マイナーVtuberミーコの弱くてニューゲーム

下城米雪

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第51話 サイレントぽよ

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 午後8時3分。
 決勝トーナメントの配信には、既に十万人近い視聴者が集まっていた。

 配信画面にはポテトが一晩で作成した予選のダイジェスト映像が流れている。またコメント欄には、それを目にした者達のコメントが次々と投稿されていた。

 FPSは足りていない。二ノ宮ホタルが大きく取り上げられたこともあり、賞金が出ないゲーム大会とは思えないくらいに盛り上がっている。

 ――画面が切り替わった。
 表示されたのは、本日のトーナメント表である。

 参加者は四名。
 対戦カードは次の通り。

1.ミーコ vs リンゴン
2.ホタル vs スピネイル

 真希の弟子と前回準優勝。最強と前回優勝。
 それぞれの試合を制した者が、決勝に進む。
 そして、その勝負を制した者は、真のラスボスと戦うことになる。

 今回、少しだけルールが変更となった。
 勝負は5先。5回先に勝った者が勝利となる。


 *  ――  *


 ドキドキする。
 これからゲームをするだけなのに、手が震える。

 今、八万人の人が見てるのかな。
 それとも十万人? もっと多い?

 生徒は何人居るのかな。
 分からない。一人でも応援してくれたら嬉しい。

『さあ、いよいよ決勝トーナメントが始まります』

 ファシリ・テイトさんの声だ。
 そっか。すごく綺麗な声。聴きやすい。

『まずは両選手に意気込みを伺いましょう。リンゴン選手、お願いします』

 お相手はリンゴンさん。
 鈴のワッペンを頭に付けた女の子。背中から小さな羽が生えてる。天使みたいだ。


 *  *  *


『……り、りんごんりんごーん。
 皆を笑顔にしちゃうぞ。きゅん。きゅん。
 ゲーマー系エンジェル、リンゴンでーす。えへっ』

 いつもの挨拶。

『はい、ありがとうございます。ポテトさんコメントお願いします』
『この絶妙な言わされてる感、クセになるよね』
『……言わされてないですぅ』
『声ちっさ』

 怯え顔で目にはハイライトが無い。目尻に涙の粒が見える。それが最も多く使う表情差分であるリンゴンは、かわいそうはかわいい、という性的指向を持った人達に愛されている。

 実際、この配信に集まったファン達は、

:いいぞポテト、もっとやれ
:まだぬるい
:嗚呼、リンたんの涙ごくごくごく

 このように平常運転だった。
 因みにリンゴンは本気で怯えている。それが新たなファンを呼ぶことになり、まあでも、これでファンが増えるならべつに……と放置していたら悪化した。

『……え、えっと、今回こそ勝ちます』

 リンゴンは怯えた様子で意気込みを述べた。
 その声は非常に小さい。ミーコ程ではないが、彼女もまた「陰キャ」という部類に入るタイプだった。

『続いてミーコ選手、意気込みを聞かせて頂けますでしょうか?』

 
 *  ――  *


 わっ、わっ、どうしよう。
 意気込み……意気込み……意気込み?

 えっとえっと、何から話せば……。
 ……ハッ、そうだ。とりあえず挨拶。挨拶!

『…………にゃ、にゃほぉ。ミーコでぇす』

 やったー! 声出た! 今日も!
 よし。よし。次は、えっと、やる気をアピールして……。

『ミーコ選手、腕をぶんぶん振っております』
『気合は十分だねぇ』
『そうですね。ありがとうございました』

 えぇ!? まだミーコ何も言ってない!
 ……でも伝わったからヨシ! ……ヨシ?


 ――試合開始。


 リンゴンさんの選択は「ぽよ」
 真希さんと一緒にアーカイブを見た通りだ。

 確か、粘って粘って大連鎖で逆転するスタイル。
 注意点は、焦らないこと。無理に勝ちを狙うと友情パワーが足りなくなっちゃう。

 つまり、勝利のカギは友情パワー!
 いっぱいチャージしてドーンで勝つ!
 
『さあ決勝トーナメントが始まりました。今回からルールが変更となり先に5勝した方の勝ちとなります。ポテトさん、この変更には、どのような意図があるのでしょうか?』
『もっと長く見たいよね』
『なるほど、ありがとうございます。さあ試合に集中しましょう。両者、順調に組み上げ……ミーコ選手、今回は得意の速攻を使わない様子ですね』
『ぽてぇ……』
『奇妙な相槌ありがとうございます』

 えーっと、えーっと、ここが、こうで、ここが、こうなるから……。

『先に仕掛けたのはリンゴン選手!
 これは様子見の2ダブでしょうか……?』

 にょわ!? 岩ぽよ!?
 えっ、やっ、そこはダメ!

『詰みだねぇ』

 むにゅぅぅぅぅぅぅ……。

『あぁっとぉ!? これはまさかまさかの展開だぁ! ミーコ選手、何もできないまま敗北ぅ! 初戦を制したのは、前回準優勝者、リンゴン選手だぁ!!』
『発火点が埋もれた絶妙なタイミングで差し込まれちゃったねぇ……初心者みたいなミスだけど、緊張してるのかな?』
『なるほど、そういうことですか』
『人間アピールかもしれない』
『ポテトさんにはできない芸当ですね』
『ポテトだからね』

 くぅぅぅ、失敗しちゃった。
 連鎖に夢中で相手のこと見てなかったよ……。

『続けて第二戦です』
『テンポが良いのは、ぽよテトの魅力だよねぇ』
『そうですね。その分、高い集中力が求められます』

 集中。集中。
 大丈夫。まだ始まったばかり。

『初戦と同様に静かな立ち上がりとなりました。両者共に攻撃を仕掛けることなく、次々とぽよを組み立てております』
『予想してたけど、この二人は静かだねぇ』
『そうですね。予選では、口より手を動かせ、というツッコミを受ける選手も多かったのですが、この試合では煽りのひとつもありません』
『その分、我々が喋らないとね』
『五秒黙ったら放送事故ですからね』
『配信者って大変だねぇ……』

 えーっと、相手の発火点は二カ所。
 緑の方が大きい。ずっとキープしてる。
 右は小攻撃向けの予備かな。何も考えず攻撃したらカウンターで負けちゃいそう。

 でも、この状況なら、私の方が有利かも。

『おっと!? 今度はミーコ選手が先制攻撃だぁ!』
『2ダブ。小さいけど、受けたくないタイミングだねぇ。これは催促したのかな』
『ポテトさん、催促とはなんでしょうか?』
『カウンターでぶちのめすから攻撃してくれ、みたいな感じ』
『なるほど、分かりやすい』

 あれ、受けるの?
 それじゃ、もう一回攻めるね。

『ミーコ選手ぅ! 連続攻撃だぁ!』
『真希がよくやる時間差式2ダブ5連鎖攻撃だねぇ』
『なるほど! 師匠直伝の大技ということですね!』

 リンゴンさん、これを受けたら私の勝ちだよ。
 どうする? 対応できる? それともできない?

『リンゴン選手、急に動きが加速したぞ!?』

 うん、そうだよね。
 そこ掘れば、発火できるよね。

『ミーコ選手の連鎖は短い!
 リンゴン選手、攻撃が間に合うのか!?』

 間に合うよ。
 ええっと、順番は……。

 *  *  *

 ――ぽよには、運要素がある。
 次に落とす「ぽよ」がランダムに決まるからだ。

 プレイヤーは、2手先まで見ることができる。
 しかし、とある条件を満たした時だけ例外がある。

 それは相手が先行した時。落ちる「ぽよ」の順番は同じであるため、もしも相手が先行した場合、3手以上先を知ることができる。

 無論、至難の業だ。普通にプレイしていれば、自分と相手の「手数」なんて記憶できない。

 しかし、トップレベルの選手はこれを可能とする。
 真希の元で「凝視」を鍛えたミーコもまた、「先読み」を習得していた。

『リンゴン選手の反撃が始まったぁ!』
『10連鎖だねぇ』

 リンゴンの連鎖が開始した直後。
 ミーコは猛烈な勢いで組み立てを始めた。

『ミーコ選手速い! 速すぎる!』
『人間じゃないねぇ』

 リンゴンの連鎖が終わる。
 その瞬間、ミーコは反撃を開始した。

『ミーコ選手間に合った! 
 1、2――9連鎖トリプルからの10連鎖!? 強烈なカウンターが炸裂ぅ!』
『リンゴン間に合ってるね』
『!?』

 ぽよの連鎖は待ち時間が長い。
 自分が大連鎖を発動させた後、相手がカウンターを発動させた場合、それが終わるまでに、相手のカウンターを相殺できるだけの連鎖を組む時間が残る。

 リンゴンは最高効率でぽよを組み立て、反撃した。

『8連鎖ダブルだねぇ。ぽてぇ……』
『あっという間に8連鎖! なんだこの戦いは!? しかし、この8連鎖はミーコ選手の10連鎖を返せるのか?』
『カウンターボーナスがあるんだよ』
『なるほど。おっとミーコ選手も負けじと反撃ぃ!』
『6連鎖だねぇ』
『これもカウンターボーナスで……?』
『どうだろ……あっ、返ったねぇ』
『凄まじい攻防! この攻撃をリンゴン選手は返せるのかぁ!?』

 リンゴンも連鎖を開始した。
 僅かな時間で組み上げたぽよは、しっかりと連鎖が繋がり……。

『執念の4連鎖! しかし、相殺には至らない!
 ついにリンゴン選手の盤面に岩ぽよが降り注ぎましたぁ!』

 僅かだが、しかし致命的なダメージとなる。
 その隙にミーコが速攻の2ダブを決めた。リンゴンは対応できず、互いに1勝となった。

『ぽ、ぽ、ぽ、ポテェェェェ!?』
『素晴らしい試合でした。ポテトさんも茹で上がっております』

 準決勝のルールは5先。続く試合も、まるでトッププロ同士の戦いのように熾烈なカウンター合戦が繰り広げられた。

 7試合目が終わる。
 リンゴン3勝。ミーコ4勝。リーチとなった。

 *  ――  *

 ……たのしい。

『さぁリンゴン選手、いよいよ後が無い!』

 ……楽しい。

『運命の8試合目。これで決まってしまうのか!?』

 リンゴンさん、すっごく上手。
 攻撃しても攻撃しても返ってくる。

『なっ、なんだこの展開は!?
 お互いに最上部で2連鎖を打ち合っております!』
『きっと先に攻撃したくないんだねぇ』

 ぽよテトは、会話。
 相手の考えてること、全部伝わってくる。

 もちろん、こっちの考えも伝わる。
 声を出さなくても、ゲームを通じてお話できる。

 ――もっと、遊びたい。

『  は、  ぁ!?』
『ミー     ねぇ』

 周囲の音が小さくなる。
 ゲーム画面以外の情報が消える。

『  』
『  』

 これがアニメとかマンガなら、謎の空間で相手と会話する展開になりそうだ。でもそんなことは起こらない。私に見えるのは、ゲーム画面だけ。

 左にある緑。ここを繋げば攻撃できる。
 リンゴンさんは……うん、右にある赤色だよね。

 多分どっちも15連鎖。先に攻撃したら、17連鎖くらいで返ってくると思う。ほんの数秒だけ遅れて連鎖が始まるだろうから、カウンターは間に合わない。

 先に攻撃したら負け。
 だから、お互いに2連鎖を繰り返してる。

 うっかり連鎖を始めたら負け。
 盤面に余裕が無いから、無抵抗で受けても負け。
 
 普通の試合は2分くらいで終わる。
 でもこの試合は5分くらい続いてると思う。

 地味だけど、すごく危ない。
 ひとつのミスが負けに繋がる状況だ。

 リンゴンさんのプレイ、すごい。
 負けたくないって聴こえてくる気がする。

 彼女は、どうして大会に参加したのかな。
 楽しそうだから? 去年も出てたから?

 きっと他にも何か理由がある。
 ただゲームに勝ちたいだけなら、こんなにも必死になれないと思うから。

 だって、ミーコとリンゴンさんは、ぽよテトのプロじゃない。

 Vtuberなんだ。
 Vtuberは、楽しいと思ったことを全部やる生き物。

 彼女はどうして勝ちたいのかな。
 どういう想いで、今ゲームをプレイしてるのかな。

 分からない。
 ゲームを通じて伝わってくるのは、勝ちたいという気持ちだけ。

 それは、とても強い気持ちだ。
 どうしても勝ちたい。絶対に負けたくない。そんな声が聴こえてくる。
 
 でもそれはミーコも同じ。
 勝ちたい気持ちなら、ミーコの方が大きい。

 ミーコは、この大会で優勝するんだ。
 優勝して、もっと有名になって、百万人のファンを集めるんだ!


 *  *  *


 ぽよテトとしては長時間の試合。
 それを見守る視聴者達は、しかし全く退屈していなかった。

 最も大きな理由は実況と解説の存在だろうか。
 ミーコとリンゴンによる第8試合目は、共に2連鎖ないし3連鎖を繰り返すだけの退屈な展開であった。ここには高度な駆け引きがあるのだが、初心者が見て理解できるものではない。

 しかし、ファシリ・テイトの実況とポテトの解説により、高度な駆け引きが視聴者に伝わった。

『ミーコ選手仕掛けた! 我慢できなかったか!?』

 ミーコの連鎖音が4回目に達した直後、リンゴンは大連鎖に向けて動き始めた。

『ちゃポテェ!?』

 ポテトがひっくり返る。
 
『……あっ』

 これまで沈黙を保っていたリンゴンもまた、自らの連鎖を開始した直後に呟いた。

『な、なんと、これはぁ!?』

 ミーコの連鎖は、フェイクだった。
 盤面の深いところ。7連鎖の位置で止まるようになっていた。

『……いや、やだ、やめて』

 リンゴンが怯える。彼女のファンが歓喜した。
 ポテトが茹で上がる。コメントの勢いが加速した。
 そしてミーコは、超高速で連鎖を組み立て始めた。

『ミーコ選手のカウンターが炸裂ぅ!
 リンゴン選手のカウンターは間に合うのかぁ!?』

 ミーコの反撃が始まった。
 1、2、3と連鎖数が増え続ける。

 しかしリンゴンは動けない。
 彼女の連鎖は、まだ終わっていないからだ。

 ミーコが6連鎖目に到達した時、ようやく動けるようになった。

『ギ、ギ、ギギギ』

 リンゴンは錆びれた鈴の音みたいな声を発しながら連鎖を作り始める。しかし彼女に与えられた時間はあまりにも短い。

『ギィィィィィィィ!?』

 試合終了。
 結果は5対3でミーコの勝利となった。


 * 感想戦 *
  

『素晴らしい試合でした。両選手全く口を開かない、まさにサイレントぽよとなりましたが、実況席の二人としては早くも声が枯れそうな勢いです。ポテトさん如何でしたか?』
『…………』
『えー、なんか昇天しているため、ファシリ・テイトだけで進行させて頂きますね。早速、両選手に感想を伺っていきましょう。まずは、残念ながら敗退となりましたリンゴン選手、如何でしたか?』

 リンゴンはミュート芸を披露した。
 返事をする代わりに首から上が忙しく動いている。
 そして数秒後、ちょっぴりセンシティブな声で言った。

『……全身、びちょびちょです』
『ええ、本当に。手に汗を握る展開でした。視聴者の皆様も、大変盛り上がっている様子です』

:嗚呼、素晴らしい……素晴らしい……
:Someone please tell me how to confine this angel.
:Pourquoi ses larmes semblent-elles avoir l'air si délicieuses?

『海外ニキも居るようですね。意味は分からないですが雰囲気的にロクなことではないのでしょう。さて、ミーコ選手にもコメントをお伺いしましょうか』

 ミーコ、両手を振り回す。

『おっとミーコ選手もミュート芸です。ぽよが上達するコツなのでしょうか』

 そして数秒後、ミーコはフードを脱いだ。
 二つ結びの髪の毛がふわりと宙を舞い、天真爛漫な猫耳少女が現れる。

:かわっっっっっっっっっっっっ!?
:かわっ、わ、わぁっ!?

 一部の視聴者は語彙力を失った。
 ミーコは……彼女は、リンゴンの姿を真っ直ぐに見つめている。

『……た、そぼ』
『呪文でしょうか?』

 ファシリ・テイトの受けを狙った発言。
 これに生徒達からの大ブーイングが起こった。

 一方で、彼女のコメントを聴いたリンゴンは、笑顔の表情差分を見せる。

『うん! また遊ぼうね!』

 ゲームによって勝ち負けが決まる。
 だけどそれは、べつに命を取り合うわけではない。

 大切なのは楽しいこと。
 勝っても負けても楽しいこと。

 ミーコとリンゴンはゲームを通じて会話をした。
 何か打診すると直ぐに返事が返ってくる。そういうギリギリの戦いを繰り広げた。

『…………えっへっへ』

 あまり人前で笑うことに慣れていないミーコの笑い声。その声を最後に、ぽよテト大会の準決勝は幕を閉じたのだった。
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