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8 もう限界です
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今夜も大公は夜遅くに帰ってきた。
僕を抱くためだけに。
抱かないと死んじゃう病気なんですか? あれから毎晩続く夜の営みは苦痛でしかたなかった。少しずつ挿入時間を増やしていく大公閣下もとい夫。初日のマッハ排出はいったい? 二日目も早かったけど、最近はそこまで早くない。だからこそ余計に苦痛。
抽挿時間が長引けば長引くほど、痛い。涙が毎回出る。
魔導士様のお話を聞いてから、僕はますます彼を拒絶できなくなった。彼は国のために、というか戦争のためだけど、運河の通行権を欲した。いうなれば国のため。今後急に敵国へ移動するときに、今度こそややこしい手続きを踏まずに、その運河を渡れるのだから。先を見て、自分を犠牲にするその行動は尊敬に値する。
そして国のために無用な争いを避けた結果、女性と結婚できない人生を選んでしまった。それすらも同情するよ。
僕だって家のために、ここにきた。お互いがお互いに何かを諦めて結んだ婚姻関係。そして性欲の強い彼は、それを諦めなければいけなくなった。だからせめて僕の体を毎日使う、のはわかるけどさ。あまりにも痛いんだよぉぉぉ。キスは気持ちいいんだけど、お尻の孔はたまらない、たまらなく痛い。
そして日中の夫は働き詰めで、ここにいない。だから、話す時間も無い。まぁ会ったところでどんな話をしていいかわからないけれど、営みの最中はとても会話をする余裕はない、ひたすら泣いて痛みに耐えるだけ。
ああ、今日も自分が上下に揺れている。ぱんぱんぱんという体がぶつかり合う音と、僕の泣き声と、夫のはぁはぁはぁという吐息のみがこの部屋に響き渡る。
そんな最中、なにかで痛みを紛らわしたいと思い、ふと顔を横にそむけたとき、壁際にある大きな姿見鏡を見た。
仰向けの僕の上に夫が乗っていて、美しい筋肉が揺れて、引き締まったお尻などが確認できる。ああ、お尻にも凄い筋肉があるんだと、なんとなく見ていた。そして僕の顔は醜く見えた。涙で鼻水も出ているのに、抱いている夫は僕の醜い顔は気にならないの? それほど孔しか興味がないのだろうか。それを見た時、悲しくなった。
アイシャが言っていた「野獣」あながち間違いじゃない気がした。
まさに野獣に組み敷かれた小鹿のように見えた。細い体は、まだ細いけれど、若干肉付きが良くなった。この大公家で美味しい食事とマッサージなどを受けて徐々に健康的になっていったのが、なんだか逆に辛い。
こんな酷い夜を過ごしているのに、体は健康になっているって、どういうこと? 辛いとは誰にもわからないと思う。むしろ結婚生活にエンジョイしている元伯爵令息にしか見えない。僕のお肌はなぜかつやつやだった。営みの時の顔を覗けば、むしろ弟に少し近づいたように見える。普通だった顔も、健康になると、普通よりちょっとイイ感じに見えなくもない。
いや、そんなことどうでもいい。
僕は痛みのない生活を送りたい。薬を塗ればすぐに腫れは収まるけど、最中はやっぱり痛いしかない! ああ、悲しい、悲しい、悲しい。
悲しい、痛い、悲しい、痛い、辛い、そんなことを考えて夫に揺さぶられていたとき、それは起きた。
僕を抱くためだけに。
抱かないと死んじゃう病気なんですか? あれから毎晩続く夜の営みは苦痛でしかたなかった。少しずつ挿入時間を増やしていく大公閣下もとい夫。初日のマッハ排出はいったい? 二日目も早かったけど、最近はそこまで早くない。だからこそ余計に苦痛。
抽挿時間が長引けば長引くほど、痛い。涙が毎回出る。
魔導士様のお話を聞いてから、僕はますます彼を拒絶できなくなった。彼は国のために、というか戦争のためだけど、運河の通行権を欲した。いうなれば国のため。今後急に敵国へ移動するときに、今度こそややこしい手続きを踏まずに、その運河を渡れるのだから。先を見て、自分を犠牲にするその行動は尊敬に値する。
そして国のために無用な争いを避けた結果、女性と結婚できない人生を選んでしまった。それすらも同情するよ。
僕だって家のために、ここにきた。お互いがお互いに何かを諦めて結んだ婚姻関係。そして性欲の強い彼は、それを諦めなければいけなくなった。だからせめて僕の体を毎日使う、のはわかるけどさ。あまりにも痛いんだよぉぉぉ。キスは気持ちいいんだけど、お尻の孔はたまらない、たまらなく痛い。
そして日中の夫は働き詰めで、ここにいない。だから、話す時間も無い。まぁ会ったところでどんな話をしていいかわからないけれど、営みの最中はとても会話をする余裕はない、ひたすら泣いて痛みに耐えるだけ。
ああ、今日も自分が上下に揺れている。ぱんぱんぱんという体がぶつかり合う音と、僕の泣き声と、夫のはぁはぁはぁという吐息のみがこの部屋に響き渡る。
そんな最中、なにかで痛みを紛らわしたいと思い、ふと顔を横にそむけたとき、壁際にある大きな姿見鏡を見た。
仰向けの僕の上に夫が乗っていて、美しい筋肉が揺れて、引き締まったお尻などが確認できる。ああ、お尻にも凄い筋肉があるんだと、なんとなく見ていた。そして僕の顔は醜く見えた。涙で鼻水も出ているのに、抱いている夫は僕の醜い顔は気にならないの? それほど孔しか興味がないのだろうか。それを見た時、悲しくなった。
アイシャが言っていた「野獣」あながち間違いじゃない気がした。
まさに野獣に組み敷かれた小鹿のように見えた。細い体は、まだ細いけれど、若干肉付きが良くなった。この大公家で美味しい食事とマッサージなどを受けて徐々に健康的になっていったのが、なんだか逆に辛い。
こんな酷い夜を過ごしているのに、体は健康になっているって、どういうこと? 辛いとは誰にもわからないと思う。むしろ結婚生活にエンジョイしている元伯爵令息にしか見えない。僕のお肌はなぜかつやつやだった。営みの時の顔を覗けば、むしろ弟に少し近づいたように見える。普通だった顔も、健康になると、普通よりちょっとイイ感じに見えなくもない。
いや、そんなことどうでもいい。
僕は痛みのない生活を送りたい。薬を塗ればすぐに腫れは収まるけど、最中はやっぱり痛いしかない! ああ、悲しい、悲しい、悲しい。
悲しい、痛い、悲しい、痛い、辛い、そんなことを考えて夫に揺さぶられていたとき、それは起きた。
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