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6巻

6-2

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「これ、何だかお分かりでしょう? キョーイチローの趣味で作ってもらったものです」
「……へぇ。あんたは知ってんのね」

 アイジャの笑顔。その真意を美希は読み取る。ちらりとメオを見やって、再びアイジャに顔を向けた。

「愛人、ねぇ。……あんたも大変ね」
「分かっていただけたようで何より」

 作り笑顔のアイジャに、美希は呆れてテーブルにひじをついた。メオを見つめ、事情を察して椅子へと背を預ける。

「恭一郎。あんた、そりゃだめだよ。ひどすぎ」
「えっ? な、何がだよっ」

 椅子を傾けながら、美希は向かいにいる恭一郎にだめ出しする。
 先程の会話の意味が理解できない恭一郎は、不安を覚えて美希とアイジャを見つめた。

「……分かったわよ。ここじゃわたしが新参者ってわけね。……でも、わたしだって恭一郎の恋人だし、こちとら二年間も独り身よ? 身体うずきまくってるっての」

 両手を上げて、美希はそこんとこどうしてくれんのよとアイジャを見やる。すると、アイジャはまとう雰囲気を変えて腰に手を当てた。

「まぁそこらへんも含めて、よろしくってことさね。あたしは特に、お前さんにも世話になるだろうしね」

 いつもの口調。ほっとした様子のメオが、ひょこっとアイジャの背から顔を出し、警戒するように美希を見つめる。

「ふーん、それが通常営業か。なるほどね。そっちのほうが、恭一郎が鼻の下伸ばしそうだわ。……まぁ、それよりも。提案があるんだけど」

 楽しげにアイジャの顔を眺めながら、美希は恭一郎へ振り向いた。察したアイジャが、にこりと笑って同じように視線を向ける。

「とりあえず、あそこにいる馬鹿ちんにさ。尋問したいんだけど、どうかな?」
「賛成」

 二人の視線にさらされて、恭一郎の身体が震える。助けてとメオに目を向けるが、メオはふるふると首を振った。

「……めっ!」

 ねこのしっぽ亭。本日まことに勝手ながら、臨時休業。


  ◆  ◆


「……いい人たちね」

 木と石造りの部屋の中、美希はベッドの端に腰掛けて窓の外を見つめた。
 輝く二つの月を視界にとらえ、小さく一つため息をつく。

「ああ、メオさんもアイジャさんもいい人だよ」

 美希のかたわらで、ちりちりになった前髪を触りながら恭一郎は横になっていた。

「馬鹿、そうじゃないわよ。……いきなり現れたわたしに部屋をくれて。しかもこうして、あんたとの時間を作ってくれてるじゃない」

 遠くを見つめる美希の横顔を見ながら、恭一郎は少し眉を寄せる。言われた言葉の意味を考え込む恋人に、美希は女性としてくすりと笑った。

「はは、あんたには無理よ。恭一郎」
「むっ、なんだよ。俺だって、色々と考えてるんだぞ」

 必死だぞとアピールする恭一郎を見て、美希は笑みを深くする。よしよしと、愛おしそうに恭一郎の頭をでた。

「いいのよ、あんたは。そのままの馬鹿ちんで」
「いや、馬鹿ちんはだめだろ」

 久しぶりに美希にでられて、恭一郎はいかんいかんと頭を振った。そんな恭一郎に、美希はぽつりと謝罪の言葉を口にする。

「……ごめんね」

 少し声が震えていた。恭一郎は少し驚き、ぴたりと止まる。そして、ふぅと息を吐きながら起き上がり、美希の両頬に手を添えた。

「いいって。俺のほうこそ、悪かったよ。お前のこと、全然考えてなかった」

 二人とも、自分のことで精一杯だった。あのとき、互いに思いやれれば、少なくともあんなことにはならなかったはずだ。そう考え、恭一郎は何かをぐっとこらえている美希を見上げる。
 美希も、心の中で頷いた。お互い様だが、それでも自分が何かを言わなきゃならない。

「……ちょっとは、考えろ。ばかいちろー」

 ようやく絞り出した美希の声に、恭一郎は耳を澄ます。こんな言葉もきっと、二人の作ってきた形の一つだ。

「ごめん」

 もう一度だけ謝って、恭一郎は美希の身体を引き寄せた。


「……で、どっちが本命なのよ?」
「えっ?」

 唐突な美希の質問に、恭一郎は声を出した。
 ベッドに座る美希に、じとりと睨みつけられ、恭一郎は思わず言葉を詰まらせる。

「ふふーん。思った通り、馬鹿ちんをしているわけね」
「ち、違うっ。これでもちゃんと考えてだな……」

 そこまで言って、恭一郎は自信がなくなる。ネコミミと奇跡のおっぱいを持つ二人の顔を思い出して、自分はきちんとやれているとは言えなかった。

「メオちゃんでしょ?」
「ぶっ!?」

 動きの固まった恭一郎に、美希がにたりと口角を上げる。予期せぬ指摘を受け、恭一郎は噴き出した。

「なっ、なななっ!? ど、どうしてそう思うんだよっ!?」

 驚いて美希を見つめる。そんなに自分は分かりやすいのだろうか。

「あははっ。分かるわよっ。あんた、メオちゃんにだけ態度違うもの」

 当たり前でしょうと笑う美希に、恭一郎は頭を殴られた思いだ。これでも一応、表面上は隠しているつもりだというのに。こんなにも簡単に見破られるのかと、恭一郎は恐怖に思い美希を見やる。

「アイジャさんも、まぁそりゃ好きなんだろうけど。なんだろ。あの人は、どっちかっていうと……そばにいてあげなきゃって、そんな感じ?」

 鋭い。確かに、アイジャと恭一郎の関係はやや共依存的かもしれない。アイジャは恭一郎を求めているし、何だかんだで恭一郎もアイジャに頼りきっている。
 しかし、それをわずかな時間で感づかれて、恭一郎は羞恥に頬を掻いた。

「お前、相変わらず勘がいいな」
「あはは、馬鹿。違うわよ」

 再びの馬鹿発言だが、先ほどとは少し声色が変わっていた。それに気づいた恭一郎が顔を向けると、美希は優しげな瞳で見つめ返す。

「わたし、あんたの彼女だったのよ? 分かるわよ。そんくらい」

 微笑み。優しいその表情を自分は確かに好きだったと、恭一郎はじっと見つめる。そして、それが過去になっていることに気がついた。

「……美希」
「いーの。その先言ったら、背骨折るわよ」

 唇に指先を付けられ、ほんの少し、恭一郎の首が後ろに動く。

「二年よ? 自然消滅よ」

 あっけらかんと笑う、美希の顔。恭一郎は、違うと叫びそうになった。
 しかし、それを叫ぶ資格がないことに、今さらながら恭一郎は気がつく。
 二年だ。独りの時間だ。それだけ、想い続けてくれていたのだ。

「……ごめん」
「こういうときに謝る癖、直ってないわねー。謝ればいいってもんじゃないって、何度言わせるつもりよ」

 呆れたように笑った後、美希は恭一郎の額に右手を近づけた。そして、力をめた中指をぴんと弾く。

「いてっ」
「ふふふー。女たらしにはお仕置きー」

 にかりと笑う美希。喧嘩の後の、懐かしい時間。それを思い出して、恭一郎は泣きそうな顔で美希を見つめる。
 そんな恭一郎を、美希は真っ直ぐな眼差しで射抜いた。
 美希の瞳の中に恭一郎が映り、それを恭一郎の瞳がとらえる。

「わたしに悪いと思ってるなら、答えて。……世界で一番好きな女の名前を、言いなさい」

 視線。らされることのない、視線。
 その表情に、恭一郎は遠い日の時間を思い出した。
 始まりは、高校のインターハイ。全国に進んだのは、自分の所属するバスケ部とレスリング部の美希だけだった。
 チームで壇に上がった自分たちの横で、一人で堂々と拍手を浴びていた少女。その横顔に、ひどくかれたのを覚えている。
 もう、きっかけは思い出せない。自然と行動を共にするようになり、自然と同じ大学に進学した。
 初めての喧嘩は、美希が髪を染めたとき。部活はどうするんだと言った自分に、美希は入らないと言い切った。
 女の子らしく生きたい。そう言った美希の顔が、あの壇上にいたときと同じように堂々としていたのを覚えている。

『似合うっしょ?』

 明るい茶色に染めた髪。別人になったように感じて、少しだけ緊張した。
 今なら、馬鹿な自分にだって分かる。
 自分が、言ったからだ。
 美希は強いと。俺だって勝てないと。……褒めるつもりで、言い続けたからだ。

『わたしだって、可愛いっしょ?』

 きらりと光るピアスを見せつけて笑う美希に、自分は心を奪われた。
 女の子らしくなりたいという、美希の願いが叶うたびに嬉しかった。
 振り回されて、手が掛かって。そんな笑顔の時間が、大好きだった。
 だから、言わないと。彼女にだけは、美希だけには誤魔化ごまかしてはならないことがある。

「好きだ。世界で一番、メオさんが好きだ」

 真っ直ぐに、言い切った。美希の瞳に向かって。
 途中で止まることもせずに、言い切れた。

「……そっかぁ」

 美希の視線がほんの少しだけ、下を向いた。ぐっと、こらえられた何か。一瞬。一秒にも満たぬ時間。
 ふいに、パンと、両頬が叩かれた。驚く恭一郎の前には、美希の笑顔。

「よく言ったっ! 大好きだ恭一郎っ!」

 流れる涙。けれど、泣いてはいない。泣いていると言っては、いけないのだろう。
 恭一郎は、静かに笑った。彼女の笑顔を無駄にしないために。

「……今まで、ありがとね」
「ああ。楽しかった」

 きっと、これでいいのだと美希は思う。
 後悔なんて、あるわけない。愛し合った時間は、消えはしない。
 髪を染めても。夢を変えても。……あの闘いの日々が、孤独な試合が、決してなくなりはしないように。
 ずっと、言いたかったことがあった。あんなことがなければ、言うつもりだった。
 その言葉だけが心残りで、美希はぐっとまぶたを閉じる。しかし、それも彼女は心の中にそっとしまった。
 まぶたを開けて、前を向く。そこには、自分を真っ直ぐに見つめる愛しい顔。

(……あぁ。やっぱり、好きだなぁ)

 それが、誇らしかった。美希は十分だと胸を張る。

「頑張れよ」

 そう言って、美希は恭一郎の胸を拳で叩いた。


  ◆  ◆


「……ほんとに見るのか?」

 自室の扉の前で、恭一郎は美希を見つめた。その顔に、何よと美希が唇を突き出す。

「いいじゃん、部屋見るくらい。今さらでしょ」

 それとも、何か見られちゃまずいものでもあるんですかと言いたげに、美希は恭一郎をじとりと睨む。大学時代は半分同棲していたような間柄だ。恥ずかしがる必要などないはずである。

「うっ。まぁ、それはそうなんだけど」

 恭一郎の額を汗が流れる。確かに、何もやましいことはない。ないのだが、事情を知らない美希にとっては、どう考えてもまずく映る存在がベッドの上で寝ているはずだ。

「ウーン。ゴシュジン。ネルカ」

 そんなときだ、ふいに扉が音を立てて開いた。しまったと思ったが、扉は無慈悲にも内側に開く。

「……ゴシュジン。コノオンナ。ダレ?」

 首輪を隠しもせずに、サファイアの瞳がきょとんと美希を見上げていた。
 奴隷の身分を示す首輪は、この少女――ヒョウカが本来の土地神の力を取り戻したことで一度砕けたのだが、彼女は恭一郎との思い出の品として修復し、今も身につけている。しかも、以前と同じように少女姿で恭一郎の部屋で寝泊まりしているのだ。
 ヒョウカを見下ろした美希の眉が、ぴくりと動いた。

「あららー、可愛い子ねー。……首輪までつけちゃって」

 かがんで目線をヒョウカに合わせた美希が、よろしくねと頭をでる。ひんやりとした感触に一瞬驚くが、それよりも美希は別のことが気になり恭一郎を見上げた。

「……この子、誰?」
「え、えっと。ヒョウカって言って……」

 明るい美希の笑顔に、恭一郎はぞくりと背中を震わせた。美希は、そっかぁと笑ってヒョウカを見つめる。

「ヒョウカ。ゴシュジンノ。ドレイ」

 美希の笑顔に警戒心を解いたのか、ヒョウカはえっへんと胸を張った。リボンで補修した首輪を見せつけるように、美希に視線を送る。


「……そっかー。奴隷かー。……ヒョウカちゃんのご主人様って、誰かなー?」

 分かってはいるものの、美希はヒョウカに最終確認を求めた。その質問に、ヒョウカがきょとんと首を傾げる。

「ゴシュジン? ココニイル。ヒョウカ。カッテモラッタ」

 びしぃと、はっきりさされる指。その先には、当然恭一郎が立っている。

「美希。話を聞いてくれ。たぶんお前は勘違いしている」

 ヒョウカの指先に合わせて、ゆっくりと首を動かした美希の笑顔に、恭一郎は一歩後ずさった。へぇーと、美希の笑顔が色を変えていく。

流石さすがのわたしも、これは考えてなかったなー。そうよねー、こんだけファンタジーな世界だもの。奴隷くらい買えるわよねー」
「ち、違うんだっ。いや、違わないけど。違うんだっ」

 恭一郎の額と背中に、どばどばと脂汗が流れだした。これはまずい。恭一郎は足に力を入れる。

「こら。逃げようとするんじゃないわよ。階段側ならともかく、この廊下の狭さで、わたしの横を抜けれると思ってんの?」

 両手を広げ、美希はどっしりと腰を落とす。相変わらずとんでもない威圧感だと、恭一郎は唾を呑んだ。全国レベルのバスケプレーヤーである恭一郎でも、突破できる気が全くしない。

「ま、待て。話し合おう。お前のタックルはしゃれにならん」
「あらー。覚えててくれて嬉しいわ。これでもね、美容のためにトレーニングはサボってないのよ?」

 普段のじゃれ合いで美希が関節技を使うのは、ただの手加減だ。ある種のプロ意識として、素人である恭一郎に本職のレスリング技を使わないための。
 しかし、今は違う。恭一郎は美希の本気を肌で感じ、じりりと間合いを広げていく。
 美希は笑顔だが、目は笑っていない。それはそうだと恭一郎は迂闊うかつな自分を呪った。先ほどの今だ。美希が怒るのも当然だった。

「バスケットマンはいいわよねー。無駄に背が高くて、転ばせやすいから。あっ、今は料理人だっけ? 仕方ないから、腕は勘弁してあげる」
「待て待てっ。ほんと、待ってくださいっ!」

 もはや懇願の叫び。美希の本気は本当にしゃれにならない。おそらく自分など、数分で絶命させられるだろう。

「問答無用ぉっ!!」

 ごうッ!! そんな音が聞こえるような、美希のタックル。一瞬恭一郎の頭に死がよぎって、しかし次の瞬間にその瞳はさらなる驚愕きょうがくに見開かれた。

「って、きゃああっ!!」

 美希の叫び。氷雪の突風。ブリザードのような暴風に翻弄ほんろうされ、美希の身体が壁に叩きつけられる。

「美希っ!? って、ひょ、ヒョウカっ!」

 ぎょっとして、恭一郎は扉の奥のヒョウカを見る。乏しい表情からでもはっきりと分かる、怒りの感情。しまったと、恭一郎はヒョウカに手を伸ばした。

「ゴシュジン。イジメルナ」

 両手を突き出し、サファイアの瞳が青く光り輝く。
 がたがたと震える壁と床。地震かと勘違いするほどの振動が、ヒョウカを中心に発生していた。
 エルダニアの守護神として民の信仰を集めるようになったヒョウカの力は、容易たやすく美希の身体を壁に凍りつける。

「ちょっ、タイムだヒョウカっ!!」

 恭一郎が、怒りで我を忘れているヒョウカの前に飛び出した。恭一郎の肌と衣服が一瞬で凍り、その光景を見て、ハッとヒョウカが吹雪を止める。

「……ゴシュジン。ドイテ。ソイツコオラセル」

 突然の恭一郎の行動に、ヒョウカは不思議そうに首をひねった。それでもなお消えない怒りの輝きを静めるため、恭一郎はぎゅっとヒョウカを抱きしめる。

「いいんだよ。この人は、悪い人じゃないんだ。ありがとうね、ヒョウカ」
「ソウナノカ?」

 きょとんと、恭一郎を見上げるヒョウカ。そのあどけない表情に、恭一郎はため息をついた。恭一郎はよしよしとヒョウカをでる。

「つ、つめたいー! た、助けて恭一郎っ!!」

 美希の声に振り返る。そして、うわぁと顔を崩した。
 壁にはりつけになって半泣きで助けを求める美希を眺め、恭一郎はどうしたもんかと頭を抱えるのだった。


「そ、そう。そういう事情なら、仕方ないわね」
「スマン。ヒョウカ。カンチガイ」

 毛布にくるまった美希は、がたがたと身体を震わせながら客席に体育座りで尻を落ち着けていた。ホットミルクを飲みながら、いいのよとヒョウカに微笑む。

「びっ、びっくりしましたぁ。何が起こったのかと」

 メオはそう言って恭一郎にもミルクを手渡す。お騒がせしましたと、恭一郎は店長に頭を下げた。

「私も、恭さんがヒョウカちゃん連れて帰ってきたときは、びっくりしました」

 にゃははと笑いながら、メオは恭一郎の方に目を向ける。恭一郎は苦笑しながら頬を掻いた。何だかんだで、このねこのしっぽ亭には恭一郎の事情で住むことになった女の子が二人いる。
 恭一郎たちのやりとりを眺めつつ、隣りのテーブルではアイジャが呆れ顔で一人酒を飲んでいた。

「それにしても、この子凄いわね。こんな子がいっぱいいるの?」

 ヒョウカを見つめながら、美希は恭一郎に声をかける。
 思い返せば、恭一郎も異世界に来たばかりの頃は驚きの連続だった。すっかり慣れてしまっている自分に笑いつつ、恭一郎はヒョウカの頭をでる。

「いや、ヒョウカは特別だよ。神様なんだ」
「ヒョウカ。スゴイ」

 えっへんと胸を張るヒョウカの頭を、恭一郎は手で包む。

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