。

「あぁぁぁぁ。 はぁはぁ、違うの。先輩って呼べるのは今だけだから、学生で恋人だから、でも結婚したら夫婦でしょ? その時にはもう名前で呼ぶし、先輩って言えないから、今の関係、凄く特別だから、大事にしたいっ、あんっ」
「可愛すぎだから!」

 なんて可愛いことを言うんだろう。良太が話している最中だけど、俺は後孔に指を突っ込んで、早急に解していた。今すぐれたい!

「抱いて、お願い。先輩が好き、好きなのっ、先輩が、欲しいっ、ぐすんっ」
「泣くほど俺が欲しいの?」

 なんなんだ? これは。可愛すぎだろう。

「ふっ、んっ、あっ、帰ったばかりなのに、ごめんなさいっ。んんっ、一回だけでもいいから、れて欲しいっ、先輩が欲しいよぅ」

 良太が必死に話してくれているあいだ、グチュグチュとずっと後ろをほぐしていた。俺を欲しいという言葉を聞いていたくて、れずに我慢していた。そして良太のお願い通り、硬くなった俺のを一気に挿れた。もうギンギンでれただけで良太はまたイった。こんな気持ちいいのに、一回で終わるはずがない。

「あぁぁっ! あ、あっ、あっ、ん」
「良太、愛してる。ほんとに可愛くてどうにかなりそうだ、うっ」

 俺の余裕も無くて、すぐに快楽に負けてしまい良太の中に欲望を吐き出していた。

「あん、ぼくも、好き、あっあっ」

 中に吐き出しているその動きでさえも、良太は感じていた。

「なんで、こんなにうねっているの? そんなんされたら気持ち良すぎてやばいよ。ね。このままもっと奥いけそう?」
「えっ、奥って……あんっ、これ以上はいらない、怖いっ、んっ」

 良太が話している最中でも、構わず突き進んだ。

「あっあっ、なにっ? これ、あんっ凄い! あっ、あっ、あっ、あぁぁ、いや、やっ、おかしくなるぅっ」
「良太、お願い、俺をお前の最奥で受け入れてっ!」
「っんん! ああっはぁ、はぁっ、んんんっ」

 良太の直腸まで俺の精液を埋め込んだ途端、良太はもう吐き出すものもなくなり、中でイッたまま気を失った。

 それでも俺は気持ち良すぎて、そこから抜け出せず、気を失っても良太は俺に愛を囁いているようだった。中は必死にうねっていて俺を離さない、そう言っている。

「良太、無理させてごめんね。でもお前だけだから、愛してるよ」
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