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伯父様が話してくれた話は、ロヴァーン家では小さい頃に絶対に聞かされる話だと教えてくれた。

結婚相手を適当に決めたり、相手を蔑ろにするのは、自分や伴侶を不幸にするだけじゃなくて、自分達が守らないといけない領民を危険な目に遭わせることになると、教訓として教えられる

「政略結婚が全て悪い訳では無いだろうけど、自分の家族を大切にしない人が、領民をいざって時に命懸けで守ってくれるとは限らないってことね」

「そういう事だ。もしも政略結婚することになったとして、相手を恋愛対象見れなかったとしても、努力すればお互いに家族愛は持てるだろ?家族が大切にしてるものなら、同じく大切にするはずってのが、ロヴァーン家の考え方だな。だからエミリーも好きな人と結婚していいからな」

好きな人と結婚か

私と結婚したいって人はいるのかしら?

当主は私がなることに決まってる。

私は伯父様みたいに前線に立って、魔物の排除を優先することになるから

私の伴侶になる人は私のサポートや、普通なら当主の妻がするような事を任せることになる。

それを素直に受け入れられる人はいるのかしら?

男性はプライドが高い人が多いから、妻の方が自分より立場が強いことを許せないって人が多いと思う

それに私が妊娠したりしたら、私の代わりを務めてもらいたいから、弱い人では困る

だから結婚する相手はそれなりに戦える人になるはず、そんな人がサポートに回るなんて我慢出来るかしら?

何処かに戦う力はあるけど、戦うことはあまり好きではなく、補佐をする方が好きな人いないかな?

「私の家族以外でロヴァーン家の血を継いでる人達はどれぐらい居るの?」

「居ない訳では無いがかなり遠い親戚だな。ちゃんと調べた訳では無いから、絶対に我が家の血が流れてる保証はない。他の家もそうだが年々子供が出来づらいからな」

高位貴族になれば成程、子供の出生率が下がってるのよね

研究者の話では、血が濃くなりすぎて子供を作る遺伝子が弱いんじゃないかって言われている。

だから王族や公爵家や侯爵家は男爵家や子爵家との婚姻を推奨してる

昔は高位貴族が低位貴族と結婚するのはおかしいと言われていた。今でもそういう人が居るけど、そういう人は結婚はしないけど愛人に男爵令嬢や子爵令嬢を囲っている

どう考えてもくだらない見栄よね

「明後日、この土地の守り神に挨拶に行くから体調を整えておきなさい」

「はい。守り神か………、どんな神様なの?」

「どんな姿か分からないけど、太陽と月の神だと言われてるな」

「神様は2人いるの?それとも1人で太陽と月の神なの?」

「双子の神様とか、二重人格の神で表の人格が太陽で、裏の人格が月の神とも言われている。」

伯父様も詳しくは分からないんだ

「姿や人数が分からないのに、太陽と月の神って何でわかるの?神様は本当にいるの?」

この国では色々な神様を信仰してるけど、私は正直見たことも無いものを信じるのは難しい

そんな考え方をする私は捻くれてるのかな?


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