黒衣の魔道士

オレンジペコ

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第三部 アストラス編~竜の血脈~

32.※受け止めた思い

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「ロックウェル……」
カタリと音を立てて、ノックの後クレイが久方振りに姿を見せた。
その表情は思っていたよりも落ち着いているように見えて一先ず安堵する。
ミュラが絡んだ時のクレイの精神面がすごく心配だったし、正直に言うとここ数日ずっとヤキモキしていたのだ。
また以前のように放心状態になってしまっては目も当てられない。
あんなクレイはもう見たくないと言うのが本音だった。
だから何度もヒュースにクレイの様子を尋ねていたし、実際に部屋の前まで何度も足を運んだ。
そんな自分に眷属伝いに今はそっとしておいてほしいとだけ返し続けていたクレイ────。
結局最後までクレイは自分を頼ろうとはせず、とうとうミュラと対峙してきたらしいとは話に聞いた。
それがほんの少しだけ寂しく感じられ、自分ではやはり頼りにならないのかと…遣る瀬無い気持ちになっていたのはつい先ほどまでの事。
けれど次いでクレイからこぼされた言葉で、それが自分の勘違いだと言う事を知った。

ギュッと素直に抱きついてくる身体を受け止めそっとその顔色を見るが、心配していた憂いはどこにも見つからなかった。
スリッと頬を寄せてくる姿がなんとも愛おしい。

「……母様と直接話してきた」
「……そうか」
「…何があってもお前が全部受け止めてくれると思ったから、ちゃんと逃げずに向き合えると思って…頑張れたんだ」

その言葉がジワジワと自分の中に染み込んでいく。
それは自分をどこまでも信頼してくれているという言葉以外の何物でもない。

「ロックウェル…ありがとう」

そうして紡がれたお礼の言葉を聞いて、自分の存在が確かにクレイの中で重大な位置にあるのだと知りこれ以上ないほどの歓喜に包まれた。
どんな難しい仕事でもあっさりとこなすクレイが、いつも誰にも頼ろうとはしないクレイが、一番辛い場面で自分を頼りにしてくれたと言う事が嬉しくて仕方がなかった。

「クレイ……」

そして素直に腕の中にいる可愛いその姿がどうしようもなく愛しくて、その想いのままに優しく口づけを落とした。


***


「ロックウェル…抱いてほしい」

そんな言葉から始まりはしたが、クレイは不安が勝るようで縋るように滅茶苦茶に抱いてほしいと言ってきた。
母親との和解が夢でないのだと実感したいがために滅茶苦茶に抱いて欲しいと言い出したようなのだが、こんな弱みを曝け出してもらえるのは自分を夫として信頼してくれてのことなのだろう。
けれどだからこそできれば優しくしてやりたいというのが本音だった。
だから宥め癒すように優しく抱いていたのだが、それではダメなんだと目に涙をためて訴えられてしまう。

「うっ…うぅ…。ロックウェル、怖いぃ……」

息を整える合間に溢される言葉に「何が」とは敢えて聞かない。
それは自分に対しての言葉でないことはわかりきっているからだ。
現実を受け入れたいけれど信じ切れないクレイの心情が零れ落ちているに過ぎない。
けれどこの際その内に抱えているものを全て吐き出してしまえばいい。
過去の一切をここできっちりと清算してしまえればクレイはきっともう二度と過去に囚われることもなくなるだろう。

「クレイ…。お前の望みは全部受け止めて応えてやる。だから私だけを見てそのまま全てさらけ出してしまえ」
「あ…ロックウェルッ…もっと近くにきて…っ!滅茶苦茶に食べ尽くして…!」

伸ばされた手を掴み、指を絡めて口づけを落とすと切なげにこちらを見遣りクレイが甘く啼く。

「ロックウェル…ロックウェル……!」

全幅の信頼の眼差しで縋られ、それに全力で応えてやるとクレイはどこか安堵したように笑みを浮かべた。




もうどれくらい犯しただろう?
身体全てがビクビクと敏感に跳ね、奥はヒクつきながら注がれた白濁を甘受し続けている。
意識は朦朧としながらもキュッと締めつけてくる蕾は、ただただ自分を求め続けているようにしか思えない。

「クレイ…大丈夫か?」

回復魔法はいらない。ただただ兎に角滅茶苦茶に抱いて欲しいのだと言われて犯し続けたものの、流石にそろそろ限界だろう。
お仕置きでもないのだからそろそろ回復魔法を掛けてやるか寝かせてやりたいと思い声を掛けるが、クレイはふるふると首を横に振るばかり。

「や…もっと……」

不安げに揺れる眼差しがこちらの庇護欲をこれでもかと煽ってくる。

「ロックウェル…」

甘さを含んだ声で荒い息を吐きながらねだるクレイの姿にぞくりと背筋が震えてしまい、やめるにやめられなくなる。
本人はわかっていないのだろうか?
こんな風に甘えるような切ない声で名を呼ばれると、虐めるのではなくどこまでも甘やかしたくなってしまうではないか。
もっとと言うのなら、もうすでに虐めるだけ虐めたのだからこのまま可愛がっては駄目だろうか?
そろそろ甘えてくれてたらこちらも嬉しいのだが……。
そう思いながら、殊更甘く見つめ問うてやる。

「どうしてほしい?」
「……まだ怖いから、もっと頭が真っ白になるくらい愛して欲しい」

けれど返ってくるのはやはりそんな言葉で────。
優しくなんてしなくてもいい。
込み上げてくる不安を忘れてしまいたい。
余計な事を考える暇がないほどもっともっと無茶苦茶にして欲しい。
そんなクレイの気持ちがその向けられてくる瞳からヒシヒシと感じられて、胸が痛くなる。
やはりミュラとの件はそれだけクレイの中で大きな問題だったのだろう。
これまでがこれまでだっただけに、早々すぐに気持ちの整理はつけられないのだろう。
それはこれまでのことからしても十分にわかってやれるから……ここでそれを無視すべきではないだろうなと思った。

「仕方がない。後で鬼畜と怒るなよ?」

それならせめて激しくとも愛情を込めて蹂躙してやりたいと思う。
頭が真っ白になるほどと言うのなら、いつもはお仕置きの時に使う少々苦しい体位を多めにしつつ、それでいて狂おしいほど快楽は感じられるように考えて、降るような口づけを落としながらも突き上げる激しさは緩めずに、ただただ感じる場所を連続して責め立てる。
これならクレイの要求を満たすには十分だろう。

「や、こんなの、ダメ────ッ!」
「滅茶苦茶にして欲しいと言ったのはお前だろう?もう何も考えずにどこまでも堕ちてしまえ」
「ひっ…!苦し…っ、あ、あぁあああっ!」

自分が出した白濁で顔や腹をこれでもかと汚し、上気し虚ろな目で喘ぎ続ける淫靡な姿。
自分だけが頼れる存在なのだと言わんばかりに縋りついてくる震える手。
助けを求めるかのように辛そうに苦し気に歪んだ顔。
もっともっとと乞うように熱を孕む瞳。
熱く吐き出される切ない吐息。
快楽に落ちて更に敏感になっていく肌。
ビクビクと震えながら潤む目でもっとと言われて、それに煽られない男などいるのだろうか?
ひたすら求められるままに感じさせ、促されるままに注ぎ蹂躙し尽くし、合間合間に呼吸を整えるように宥めるような口づけを落としていく。
クレイはその度にどこか安堵するかのような表情を浮かべた。
今日ほど自分が絶倫でよかったと思った日はないかもしれない。
クレイをこんな風に素直にさせて翻弄し、満足させてやれるのは自分だけだ。

「あ…嬉し…ッ!」

そう言いながらどこまでも堕ちていくクレイを全力で愛していく。

「…………くっ!」

荒く息を吐きながら呼吸を整え髪を掻き上げる。
流石に疲れたので自分で自分に回復魔法を唱え、最終的に満足しぐったりと意識をなくしたクレイを抱き上げシャワーに向かう。

「クレイ…」

こうしてクレイの全てを受け止めて愛してやれるのはある意味幸せなのだろうと思う。
昔の自分にはそんなことはできなかった。
それだけ……月日と共にクレイを理解してやれている自分が誇らしく感じられる。
だからこそ、クレイに頼ってもらえたのだから────。

身を清め綺麗に整えられた寝台へと戻り、そっとクレイの身を横たえさせ軽く口づけを落として優しくそっとその身を包む。

「おやすみ…クレイ」

目が覚めたら少しは気持ちの整理もできているだろうか?
どうか今日はこのまま不安に苛まれることなくゆっくりと休めますように────。
そう願いながらそっと眠りの魔法を口にした。


***


「う……」
(……動けない)

起きて早々身体が鉛のように重たくて、指一本動かすのも億劫な程怠かった。
熱が出たのか、頭がどこかぼんやりしているようだ。
目線を動かすと、自分を労わるように抱きしめながら眠っているロックウェルの寝顔が見えた。
どうやらロックウェルはこちらの願い通り昨日は回復魔法を一切使わないでいてくれたようだった。
随分無茶な注文をつけてしまったが、ロックウェルはそれを全て受け入れてくれた。
そんなロックウェルの優しさが嬉しくて、動けないながらも名を口にしたくなったのだが、声がすっかり枯れてしまっていてそれを紡ぐことができなかった。
自分で回復魔法を掛けないでくれと言った手前仕方のないことだが、これは少々具合が悪い。

『ヒュース…聞こえるか?』

仕方がないので、最近はあまりしなくなったが背に腹は代えられないとばかりに魔物の言葉でヒュースへと呼びかけた。
使い魔とは無理だが眷属となら念じるだけで意思疎通ができるのである意味便利ではある。

【聞こえていますよ。どうしました?】
『…声が出ないから、ロックウェルが起きたら伝えてくれないか?』
【何をです?回復魔法の使用についてですか?】
『その……あ、あ…』
【ああ、“ありがとう”ですか?まさか“愛してる”ではないですよね?それならどちらにせよ回復魔法を掛けてもらってから、ご自分で言ってください。私が代わりにお伝えするような言葉ではないでしょう?】

どこか呆れたような声でそう言われるが、自分は今すぐ伝えたいのだ。
回復魔法なんて待っていられないくらい気持ちが溢れて仕方がないのだから、それくらいわかってほしい。

『今すぐ伝えたいんだから仕方がないだろう?せめて抱きつきたいと思っても、それさえ身体が怠くて全然動けないからできないし!』

もどかしいのだとそう反論した自分に、ヒュースはどこか安堵したような声でポツリと言った。

【…………それだけお元気そうなら大丈夫ですね】
『え?』

一体どういう意味だろう?

【母君のことですよ】

どうやら今回の件はヒュースなりにかなり心配してくれていたらしい。
それはこれまでのことを思えば当然と言えば当然だったかもしれない。
特にヒュースは当時のことを一番よく知っていて、自分の気持ちを一番傍で感じ取っていたのだから────。

『……心配掛けて悪かった』
【いいんですよ。クレイ様はたまに我儘を言うくらいが丁度いいんです。そうやってどんどん周囲を頼って甘える術も覚えてください】

その方が嬉しいからと言ってくれたヒュースに嬉しい気持ちが込み上げる。

『俺は十分お前には甘えているだろう?流石にこれ以上は甘やかしすぎだぞ?』

でもそんなところが安心できて大好きだと言葉にせず思っていると、なんだかヒュースがクスリと笑った気がした。

【ロックウェル様。ロックウェル様。起きてください】

そして徐にロックウェルを起こし始める。

「ん…。ヒュース?」

ヒュースからの声掛けにロックウェルがゆっくりと目を覚まし、その綺麗な瞳を開いた。
どこか気怠げな姿が特有の色香を振り撒いて自分の目を奪っていく。
昨日あんなにも抱かれたというのに、物凄く口づけたくてムラムラしてしまった。
(襲いたい…!)
動けないから尚更そう思ってしまうのだろうか?

【ロックウェル様。クレイ様が甘えたいから回復魔法を掛けて欲しいそうですよ?】

そんな自分を知ってか知らずかヒュースが声を掛け、その言葉にロックウェルは驚きつつも抱き寄せてくれる。

「クレイ。おはよう」

低く心地いい声で耳元で甘く囁かれてなんだか益々落ち着かない気持ちになってしまった。
声が出ればここでおはようと返すこともできるのに、それさえできない自分が悲しい。
仕方がないので重たい腕をなんとか動かし、そっと回されたロックウェルの手へと指を重ねてキュッと力を込めた。
歯痒いことに今自分にできることはそれくらいしかない。
けれどそんな自分を何故かロックウェルは強く抱きしめてきて、今は逃げ出す体力も怒る気力も叫ぶ声すら出せない状況なので何一つ抵抗できず内心で慌てることしかできなかった。
そんな自分に気づいてくれたのか、暫くしてそっと身を離したロックウェルは笑顔で回復魔法を掛けてくれる。
それによって一気に体が軽くなり、声も出せるようになった。

「クレイ。大丈夫か?」
「ん…おはよう。ロックウェル」

やっと動けるようになってホッと息を吐き、もぞもぞと動いて向き合うように体勢を変えそっとロックウェルを見上げながらいつもとは少し違う気持ちでチュッと軽く口づけた。
もう先程までのムラムラした気持ちは鳴りを潜めているが、その反面久しぶりに抱かれたせいで何となく気恥ずかしくてどうしていいいのかわからなくなる。
数日抱かれなかっただけなのにおかしなものだ。
やけに照れ臭くて、ドキドキする気持ちを持て余しつい甘えるように身を寄せてしまった。

「なんだか…お前の腕の中が一番落ち着くのにドキドキしてたまらないんだ」
「……?!」
「その…少しだけ甘えてもいいか?」

けれどそんな本音を溢したのが悪かったのだろうか?
気づけばロックウェルが自分の上に乗っていた。
その表情は何と言えばいいのだろう?
色香に溢れているところは先程とあまり変わらないが、いつもとは違いどことなく嬉しそうにも見えて、言うなれば愛おしいという感情を前面に押し出したような蕩けるような笑みを浮かべている。
そのくせそれだけではなく、どことなく激しく欲情しているようにも見えた。
ちょっと甘えたかっただけなのにどうしてこうなったのか…。

「クレイ…」
「…なんだ?」
「素直に甘えてくれるのは嬉しいが、今のうちに他に何か私に言っておきたいことはあるか?」

そう言われ、優しくこちらを見つめながら続きを待ってくれているロックウェルに暫く思考を巡らせる。
ここでおかしなことを口にしてしまえばきっとあっという間に食べられてしまうだろう。
迂闊なことは口にできない。
けれど改めて言うのは少し照れ臭いが、やはりここは御礼だけでもしっかりと伝えておきたいと思った。
本当にロックウェルには感謝しているのだから────。

「昨日はありがとう…。無理を言って悪かった。でも、その……全部受け止めてもらえて嬉しかった」

その言葉と共にチュッと優しい口づけが自分へと落とされくすぐったさに身をよじる。

「他には?」

他?
他と言われても特にはないのだが、ロックウェルはどうしてこんな風に聞いてくるのだろう?
この分ならこのまま襲われる可能性は低そうだが、もしかして甘い空気に沿うような言葉でも期待されているのだろうか?
それはさすがに自分には無理だ。
そこを期待されても困る。
それなのにロックウェルはここで反則技に打って出た。

「仕方がないな。これで素直になれるか?」

そこで唱えられたのは極軽い回復魔法だ。

「え?」

(何故ここでその魔法?)と思わないでもなかったが、二度三度と掛けられていくうちに何故か頭がぼんやりして、気づけばポロリと本音を溢している自分がいた。

「……いっぱいお前を独り占めしたい」

その言葉を聞いてロックウェルが破顔する。

「最高だな。他には?」

どうしてこんなに嬉しそうなんだろう?
こんなに優しく促されたらホッとして何でも言ってしまいそうになる。

「時間が許す限りお前と寄り添って寝ていたい。だから……」

こんな風に優しい目で見つめながら甘く追い詰めるのはやめて欲しい────。

そんな思いを込めてそっと小さく素直に気持ちを吐露したのだが、何故かその途端あっという間に激しく何度も口づけされてしまった。
一体何がツボだったのだろうか?

「んっ、んんっ…」
「はぁ…クレイ。今朝は一段と可愛すぎてたまらない。そうやって恥じらいながら本音を溢す姿もやはりたまらないな」
「え?」
「このまま抱いてもいいか?」

そう尋ねられてもなんだか頭がぼんやりするからいつものようには突き放す気になれない。
だから何となくロックウェルに身を寄せて、思ったままを口にする。

「……お前に抱かれるのは、気持ちいいから好き」

身体の相性も魔力の相性も最高だから抱かれるのは大好きだ。
勿論それだけじゃなく、ロックウェルのすべてが好きだから、気づけばそれも併せて口にしていた。

「でも……それ以上にロックウェルの全部が好きだ」

ふわっと自分の顔に自然な笑みが浮かんだのは自分でも意外だったが、それを見たロックウェルは片手で顔を覆って何故か頭を振っていた。
そんなにおかしかっただろうか?
そうして不思議に思っていると、気を取り直したロックウェルが大きく息を吐いてこちらに笑顔を向けてきた。

「お前は本当に困った奴だな。朝から虐められたくてそんなことを言うのか?」
「え?」

誰も虐めて欲しいなんて言っていないのに何故そんな風に受け取られてしまったのだろうか?
先程までの穏やかな空気は一体どこに行ってしまったのだろう?
ロックウェルはまるでご馳走を前にした獣のように目を光らせ、艶やかに笑った。

「素直に言えたご褒美に、沢山甘やかしてやるからな。なんなら子作りもしてみるか?優しく追い詰めて虐めてやるぞ?」
「────!?」

そこからは嬉々として襲い掛かられ、訳が分からぬままに何故かそのまま美味しく頂かれてしまったのだが、眷属達はそんな自分を助けてくれることはなく、いつも通り【仲がよろしくて結構ですね】と影で微笑ましそうに話していたのだった。


***


結局朝からまたクレイを美味しく頂いたのだが、情事の最中に意外な本音を聞き出してしまったせいで少々予定よりも長引いてしまい、なんだかんだと一時間ほど出勤時間が遅くなってしまった。
まさか泣き言まじりに『半端に抱かれたら熱が燻ぶって欲求不満になるから、やるなら思い切りしてくれないと嫌だ』などと言われるとは思ってもみなかった。
これまで何度か朝に抱く時に手加減したことがあったが、それは逆効果だったということなのだろう。
まさかそんな可愛い隠し事をしていたなんて反則もいいところだ。
もっと早くに言ってくれればよかったのに……。
これは夢現にもっていかなかったら聞かせてもらえなかったものと言えるだろう。
一体どれだけその胸に可愛い気持ちを隠しているのだろうかと気になって仕方がない。
他にも何かあるかもしれないし、これは今度改めてきっちり尋ねてみないといけないなと思わず笑みがこぼれてしまった。

「あ、ロックウェル様!」

そして予定よりも遅く出勤した自分の元へと部下が駆け寄ってくる。
けれど今日はクレイも同伴していることから驚いたように足を止めた。

「……ロックウェル様。さすがにそれは可哀想ですよ?」

どうやらクレイの首筋に散る複数の赤い跡を見ての反応のようだが、クレイは全く気付いていなかったので不思議そうに首を傾げてしまう。

「ああ…やっぱり気づいていないじゃないですか。クレイ、その…今度黒いスカーフでも買ったらどうだ?多分こういう時にこそ一番必要なものだと思うぞ?」

その言葉を反芻してクレイがハッとした後真っ赤になりながら手で首筋を覆った。

「……っ!ロックウェル?!」

責めるようにこちらを見てくるがそんなものは笑顔でスルーだ。

以前部下達から自分達の離婚がいつになるのか賭けの対象になっていると聞かされたから、これを機にクレイと自分がラブラブで離婚の危機は全くないと周知しようと思ってのこと。
このチャンスを逃す手はない。
けれどそんなこととは露知らず、クレイは単純にこちらが独占欲で跡を残したと思い込んで羞恥プレイだと怒っている。
まあそんな姿も可愛いし、賭けに勤しむ者達への牽制はまた別の機会にするかとさっさと気持ちを切り替えることにした。
今日のところは素直なクレイを堪能できたのだからこれ以上望むのは贅沢だろう。
それに今回クレイを王宮に連れてきたのは別の目的もあってのこと。

「まあそう怒るな。スカーフなら今度私が買ってやる。それより今日はドルト殿のところに顔を出すのが目的だろう?」

ミュラとの件でクレイを心配していたのはドルトも同様だ。
ミュラ側の様子も聞けるだろうし、顔を見せて安心させてやりたいというのもあり今回こうして来てもらった次第だ。
ついでにショーンからアキが紹介状を手にやってきたという話も聞いているので、そちらにも足を運んで改めて便宜を図ってやりたいとも思っている。
ココ姫の件があるから肩身の狭い思いをする可能性もなくはないだろうし、クレイと知り合いなのだと周囲に認知させておけばトラブルは多少なりとも避けられることだろう。
そして────それとは別にアキと共に来た黒魔道士を紹介したいと言われたのが少し気がかりではあった。
ショーンが無駄なことをするはずがないから、恐らく何か理由があるのだろうが……。

そんなことを頭の隅に追いやりながら、クレイの機嫌を直すべく素直に回復魔法を使い、少々勿体ないが鬱血痕を全て消してやる。
考えても仕方のないことだ。
ショーンとの約束は昼だし、それまでにやるべきことを先にやってしまうとしようと気持ちを切り替えた。

「ほら。これでいいだろう?」
「~~~~っ!」

まだ少し怒ってはいるようだがクレイはとりあえず納得したようだったのでそのままドルトの元へと向かおうとしたのだが、そこを部下に止められてしまう。

「ロックウェル様!先に急ぎの書類だけでも片付けて行ってくださいませんか?大臣がこの後それを元に計画表を作るから早くしろと執務室まで来てせっついてきてまして…」
「ああ、それなら先にそちらをしないとな」

少しだけクレイに待ってもらって、そちらを先に片付けようかと執務室に足を向けようとしたところで一人の男がこちらへと近づいてくるのが目に留まり、つい訝しげに見遣ってしまった。

「これはクレイ様。おはようございます」

そこに立っていたのはグロリアス本家の次男────ラヴィンだ。
一体何をしにきたのだろうか?

「ドルト様の元へ向かわれると先程聞こえて参りましたが……」

その言葉にクレイがピクリと反応する。

「お前は…?」
「申し遅れました。私はラヴィン=グロリアス。ドルト様の部下です。以後お見知りおきを」

こちらには一瞥すらせずただクレイのみを見つめにこやかに言い切った男は、どこか危うげな光をその目に孕みながらうっとりと言葉を続けた。

「ドルト様は朝から会議に入られていますが、執務室に着く頃にはちょうど終わる頃合いでしょう」

そしてごく自然な仕草でクレイを誘導していく。

「ああ、ロックウェル“様”?お仕事も忙しいようですし、どうぞそちらを優先して後程足をお運びください。それまでクレイ様は私がしっかりとドルト様の元で歓待させて頂きますので」

そのどこか厭味ったらしい言葉にギリッと歯噛みするが、クレイはそこに含まれる毒を全く分かっていないためあっさりと『そう言われてみればそうだな』と受け入れてしまう。

「ロックウェル。お前は急ぎの仕事を片付けてから来い。その…出勤が遅れたのは俺にも責任があるしな」

気まずそうにそう口にするクレイは可愛いが、ラヴィンと二人きりにするのを甘受する気はない。

「一緒に来てこちらの執務室で待っていてくれてもいいんだぞ?」
「邪魔になっても悪いし先に行く。その…ちゃんとおとなしくしてるから大丈夫だ」

何かやらかさないか心配してるのかと窺うようにされてしまってはこちらとしてもこれ以上は何も言えない。

「行きたいなら止めないが、念のため私の眷属をつけさせてくれ。それと、もし何かトラブルがあったら何も気にせずすぐに呼んでほしい」

そしてキサラへと声を掛け、クレイへと付き従わせる。

「キサラ。クレイをしっかり守ってやってくれ」
【かしこまりました】

これならもし何かあったとしてもヒュースに尋ねなくてもすぐに状況を把握できる。
以前なら信用してないのかとクレイは激怒していたが今も変わらないだろうかと様子を窺ってみると、これまた以前とは違う反応が返ってきて驚いた。

「その…心配してくれて嬉しい」

そんな風にはにかむように言われて思わず笑顔で固まってしまう。
夢現の魔法はすでに切れているはずなのにどうしたことか────。
これも副産物的なものなのだろうか?
素直になったクレイが可愛すぎるのだが、一体どうしたらいいのだろう?

(軟禁してひと月くらい愛で倒したい……)

今日は朝からこれまで以上に可愛すぎて仕方がない。
頑なだった心が綻んだとでも言うのだろうか?
夢現だけではなく、ミュラとの一件がある種クレイに劇的な変化をもたらしたと言えるのかもしれない。
そんなクレイを前にして平静でいろと言う方が無理がある。

だからだろうか?
とめどなく内から溢れ出る愛しいという感情が、ここに来て自分に思いがけない一言を口にさせた。

「…………クレイ。仕事が落ち着いたら二人で旅行にでも行かないか?」
「え?」

たまには違う場所でクレイを愛でたい────。
もっと自分の知らない色んなクレイを見たいし、クレイの好きな物も沢山知りたい。
そんな気持ちを多分に含んで紡がれた言葉に、クレイが驚いたように目を丸くする。

「お前が行きたいところに行こう。ソレーユの街で買い物をしてもいいし、トルテッティの湖畔でのんびりするのもいいかもしれないな。影を渡ればどこにでも行けるから、どこか行きたいところがあればどこでも言ってほしい」

カルトリアの街を歩いたように一緒に出掛けようと言ってやるとクレイはあからさまに表情を明るくさせて、嬉しそうに本当かと食いついてきた。
思えば結婚する前も結婚してからも自分からこんな風に休みに他国に出掛けようと誘ったことはなかったし、新婚旅行でさえ自分の希望は口にせずクレイに丸投げだった。
しかもその時もほぼベッドか野外で盛っていたから観光などはしていないに等しい。

だからこそこれはクレイからしたらまさに降ってわいたような話でしかなく、今までにないほどの喜びようだった。
こんなに喜んでもらえるのならもっと早く提案してみれば良かった。
考えてみれば眷属に頼めば自分も簡単に影を渡れるのだから遠出も簡単なのだ。
いつまでも一般白魔道士の感覚でいたこと自体が間違っていたのかもしれない。
このあたりは反省すべき点だろう。
夫婦なのだからこれからは以前のように嫉妬で雁字搦めにするより、もっと二人の甘い時間を充実させていきたいと思った。

そして『ちゃんとしっかり吟味して一緒に楽しめるところを決めよう』と嬉しそうにするクレイを笑顔で見遣り、次いでラヴィンへと視線を向ける。

「ではラヴィン“殿”、ドルト殿のところまでクレイを宜しく」
「言われるまでもなく、しっかりとお送りさせて頂きますので」

そうやって笑顔でラヴィンへと『お願い』すると、ラヴィンはどこか憎々し気にこちらを見遣った後、張り付けたような笑みで返事を返した。
どうやら今のやり取りはラヴィン的には腹立たしいものでしかなかったらしい。
やはりラヴィンはクレイに対し好意を抱いているのだろう。

(まあ…譲る気は一切ないがな)

取り敢えずこの男にクレイが傷つけられることは今のところないはずだ。
もしあるとすれば兄の方だろう。
ラヴィンの兄、レックスはプライドが高く選民志向も強い。
加えて白魔道士であることに優越感を持っており、黒魔道士には敵対心を抱いている。
そのためできればクレイに近づかせたくはなかった。

「できればレックス殿との接触は避けて頂けるとありがたい」
「そうですね。それには私も同感です。まあ会ったとしても貴方の代わりにきっちりと私の手でお守りさせて頂きますので」

そんな風に裏で牽制し合う自分達には気づかず、クレイは満面の笑みで「じゃあまた後で」と言いラヴィンと共に去っていく。
その背を一先ず見送り、さっさと急ぎの仕事を片付けるべく自分の執務室へと足を向けた。




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感想 11

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みんなの感想(11件)

リョウ
2022.11.14 リョウ

ずっと前から拝見させて頂いてます。また、お話の続きが見られるのを待ってます。自分は特にロイドとシュバルツの話を見ると鼻血が止まりません。続き待ってまーす!

2022.11.14 オレンジペコ

ありがとうございます♪
ロイド×シュバルツ、美味しいですよね(´∀`*)
私も気に入ってるコンビです!
続きもまた書けるよう頑張りますね。

解除
オマールえび子

はじめまして。
オレンジペコさんの作品をほとんど拝読させていただいております。素敵な作品をありがとうございます!
どれも面白いのですが、特に「黒衣の魔道士」が一番のお気に入りになりました。登場人物も設定も魅力的で。たとえ憎まれ役もだんだん可愛らしく魅力的になってしまうので、嫌いなキャラクターがいないという貴重な作品というか、作者様の手腕だと思います。
本当に大好きです!

また続きが読める日が来るまで楽しみにしています。

2022.05.25 オレンジペコ

一番のお気に入りと言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます♪
人は成長するし、見方を少し変えるだけで違った事が見えてくる、そんなのが書きたい&ついでに好みも全部放り込んで書いてきた作品なので、大好きと言ってもらえるのは作者冥利に尽きます(´∀`*)

続きも書きたいとは思っていますので、気長にお待ちいただけると有難いです。

解除
おこめ
2021.11.25 おこめ

こんばんは。いつも素敵な作品ありがとうございます。「黒衣の魔道士」ですが、一昨日よみはじめて、夢中になり、3日かけて読み終えました。
本当〜〜〜に面白かったです。最高に大好きでした。
まず、設定が大好きです。天才的な魔道士受けなのが最高でした。世界中の魔術師、魔道士、魔法使い受けを読みたいです。そして登場人物全員が魅力的すぎて大好きです。わたしはプリキュアはなぎさとほのか、ポケモンはカスミ、ごくせんは白金学園時代が好きです。要するにシリーズものは初代が1番だと思っているので、第一部を読み終えたときにクレイとロックウェルしか勝たん〜〜!と一瞬なっていました。でも第二部が始まると、ミシェル!アルバート!そしてロイドとシュバルツ!ほかにもみんな!大好き!!となりました。恐ろしいです、最初から最後まで面白すぎて全員大好きになりました。
眷属や使い魔もかわいいです。
素敵な作品ありがとうございます。みんな好きですが、とくにクレイとロイドの黒魔道士コンビは最高です。ジークにもこれからたくさん出てきてほしいです。リーネにも幸せになってほしい。みんなラブてす。
どのお話?事件?も、すごく作り込まれているのに難しくなく、視点が変わるとあーなるほど!!って毎回納得して面白かったです。そしてハラハラするけど気持ちよくすっきりスカッと解決されていて読みやすかったです。
最初は登場人物ページをみてだれがだれ???状態でしたが、読み終えてから戻ってみるとみんなとの思い出が鮮明に蘇ります(こわい)。
まだまだ続きそうな雰囲気で嬉しいです。えらく不穏な感じだったのでわくわくがとまりません。ほかの作品も漏れなく楽しく拝見しています。何年でも待ちますので、またいつかみんなに会えるの楽しみにしています!もうほんと面白かったです。ありがとうございました🖤🤍

2021.11.25 オレンジペコ

三日であのボリュームを⁈
ありがとうございます(^^)
楽しんでいただけて本当に嬉しいです♡
どのキャラにも思い入れがあるので続きも書きたいと思いつつずっと止まってしまっているので、本当に申し訳ないです(>人<;)
クレイ&ロイドの黒魔道士コンビも私的に大好きなので、また活躍させたいですね♪
某黒魔道士もロックウェルとクレイの知り合いだったりするので、その辺りも書きたいですし、また続きが書けるよう頑張ります(*´∀`)b

解除

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完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

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