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しおりを挟む「ウォード様ビックリしましたわ。恋人に立候補なんて冗談でも言ってはダメですわよ。ウォード様みたいな素敵な男性に言われたら女性は直ぐに本気にしてしまいますわよ」
「イリナ嬢は本気にしてくれないんですか?私は誰彼構わず口説いたりしないですよ」
ウォード様はそう言って私の顔を覗き込んできました
ウォード様の事は嫌いではないけど、どんな方かよく知らないので返事のしようがない
「ウォード様とは知り合ったばかりなので、申し訳ないですけども今は付き合うとか決められないですわね」
「そうですか。まだ数日一緒に入れられますから帰国するまでに貴女を惚れさせてみせますよ。それより貴女の隣に居る男性を紹介してくれますか?貴女とどんな関係ですか?」
「失礼しました。こちらは私の兄のエリック・ガーフィールド伯爵令息です。お兄様この方はクリス・ウォード侯爵様です」
「イリナ嬢のお兄さんでしたか。エリック殿って呼んでも構いませんか?私のことはクリスと呼んでください。イリナ嬢もクリスと呼んでもらって構わないんですよ?」
許可を貰ってもさすがに呼ぶことは出来ないので笑って誤魔化すことにしました
「ではクリス殿と呼ばせて貰います。私のこともエリックって呼んでください。クリス殿は妹のこと真剣に考えてると思ってよろしいですか?」
「もちろんだよ。結婚を前提に付き合いたいと思っている。彼女と結婚できるなら家を弟に任せて婿入りしても構わない。勿論彼女が嫁いできてくれても構わない。イリナ嬢みたいな責任感が強く、思いやりがある女性となら一生一緒に居られると思うからね」
「そこまで考えてくれてるんですね。良かった。イリナ俺は大賛成だぞ」
「付き合うなんてまだ一言も言ってないですわよ」
ウォード様と言葉に顔が赤くなっている気がして、素っ気なく返して2人から顔を背ける
「エリック殿はイリナ嬢を大切に思ってるんですね。兄妹仲が良くて羨ましいですね」
3人で話していると会場内が少しざわつき始めた
入り口の方を見ると王様と王妃様とジョージ様が入ってきた
王様は会場内を見回してから私達に気が付き、王妃様とジョージ様を連れてこちらに向かってくる
「クリス殿とイリナに用があるのかな?俺は邪魔だろうし少し離れるぞ」
「お兄様お待ちください。3人が実際に用があるのはウォード様です。そんな中私だけが残るのは気まずいですから、下がるように言われるまで一緒に居てください」
逃げられないようにお兄様の裾を掴むとお兄様はため息をつきながらとどまってくれた。
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