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113.薔薇の棘①
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とある公爵邸で一人の令嬢が涙を流していた。
「酷い…酷いわ……。こんなに私はシャイナー陛下をお慕いしているのに、どうして選ばれたのは私じゃなかったの?」
何がいけなかったのかがさっぱりわからない。
結局シャイナー陛下の婚約者に選ばれたのは侯爵家の三女だった。
母は子沢山な家系が決め手になったのではないかと言うけれど本当だろうか?
父も宰相から似たような事を言われたと言っていたから、間違いはないのかもしれない。
でも、それでも納得はいかなかった。
だってそれなら最初から彼女に白羽の矢が立っていたはず。
彼女が呼ばれたのは三番目だ。
絶対に決め手となった他の要因が何かあったはずなのに……。
そうして泣き濡れる日を過ごしていると、同じく公爵令嬢であり、シャイナー陛下との縁談が持ち上がっていたリル嬢から手紙が届いた。
「何ですって?!」
私は最初、その手紙を慰めの手紙だと思いながら開いた。
でもそこに書かれてあったのは思いがけないこと。
『シャイナー陛下は隣国のガヴァム王に陥れられ、快楽落ちさせられて夜な夜な辛い夜を過ごす羽目になってしまわれたようなのです』
その為、早急に結婚相手をと考え周囲が動いたのだとか。
「遊び女を呼ばず結婚相手をと言うところが誠実なシャイナー陛下らしいですわ」
(やはり素晴らしい方…)
改めてそう思う。
『気になったのでガヴァムにいる友人に連絡を取ってみたところ、今のガヴァム王は素晴らしい前王と違って最悪とのこと』
国を顧みず、王配として迎えたカリン陛下と色事に耽り、苦言を呈する者達には問答無用で鞭を振るうらしく、王宮内は恐怖に染まっているとも書かれてあった。
「なんて恐ろしい…」
そんな相手だからこそシャイナー陛下を快楽落ちなどと言うとんでもない目に合わせたのだろう。
「なんてお可哀想なシャイナー陛下…」
こうなっては婚約者となったキャサリン嬢にしっかりとシャイナー陛下を支えてもらい、シャイナー陛下を慰めてもらうより他にない。
(夢見がちな私には荷が重いとお考えになったのですわ)
婚約者選びの時、シャイナー陛下はどこまでもお優しかった。
だからこその判断だったのだろう。
それでキャサリン嬢が選ばれたと言うのなら仕方のないことだ。
憎むべき相手はシャイナー陛下でもキャサリン嬢でもない。
隣国のロキ陛下────。
「我が国の王に手を出したこと、きっちり後悔させてやりますわ!」
調子に乗っていられるのも今のうちだ。
それ程酷い悪政を敷いている王ならその座から引きずり下ろすのも簡単だろう。
まずは自分も情報を集めよう。
それからひと月かけて情報を集められるだけ集めてみると、思ったよりはガヴァムの国政は傾いてはいなかった。
これは偏にカリン陛下の功績だろう。
元々優秀な王太子と言われていた方で、前王からも認められていた方だ。
王配として立ち、愚王を支えているのだろう。
それならそれで愚王さえ排除してやればいいだけの話なのでは?
ロキ陛下さえ亡くなればカリン陛下が新たに花嫁を迎えてガヴァムは正常化するはず。
現状よりもその方がずっといいように思えた。
復讐もできるし、ガヴァムも正常化するし、良いことしかない。
「これはやるしかありませんわ」
どうせやるなら快楽落ちさせてから殺せるように手配してみようか?
他者を虐げ酷い目に合わせるような男だ。
それがどれほど酷い事なのかを思い知らせてから殺してやりたい。
「人の痛みを知ればいいのだわ」
報告書には王太子として努力する兄とは対照的に、全く努力してこなかった無能王子だったと書かれてある。
カリン陛下が恐ろしいブルーグレイの王子を怒らせて失脚したからこそ、棚ぼたで王太子となり、そのまま玉座についただけのお飾りの王だ。
兄を扱き使い、功績を奪おうとしたのかも知れないが、周囲はちゃんとわかっている。
「さあ、お飾りの愚王にはご退場願いましょうか」
綿密に計画を立てて愚王を排除しよう。
それこそが誰もが喜ぶ結果を生むだろう。
「女だからと言って棘がないと思ったら大間違いですわ」
私は仄かな正義感に燃えながら、ひっそりと笑った。
***
【Side.ロキ】
「くしゅんっ!くしゅんっ!」
「ロキ、風邪か?」
「いえ。花粉じゃないでしょうか?」
「そうか?季節の変わり目だし、決めつけずに医師に診てもらえよ?」
今日も執務を終えて夕餉をとり、湯を浴びて部屋で寛いでいたのだけど、立て続けにくしゃみをしてしまったせいで兄に心配を掛けてしまった。
「大丈夫ですよ。それより兄上。俺に言いたいことがあるんじゃありませんか?」
「う…」
「なんでも相談し合うのが夫婦なんでしょう?言ってください」
本当はわかっているけど、そっと手を引き抱き寄せながら、敢えてそうやって羞恥を煽ってあげる。
「……ロ、ロキ」
最近甘々な日々ではあったけど、そもそも兄がそんな普通の日々で満足するはずがないのだ。
「少しきつめに縛り上げて激しく犯されたいですか?それとも媚薬で気持ちよくされたまま外に連れ出されて声を我慢させられながら虐められたいですか?」
「あ…あ……」
「それともロックオンで兄上の痴態を撮って、それを部屋の壁に映しながら犯してあげましょうか?」
「や…いやぁ……」
耳元で囁いてあげると、想像してしまったのか真っ赤になりながらその瞳に期待の色を滲ませた。
本当に可愛い。
「最近あまり虐めてあげてなかったですしね」
「そんな…こと……」
激しくしてくれてたじゃないかと兄は小さく言ってくるけど、散々開発され尽くされた兄の身体がいつまでもあれくらいで満足するはずがない。
「これでわかったでしょう?兄上はいっぱい虐められないともう満足できないんですよ」
「ロキ…」
「俺も兄上を虐めるのは大好きなので、たまには俺の性癖に付き合ってくださいね」
ニコッと笑いながらチュッと軽くキスを落とすと、兄が甘えるように膝に乗り上げ深く口づけてきた。
「ご主人様…今日は沢山虐めて…?」
「いいですよ?じゃあ東の庭園にでも行きましょうか。沢山可愛い声で啼いてくださいね?」
ついでに縛ってあげますねと言ったら凄く嬉しそうにされた。
「酷い…酷いわ……。こんなに私はシャイナー陛下をお慕いしているのに、どうして選ばれたのは私じゃなかったの?」
何がいけなかったのかがさっぱりわからない。
結局シャイナー陛下の婚約者に選ばれたのは侯爵家の三女だった。
母は子沢山な家系が決め手になったのではないかと言うけれど本当だろうか?
父も宰相から似たような事を言われたと言っていたから、間違いはないのかもしれない。
でも、それでも納得はいかなかった。
だってそれなら最初から彼女に白羽の矢が立っていたはず。
彼女が呼ばれたのは三番目だ。
絶対に決め手となった他の要因が何かあったはずなのに……。
そうして泣き濡れる日を過ごしていると、同じく公爵令嬢であり、シャイナー陛下との縁談が持ち上がっていたリル嬢から手紙が届いた。
「何ですって?!」
私は最初、その手紙を慰めの手紙だと思いながら開いた。
でもそこに書かれてあったのは思いがけないこと。
『シャイナー陛下は隣国のガヴァム王に陥れられ、快楽落ちさせられて夜な夜な辛い夜を過ごす羽目になってしまわれたようなのです』
その為、早急に結婚相手をと考え周囲が動いたのだとか。
「遊び女を呼ばず結婚相手をと言うところが誠実なシャイナー陛下らしいですわ」
(やはり素晴らしい方…)
改めてそう思う。
『気になったのでガヴァムにいる友人に連絡を取ってみたところ、今のガヴァム王は素晴らしい前王と違って最悪とのこと』
国を顧みず、王配として迎えたカリン陛下と色事に耽り、苦言を呈する者達には問答無用で鞭を振るうらしく、王宮内は恐怖に染まっているとも書かれてあった。
「なんて恐ろしい…」
そんな相手だからこそシャイナー陛下を快楽落ちなどと言うとんでもない目に合わせたのだろう。
「なんてお可哀想なシャイナー陛下…」
こうなっては婚約者となったキャサリン嬢にしっかりとシャイナー陛下を支えてもらい、シャイナー陛下を慰めてもらうより他にない。
(夢見がちな私には荷が重いとお考えになったのですわ)
婚約者選びの時、シャイナー陛下はどこまでもお優しかった。
だからこその判断だったのだろう。
それでキャサリン嬢が選ばれたと言うのなら仕方のないことだ。
憎むべき相手はシャイナー陛下でもキャサリン嬢でもない。
隣国のロキ陛下────。
「我が国の王に手を出したこと、きっちり後悔させてやりますわ!」
調子に乗っていられるのも今のうちだ。
それ程酷い悪政を敷いている王ならその座から引きずり下ろすのも簡単だろう。
まずは自分も情報を集めよう。
それからひと月かけて情報を集められるだけ集めてみると、思ったよりはガヴァムの国政は傾いてはいなかった。
これは偏にカリン陛下の功績だろう。
元々優秀な王太子と言われていた方で、前王からも認められていた方だ。
王配として立ち、愚王を支えているのだろう。
それならそれで愚王さえ排除してやればいいだけの話なのでは?
ロキ陛下さえ亡くなればカリン陛下が新たに花嫁を迎えてガヴァムは正常化するはず。
現状よりもその方がずっといいように思えた。
復讐もできるし、ガヴァムも正常化するし、良いことしかない。
「これはやるしかありませんわ」
どうせやるなら快楽落ちさせてから殺せるように手配してみようか?
他者を虐げ酷い目に合わせるような男だ。
それがどれほど酷い事なのかを思い知らせてから殺してやりたい。
「人の痛みを知ればいいのだわ」
報告書には王太子として努力する兄とは対照的に、全く努力してこなかった無能王子だったと書かれてある。
カリン陛下が恐ろしいブルーグレイの王子を怒らせて失脚したからこそ、棚ぼたで王太子となり、そのまま玉座についただけのお飾りの王だ。
兄を扱き使い、功績を奪おうとしたのかも知れないが、周囲はちゃんとわかっている。
「さあ、お飾りの愚王にはご退場願いましょうか」
綿密に計画を立てて愚王を排除しよう。
それこそが誰もが喜ぶ結果を生むだろう。
「女だからと言って棘がないと思ったら大間違いですわ」
私は仄かな正義感に燃えながら、ひっそりと笑った。
***
【Side.ロキ】
「くしゅんっ!くしゅんっ!」
「ロキ、風邪か?」
「いえ。花粉じゃないでしょうか?」
「そうか?季節の変わり目だし、決めつけずに医師に診てもらえよ?」
今日も執務を終えて夕餉をとり、湯を浴びて部屋で寛いでいたのだけど、立て続けにくしゃみをしてしまったせいで兄に心配を掛けてしまった。
「大丈夫ですよ。それより兄上。俺に言いたいことがあるんじゃありませんか?」
「う…」
「なんでも相談し合うのが夫婦なんでしょう?言ってください」
本当はわかっているけど、そっと手を引き抱き寄せながら、敢えてそうやって羞恥を煽ってあげる。
「……ロ、ロキ」
最近甘々な日々ではあったけど、そもそも兄がそんな普通の日々で満足するはずがないのだ。
「少しきつめに縛り上げて激しく犯されたいですか?それとも媚薬で気持ちよくされたまま外に連れ出されて声を我慢させられながら虐められたいですか?」
「あ…あ……」
「それともロックオンで兄上の痴態を撮って、それを部屋の壁に映しながら犯してあげましょうか?」
「や…いやぁ……」
耳元で囁いてあげると、想像してしまったのか真っ赤になりながらその瞳に期待の色を滲ませた。
本当に可愛い。
「最近あまり虐めてあげてなかったですしね」
「そんな…こと……」
激しくしてくれてたじゃないかと兄は小さく言ってくるけど、散々開発され尽くされた兄の身体がいつまでもあれくらいで満足するはずがない。
「これでわかったでしょう?兄上はいっぱい虐められないともう満足できないんですよ」
「ロキ…」
「俺も兄上を虐めるのは大好きなので、たまには俺の性癖に付き合ってくださいね」
ニコッと笑いながらチュッと軽くキスを落とすと、兄が甘えるように膝に乗り上げ深く口づけてきた。
「ご主人様…今日は沢山虐めて…?」
「いいですよ?じゃあ東の庭園にでも行きましょうか。沢山可愛い声で啼いてくださいね?」
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