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第1章 救出篇
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しおりを挟む今日やっとこの家から解放される。
この家に私が持って行きたい荷物はない
学校に行くのに必要な物だけ持ってれば問題ない。
お母様に今日助けが来ることを教えたいけど、会うことは出来ないから教えることは出来ない
いつもと違う行動して、お父様とアンナとユリアに怪しまれたら困るから我慢しないと
怪しまれないように、今日も昨日と同じぐらいの時間帯に家を出た
「お嬢様、おはようございます。今日も早いですね」
「うん。家に居ても息苦しいだけだから」
御者は気まずそうにしている
この人はお人好しよね
お祖父様はこの家を潰すのかしら?
もしそうならこの家で雇ってる人達はどうなるのかしら?
私とお母様を虐めてた人はどうなろうが構わないけど、虐めてない人も居るのよね。
見てるだけで助けようとしないものは同罪って考える人もいるけど、今回のことはどうしようもないと思うのよね。
使用人が私のお祖父様に助けを求めるのも相手が公爵では会うことも難しい
うちに雇われてる人は皆、庶民だからお父様に逆らったら仕事を失うことになる。
庶民でまた使用人になろうとすると、前回働いてた職場からの紹介状が必要だけど、お父様に逆らったら貰えなくなる、庶民にとって死活問題よね
他の仕事をしようとしても、貴族を怒らせた人を雇ってくれる人などいない
甘い考えって思われるかもしれないけど、もしもお祖父様達が使用人全てを解雇して、紹介状も無く追い出そうとしたら止めたいな。
お祖父様は私とお母様を愛してるから、カッとなって相手の状況を考えないかもしれないもの
この御者も今まで勘違いしてたって謝ってくれたし、だけどこの人の家族は助けられないわね。
この人の母親とお姉さんは私達を虐めてた主犯格なんだから、父親はどうなのかしら?
父親が誰か知らないわね
「ねぇ、もしも仕事を失って新しい雇場所を紹介してもらえるけど、家族と縁を切れって言われたらどうする?」
「いきなりどうしたんですか?」
「何となく聞いてみたくなったの」
「そうですか。即答は出来ないですね。新しい雇い主が俺の家族をよく思わない理由を聞いて、その理由が理不尽ではなく、家族が見捨てられなくてはならないような事をしたからなら見捨てるかもしれません。でも何の罪もないお嬢様や奥様を虐めてた、母と姉さんは理由がどうあれ縁を切りたいですね」
「ありがとう」
御者は不思議そうな顔をしてるけど、ちょうど学校に着いたからすぐに馬車から降りた。
校門にはお祖父様と伯父様とティモシー兄様と理事長が待機していた
「おはようございます。こんなところでどうしたの?」
「エレーナおはよう。お前が無事に学校に着いたのを確認してから、愚か者の所に行こうと思ったんだ。今まで気付いてやれなくて済まない。どうやら私の目は節穴だったみたいだな。今からレベッカを救出に行ってくる。私達の誰かが迎えに来るまで学校から出ては行けないぞ」
お祖父様はそう言って私を抱きしめてくれた。
「君のお母さんは私と君のお祖父さんが助けると約束しよう。もしも授業が終わってしまったら理事長室でまっていてくれ。鍵を渡しておく」
理事長はそう言って私に鍵を渡してくれた。理事長もお母様を助けに行ってくれるんだ
伯父様と仲良いってだけなのに何でこんなに助けてくれるんだろう?
救出にはお祖父様と伯父様と理事長が行くなら、お母様は無事で救出されるわね
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