27 / 63
イギリス編
27、プロポーズ ※
しおりを挟むあの日はそのまま類のマンションまで行く余裕もなくて、あのホテルの違う部屋をとって盛り上がり朝を迎えた。
「海斗ッ、海斗。愛してる‼」
「あっ、あぅ、ぼ、僕も‼」
もう何回目だろう、すでに夕方から交じり合って翌日の朝なのに、類のラットは凄いことになっていた。とにかく「凄い」の一言。ずっと腰を振っているのに、汗が僕の顔に垂れてくるのに、それでもまだ動く類ってなにもの!? それに初めて経験したアルファのラット。
オメガのヒートといわれる発情期にあてられたアルファが起こす発情をラットと言う。それがすでに半日以上たっているのに、僕相手にいまだ収まっていないのはどうなのだろう?
噂では聞いていたけど、類のペニスからはなんか変な突起が出てきてひたすら精液がこぼれないように蓋をする。初めて僕のお腹がポコってなるくらいに膨らんだ。それほどまでに、類の子種をいれられた。
「あ、ああ、も、入らないっ、苦しいっ、あん!」
「気持ちいの間違いだろ、こんなに俺を締め付けて悪い子だ」
「な、だめ、また漏れちゃうっ‼」
「そうだね、漏らそう。汗もよだれも全て出してくれなくちゃ大変だよ、俺のがまだまだ入るからな」
「ああ、きゃぁ、あああ‼! キタっ、キタよぉ、あんん‼」
「ううっ、はぁ‼」
プシュっとまた僕のソコから大量の水が出た。僕の本気の初めての経験。潮を吹くなんて、まさかベータの僕ができると思わなかった。そしてまた大量の精液を僕の中に吐き出した海斗、お腹が熱くて気持ちいい。
「うっ、また、俺を殺す気? 気持ち良すぎてやばい、一生海斗から出られない」
「んんん、キスっ、舌を絡める大好きなやつしてぇ、んんん」
「海斗、愛してる」
「類、もう離さない。もう逃さない、愛してる」
そこから僕は何度も気を失っては、目覚めると欲望が消えない類の目があった。その目を見ると全てを支配されている、そんな想いが心を占めて、また心地よい世界に浸る。
類が本当の意味でスッキリした時は、翌日の夜になっていた。
僕はその後の数日、体がだるすぎてホテルから出られなかった、起きられなかったくらいの類の乱れ方には正直驚いた。いつの間にそんなに覚えたのって聞いたら、ネットで調べたって。僕のアルファはとっても頑張り屋さんで可愛い。
それからまた数日は、類の執着が凄くてしばらく仕事を休む羽目になり、家に囲われることになった。
全ての事情を類が事務所に連絡をしていたので仕事は休めたけれど、急に仕事を放棄した罰として、ビリーからまた類と新作の撮影をして欲しいと頼まれた。
そして次の類との撮影の日。
「海斗、愛しています。俺と結婚してください」
「えっと?」
周りには撮影スタッフ、僕たちは撮影で、貸切にしたレストラでスーツを着こなしている。今日のテーマはオメガとアルファのカップルの指輪の撮影だった。
その指輪を僕の手にはめる時、膝をつく類は僕を見上げてそう言った。答えはイエスしかないけど、でもここ仕事場。というか今は仕事中? どうしたんだろ。
「お願い、俺と結婚して。生涯海斗だけを愛すると誓う。うんって言って」
うるんだ目で僕を見る。とってもきれいな王子様なのに、どこか弱気なところが凄く可愛い、僕の唯一の人。仕事とプライベートが最近混ざりすぎていて僕ももうどうにでもなれっていう気持ちだった。
「うん。僕と結婚して。僕も、類を愛してる」
「海斗‼」
指輪がはまると僕は抱きしめられてキスをされた。まわりのスタッフはわぁぁ――と盛り上がった。なに、これ、みんな知っていた?
「ごめん、今日撮影って嘘なんだ。この指輪は俺が作ってもらった特注。どうしても記念すべきプロポーズを収めたかったから、みんな協力してくれた」
「もう‼ 驚かせすぎ。類、好きだよ。もう一生離さないんだから‼」
「俺のセリフ」
僕も類が用意してくれた指輪を類の左薬指にはめた。
「海斗を一生かけて守る。大切にする、海斗こそが俺の運命だって自信を持って言える」
「類……僕を選んでくれてありがとう、運命にしてくれてありがとう、愛してる」
「海斗、俺も愛してる」
その後、レストランでは終始お祝いモードになった。みんなに祝福されて乾杯もしていたところに、ビリーと一緒に紳士服会社の社長がやってきた。その人は、この間の類の運命のオメガの相手、トム・パーカーだった。
トムは、ラノキリアに衣装提供をしていた紳士服メーカーの社長だった。パーカーってどこかで聞いたと思ったら、テーラーパーカーだったのか。
類とトムは連絡を取り合い、無事に二人が番になったと聞いていた。そして僕たちのプロポーズをあらかじめ類から聞いていたみたいで、ラノキリアとパーカーとで協力して衣装と指輪をそろえたとか。
「kai、おめでとう。そしてルイ、君の本当の運命に出逢えて良かった」
「ビリー、ありがとう。あなたが僕を支えてくれたから、僕はルイと向き合うことができた」
「なんだか、娘を嫁にやる気分だよ」
僕もビリーもしんみりきたけれど、アマンダがそこで空気を変えてくれた。
「さぁ、二人とも私からのプレゼントはやっぱり記念写真よね! 最高のを撮るから」
仕事ではないプライベート写真、それを撮ってもらった。指輪をはめた指を絡めて、僕たちは今までにない素の笑顔でカメラに向かった。それは最高に素敵な一枚になった。
ビリーとトムからのプレゼントなのかはわからないけれど、その後はタキシードを二人で着て、ウェディング撮影までされた。
みんなお祝いムードが凄くて、楽しくて仕方なかった。
応援ありがとうございます!
37
お気に入りに追加
891
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる