14 / 30
隈
しおりを挟む
コンコン
「2Cクラス委員長の藤崎です。」
「ちょっと待って、今鍵開けるから。」ガチャ
「失礼します。」
鍵を開けたのは会計。その目の下にはひどい隈がある。
「わざわざカギ閉めてるんですね。」
「うん、ちょっとね。」
さらに生徒会室に入って目についたのは、堆く積まれた書類。そしてそれに埋もれるように仕事をしている会長。
「湊人ちゃんどしたの~?」
「生徒会に用事ですか?」
顔を上げた会長の顔にも濃い隈がある。
「お忙しいところ失礼します。修学旅行の希望先のことでご相談が。こちらを承認をいただけないまま返されてしまったのでまた提出しにきました。」
「修学旅行の担当って確か……副会長だったねぇ。」
「少し見せてもらってもいいですか?」
そう言われたので書類を差し出す。会長はパラパラっとめくって目を通していて、会計も横から覗き込んでいる。だんだんと2人の顔が険しくなっていった。
「あちゃーこれはひどいね。」
「仕事の怠慢だけでなく、私情を挟んで改竄するなんて許せないな。」
そういって書類にハンコを押すとこっちに向き直る。
「持ってきてくれてありがとう、藤崎くん。この件はちゃんと直しておくから大丈夫だよ。クラスにももう行き先を話しちゃってもいい。」
「ごめんねぇ。ありがとぉ」
「いえ。それにしてもお二人とも目の下の隈がひどいですよ。ちゃんと休めていないのではないですか?」
「………。今2人で生徒会を回しているからどうも仕事がたまってしまうんです。この時期はもともとそこまで忙しくないからなんとかなるんだけどね。」
「仕事多いだけならまだしも……、たまぁにうるさいのがやってくるからねぇ。」
「あの、来栖先生に許可をいただいたんですけど、もし僕にできることがあれば手伝います。」
実は来栖は生徒会顧問である。あのなりで。
「ええ?いいのぉ?」
「本当ですか。じゃあ少しだけ手を借りたいです。」
なんでも2人とも猫の手でも借りたいという状態らしい。それから俺は3人分のお茶を入れて、仕事に取り掛かった。
*********
生徒会を手伝い始めてから5日がたった。俺は授業免除ができないので、授業が終わったら人目につきにくい道を通って生徒会室に行き、仕事を手伝っている。いまだ会長と会計以外の生徒会役員が仕事に来る様子がない。
今は授業が終わって生徒会室に向かっている途中だ。帰宅や部活に行く生徒ですごった返す廊下を通っていると、ときおりあの噂について話している生徒がいた。
(えっ、生徒会長様が………?)
(らしいよ。なんか遊んで仕事してないらしい。あと会計様も。ぜーんぶ副会長様たちに押し付けてるんだって。)
(うわーショック。尊敬できる人だと思ってたのに。)
思ったより根も葉もない噂が広がっているらしい。
事実は全く逆なのにな。
しばらくして生徒会室にたどり着いたので周りに人がいないことを確認し、ノックする。すぐに鍵が開いて中に入れてくれた。
「今日もありがとう。」
「よろしくねぇ。」
生徒会室内には一般生徒が扱えない書類もあるので、データの打ち込みや書類整理など、単純な仕事をいつもやっている。それでも助かったと言ってくれるのは嬉しい。
数日間一緒にいておれはいくつか認識を改めた。まずは生徒会の仕事が思っていたより重いということ。これを生徒にやらせるのか?というような内容のものもやっている。あとは会計が意外にも真面目に仕事に取り組んでいること。しかも仕事ができる。いつもヘラヘラしているから仕事をきちんとやっているのか疑問だったが、人は見かけによらないものだ。
「2Cクラス委員長の藤崎です。」
「ちょっと待って、今鍵開けるから。」ガチャ
「失礼します。」
鍵を開けたのは会計。その目の下にはひどい隈がある。
「わざわざカギ閉めてるんですね。」
「うん、ちょっとね。」
さらに生徒会室に入って目についたのは、堆く積まれた書類。そしてそれに埋もれるように仕事をしている会長。
「湊人ちゃんどしたの~?」
「生徒会に用事ですか?」
顔を上げた会長の顔にも濃い隈がある。
「お忙しいところ失礼します。修学旅行の希望先のことでご相談が。こちらを承認をいただけないまま返されてしまったのでまた提出しにきました。」
「修学旅行の担当って確か……副会長だったねぇ。」
「少し見せてもらってもいいですか?」
そう言われたので書類を差し出す。会長はパラパラっとめくって目を通していて、会計も横から覗き込んでいる。だんだんと2人の顔が険しくなっていった。
「あちゃーこれはひどいね。」
「仕事の怠慢だけでなく、私情を挟んで改竄するなんて許せないな。」
そういって書類にハンコを押すとこっちに向き直る。
「持ってきてくれてありがとう、藤崎くん。この件はちゃんと直しておくから大丈夫だよ。クラスにももう行き先を話しちゃってもいい。」
「ごめんねぇ。ありがとぉ」
「いえ。それにしてもお二人とも目の下の隈がひどいですよ。ちゃんと休めていないのではないですか?」
「………。今2人で生徒会を回しているからどうも仕事がたまってしまうんです。この時期はもともとそこまで忙しくないからなんとかなるんだけどね。」
「仕事多いだけならまだしも……、たまぁにうるさいのがやってくるからねぇ。」
「あの、来栖先生に許可をいただいたんですけど、もし僕にできることがあれば手伝います。」
実は来栖は生徒会顧問である。あのなりで。
「ええ?いいのぉ?」
「本当ですか。じゃあ少しだけ手を借りたいです。」
なんでも2人とも猫の手でも借りたいという状態らしい。それから俺は3人分のお茶を入れて、仕事に取り掛かった。
*********
生徒会を手伝い始めてから5日がたった。俺は授業免除ができないので、授業が終わったら人目につきにくい道を通って生徒会室に行き、仕事を手伝っている。いまだ会長と会計以外の生徒会役員が仕事に来る様子がない。
今は授業が終わって生徒会室に向かっている途中だ。帰宅や部活に行く生徒ですごった返す廊下を通っていると、ときおりあの噂について話している生徒がいた。
(えっ、生徒会長様が………?)
(らしいよ。なんか遊んで仕事してないらしい。あと会計様も。ぜーんぶ副会長様たちに押し付けてるんだって。)
(うわーショック。尊敬できる人だと思ってたのに。)
思ったより根も葉もない噂が広がっているらしい。
事実は全く逆なのにな。
しばらくして生徒会室にたどり着いたので周りに人がいないことを確認し、ノックする。すぐに鍵が開いて中に入れてくれた。
「今日もありがとう。」
「よろしくねぇ。」
生徒会室内には一般生徒が扱えない書類もあるので、データの打ち込みや書類整理など、単純な仕事をいつもやっている。それでも助かったと言ってくれるのは嬉しい。
数日間一緒にいておれはいくつか認識を改めた。まずは生徒会の仕事が思っていたより重いということ。これを生徒にやらせるのか?というような内容のものもやっている。あとは会計が意外にも真面目に仕事に取り組んでいること。しかも仕事ができる。いつもヘラヘラしているから仕事をきちんとやっているのか疑問だったが、人は見かけによらないものだ。
99
あなたにおすすめの小説
風に立つライオン
壱(いち)
BL
BL非王道全寮制学園の生徒会役員の主人公。王道転入生によって学校内の秩序や生徒会の役割だとかが崩壊した。金、地位、名誉、名声、権力、全てを手にしている者になったつもりでいたのは誰だったのか。
王道を脇役に主人公は以前出会った生徒会長の父との再会、恋人だった義父の病んでそうなカンジに眩暈がしそうだった。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
俺の兄貴、俺の弟...
日向 ずい
BL
俺の兄貴、俺の弟...
登場人物
兄貴 成瀬 都和 (なるせ とわ)
27歳 身長 184cm 体重 67kg
弟 成瀬 尊 (なるせ たける)
17歳 身長167cm 体重 47kg
久我 子春 (くが こはる)
24歳 女性
都和の同僚で仕事仲間。
音海 恋 (おとみ れん)
18歳 男性
尊の同級生で腐れ縁。
阿澄 璃織 (あずみ りお)
17歳 女性
尊と恋と同じクラスの美女。
上城 志希 (かみじょう しき)
25歳 男性
都和の部下で頼れる友人。
物語内容
一言で言うとBLものです。
恋愛要素と笑い要素が入ったものになる予定ですが、言葉などは私の語彙力が足りないため少し見苦しいところが多々あると思いますが、良ければ読んでいただけるとありがたいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる