烏王創世記 天地編

鴉月語り部

文字の大きさ
上 下
20 / 27
一期 番外編

ザンとマノヤのデート?

しおりを挟む
執筆日 2020/12/07
マノヤ→ザン→ユイム
トライアングルラブ…
ストーカーザンさんと喜ぶマノヤさん

登場人物は一期
ザン、マノヤ、ユイム
即位から50年目、俺様帝王の婚活パーティーで完全に惚れられてからというものの…



 「もぉしつこいったらありゃしませんわぁ!!!
ちょっと、烏王様! アレ、どうにかなさいな…烏王様の命令で落としにいきましたのよ」

俺様帝王ザン様を指すユイム

「ハハハーごめんなーウザいよな…烏王様もなぁ、一週間に一回顔見るだけで充分ウザさがわかったからな
ごめんなーザンちゃん、できればもう帰っていいぞー」

「ハッハッハ、御意!!」

上機嫌でガラガラ滑る椅子で滑りながら去って行きましたわよ……あのポリスメン
ウザいとか言われて全く気にしてないのね……鋼のメンタルだわ

「影武者でも雇う?」

とヴァローナ王女

「……ということでマノヤ、頑張れ!
君なら最悪奴に押し倒されてもまだ勝機はあるだろ?」

烏王様、最終的にマノヤに投げたよ

「いい? マノヤ。襲われそうになったら急所を狙うのよ、純潔だけは守りなさいね
私になりきって、奴に嫌われるのよ。 ついでに弱点か何か探ってきて頂戴」

幻術でユイムの姿を纏うマノヤ


「は、はい! 頑張ります…!」

 ――――困ったなぁ…実は私、姉さんのキャラがイマイチわからないんだよなぁ
なんか姉さん、大和撫子って言ってみたりガラの悪い関西ヤンキースタイルになったり
させそうでさせない小悪魔とか言ってキャラブレブレだし……

 ってうわー……待ち合わせの5時間前から待機してるよあの人
とりあえずまだだし、私はまだ行かなくてもいいんだよね……?
もしかしたら、あの人だってこの辺りをぶらぶらしてるだけかもしれないし

五時間後

「……ごめんなさい、待ちましたよね」
「待ちわびたぞ!!!
……ではなくて、別に待ってなぞいない。 ちょっと5時間早く来過ぎただけだ」

 マジかぁ……この人どれだけ待ち遠しかったんだろ
それだけ惚れられて幸せだね、姉さんも。

 「……今日はやけに、控えめなのだな
いつもはもっと女王様気質というか、心底嫌そうな表情で私を視るのに……
まあそれも照れ隠しなのだろうな」

やば、姉さんの姿してるんだよね私。

「こ、この豚野郎!
別に、私も待ち遠しかった訳じゃないんだからねっ……!」

 姉さんってこんな感じ?とりあえず豚って言っとけば女王様になる?

 (おいおいマノヤ……それなんか違う女王様じゃないか?)
と、烏王様心配。

「……ま、まあ。お前になら豚呼ばわりも心地が良いものだなっ!!
さあ行くぞ、今日はいつも通りスケジュールがきっちり決まってるからな
昼は鯉の餌やりデート・ランチは高級和食・帰りは茶屋でカルタ・ディナーは寿司だ」

 (おいおいザンちゃん、豚呼ばわりされてんだぞ。何か疑問に思え
そして全く面白く無いワンパターン・マンネリ化な男だなぁ)

(ちょっとぉ……マノヤぁ
姉のキャラ間違え過ぎ、私豚なんか言わないし!
Sじゃなくて実はドMだって前に話したでしょうに……!)

と烏王様と本物ユイム、尾行しつつ観察する。

(マジか、お前その腹黒女医キャラでドMなのか……引いたぞ)


 ――――すっかり姉の姿でザンとデートするのにはまってしまったマノヤさん
今日もウキウキでデート。

「ウフフ……捕まえてごらんなさぁい~この豚野郎♡」

「ハハハ! 待てぇ我が女神~」

 警察スタイルで牢獄追いかけっこ
最後は手錠で繋がれて幸せ♡

「か、勘違いしないよねっ……! 別に、豚野郎の為に手作り弁当作った訳じゃ……無いんだからっ
はい、あなたあーんして♡」
「ハッハッハ、今日も可愛いぞお前!
料理の腕はそこそこと言ったところかな、私に追いつけるように精進するといい」

(うわぁ……気の利かない奴ぅ……)
(嘘が付けない性質なんでしょうね……潔癖症軍人だから、料理も上手いみたいですし調子に乗ってるみたいです)

と、ヴァローナ王女とノックス。


――――「マノヤさんちょっと、影武者の経過は上々かしら?」

 裏のある微笑みを浮かべるユイムと、嬉しそうに惚気話を話すマノヤさん。

 「…でね、でね…この前なんか抱き締められてドキドキしちゃって……
癖で背負い投げしちゃったら壁に激突させちゃって……でも
『ハッハッハ! 照れ隠しも可愛いぞこいつぅ~』って、笑って許してくれたの
……もう、あの爽やかな笑顔が堪らなくて堪らなくて……」

「……随分と、楽しそうねマノヤさん
で? 貴女、私の姿で何やっちゃってくれたのかしらぁ……?
どんどん奴が距離詰めてきてるのですけど、どうしてくれるのかしらぁ……?」

妹をこしょばせる腹黒キャリアウーマンユイム。

 「ちょっ、姉さんくすぐったいアハハ!
だって……私、あの人が好きなの!!
あの人良い人よ……このまま姉妹で嫁ぎましょう?
最終的に私だったってバラシていいから……むしろそろそろ名乗り出たい」

 「あのね! あんな冗談通じない斬り殺しストーカーに知れたら、貴女が何されるかわかったもんじゃないでしょ……
あいつ、ストーカーなのよ! 私が学校から帰る時間に必ず校門で待ち伏せして偶然を装うのよ!
3時間も待ち続けてるのよ!

保健室で寝込んでいたら、生徒でも無い癖に『奇遇だな私も骨折しててな!』
とか言って離れたベッドに寝てるのよ! 骨折は保健室じゃなくて病院行け!!」

 「烏王様もなぁ……あいつはちょっとな
気持ち悪いストーカーだわ忠誠は重いわ……全体的に重い
何が重いのか全くわかってないのもイライラしてなぁ……
『え、私そんな肥えました? これでは豚野郎と言われても仕方ないな……』とか言うしな」

 鬱憤を吐き出し、怒鳴るユイムと呆れる烏王様。

「その気持ち悪いのが良いんでしょう!?
スタイリッシュな気持ち悪さが、またカッコ良くて……」

「マノヤ、それはお前のフィルターだけだ。正気に返れ『恋は盲目少女』
気持ち悪いって言ってる時点で認めてるからな」

 マノヤは『恋は盲目少女』の称号を手に入れた!
 衣装 セーラー巫女スタイル

 ――――ある日のザンさんと本物ユイム

「今日は、いつもの言わないんだな」
「いつもの?」
「ほら、『この雄豚が!』とか『這いつくばって乞いなさい、雄豚が……ご褒美に手を繋がせてあげても良いんだからねっ!!』とか」

マノヤあああああああ!!!
何してくれとんじゃ人の姿で! こいつもそれを受け入れてんじゃねぇぇ!!
なに? Mなの? この人ドSじゃなかったかしら?

「……ああ、あれは風邪気味で頭がイカレてたの
そのキャラは卒業したの、私Sじゃないの。そういう店に行って頂戴

……今日こそはっきり言うわ、ごめんなさい……
今まで貴方のこと騙してた、利用で近付いたの
だからこんな性悪女王様の私は貴方に相応しくないの……」

『私は地に帰るべきかぐや姫……』と言い切る前に手を握られたわ

「……フ、またそうやって嘘を付く
知っておるのだぞ……今流行の『ツンデレ』というやつであろう
本当に私が嫌いなら、この前の交換日記で『ホントは好き』と書かぬはずだ」

「……あー、奇跡的にそう解釈しなさったのね

『ホモの弟もどうにかしろ、兄弟でマヒナ医院の
監視(かんし)やめろ患者が来なくなったのお前のせいだぞ
とにかく地上に帰れ高貴で世間知らずな皇子様。違う意味で
ハラハラドキドキしてるわ、ヤンデレやめろ
ストーカーポリスメン、強引過ぎる雄は
キライいだって言ってるでしょ』

って書いたやつね」

「……今夜はもう、離さぬぞ……百人一首をしてくれるまでは帰らん」

「そ れ を、やめろと言ってるの
百人一首は大会制度にしましょう、私職場の方で百人一首クラブ作るわ
決勝で会いましょうね……天然皇子様」

 マノヤと入れ替わっていたことを知ったのは、私がウーヴェ様と結婚してからでしたわね……
楽しかったと言えば楽しかったのかしら?
私的には…マノヤがあれだけ嬉しそうだったから、今でも応援してあげたいのですわぁ

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

獣人の国に置いて行かれた私の行き先

恋愛 / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:1,340

【R18】その後の世界で君とともに

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:18

結婚から始まった私達の関係は仲睦まじく続く

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:1,567

はい、私がヴェロニカです。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:482pt お気に入り:870

亡国の王女は世界を歌う ―アメイジング・ナイト2—

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:63

みんなに優しい王子様に求婚されました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:18,034pt お気に入り:1,203

徒然なる恋の話

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:106pt お気に入り:101

【完結】初恋は淡雪に溶ける

恋愛 / 完結 24h.ポイント:184pt お気に入り:1,917

あなたの愛など要りません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,978pt お気に入り:11,702

処理中です...