傀儡の御子

休暇1

今日は久しぶりの休日でオブリーは近くの森でスケッチを行っていた。
カリッカリッカリッカリッカリッ。
オブリーは懸命に木にとまっている小鳥を描いていた。
小鳥は不思議そうにオブリーを見ていた。
オブリーがいるこの森は人気も少なく、見晴らしも良くオブリーは休日はこの森でスケッチを良くしている。
オブリー(今日は仕事が休みで良かった。)
オブリーは自身の心が久し振りに澄み切った感覚を覚え、気の向くままに絵を描いていたが、
ガサッ。
不意にオブリーの近くで何やら物音がした。
オブリー(何だろう？)
オブリーは音のした方に向かった。
ガサッガサッガサッガサッガサッガサッ。
落ちた葉っぱを踏みながら、オブリーはどんどん進む。
オブリー(確か、ここの筈？)
オブリーは不思議に思いながら、音のした方に着くと
そこには見知らぬ女性がうずくまっていた。
オブリー(人？)
オブリー「あの、大丈夫ですか？」
オブリーは恐る恐る女性に聞いた。
女性「んっ、あの貴方は。ちょっと道に迷ってしまったんです。」
女性は閉じたまぶたをオブリーに向けた。
オブリー「？あの立てますか？」
オブリーは女性に手を差し伸べた。
女性「ええ、ありがとうございます。」
女性はオブリーから差し出された手を取り立ち上がった。
オブリーは真正面から女性の顔を見た。
女性の両目は瞼で閉じられていて、その顔はまるで能面のように整った顔立ちとまるで綿のように白い透き通るような肌をその女性は持っている。
オブリー(綺麗。)
オブリーはその女性に見とれていると、女性は不思議そうにオブリーに問い掛けた。
女性「貴方はこの近くに住んでいるのですか？」
女性は持っている白杖で足元を正しながらオブリーに聞いてみた。
オブリー「えっええ、まあ。」
オブリーは判然としない返事を女性にした。
女性「あら、この近くに住んでいるのですね。あの私にこの森の出口を教えてはいただけませんか？」
オブリー「あの、森の出口まで案内します。」
オブリーは早速女性に森の出口の道案内をし始めた。　
ザッザッザッザッザッザッザッ。
整備されていない道をオブリーと女性は歩いていく。
女性「あの、普段この森には入るのですか？」
オブリー「ええ、特に絵を描くためによくこの森でスケッチをするんです。」
女性「まあ、気になるわ。あのもし良かったらその絵をいつか聞かせてもらってもよろしいですか？」
オブリー「はい。」
オブリーは頷いた。
森の出口に辿り着いたオブリーはそこで女性と別れ、
オブリーは女性に手を振返した。