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噂
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「委員長、プリントよろしく。」
「了解。」
「あれ?それ修学旅行の希望先?」
プリントを出しに来たクラスメイトが手元を覗き込む。
「そう。集計して提出したのに返されちゃったんだよ。」
しかも集計結果が微妙に書き換えられている。
「え?なんで?しかも出したの2週間前とかだよね。何を今更」
「だよなぁ。」
そうしたらクラスメイトが不思議そうにこちらを見てくる。
「なに?顔に何かついてる?」
「いや、委員長最近雰囲気変わったよねって。喋り方も前よりくだけた感じ。」
「そうかなぁ。」
やばい、少し気が抜けているのかもしれない。
「ま、いいや。そういや生徒会といえばさ、仕事が回ってないって噂聞いた?なんでも生徒会長が仕事やらないで生徒会室に生徒を連れ込んで遊んでるんだって。あの真面目な生徒会長がそんなことするかな?」
「生徒会長が?そんなことはないだろ。第一クラス委員長が集まる会議とかにもちゃんと参加してるよ。」
「ほんと?よかった。そうだよね、生徒会長に限ってそんなことないよね。やっぱ噂はあてにならないね。」
そのあとプリントを修正して、また来栖に希望先のプリントを出しに行った。
「先生、修学旅行のプリントです。」
「?これだいぶ前にもらったやつだよな。なんでお前が持ってるんだ?」
「知りません。なぜか返されたんです。しかもちょっと書き換えられてたんです。」
「ちょっと見せてみろ。」
そういってプリントを受け取った来栖はじっくりと確認し始めた。
「これは生徒会で止まってるな。ほら、ここ、おれのハンコはあるのに生徒会のがないだろ。生徒会でちょっと書き換えてから返されたんだろ。」
「ほんとですね。それにしてもなんで書き換えたんだ?」
「俺はちょっと分かったぞ。」
そういって自慢げな笑みを向けてきた。やめれ。
「いいか、今回の集計結果、希望が一番多かったのは京都奈良だった。」
「ええ。なんでも海外は行き尽くした人が多いそうで。」
「で、これをみろ。」
そういって取り出したのは一宮の希望先のプリントだ。第一希望がデカデカとヨーロッパと書いてある。書き換えられた集計結果も一番はヨーロッパ。
「おおかた、これに合わせたんだろ。」
「なるほど。しかしどうしましょうかね。また出しても同じように返されるかもしれません。」
「大丈夫だ。どうせもうあいつら仕事してないだろ。」
「ああ、やっぱりそうなんですね。」
「なんなら直接生徒会室にいって出してきてくれ。生存確認も兼ねてな。」
「今そんなにひどいんですか?」
「まあ、そうだな。手伝ってきてもいいぞ。」
「じゃあ行ってきます。」
「了解。」
「あれ?それ修学旅行の希望先?」
プリントを出しに来たクラスメイトが手元を覗き込む。
「そう。集計して提出したのに返されちゃったんだよ。」
しかも集計結果が微妙に書き換えられている。
「え?なんで?しかも出したの2週間前とかだよね。何を今更」
「だよなぁ。」
そうしたらクラスメイトが不思議そうにこちらを見てくる。
「なに?顔に何かついてる?」
「いや、委員長最近雰囲気変わったよねって。喋り方も前よりくだけた感じ。」
「そうかなぁ。」
やばい、少し気が抜けているのかもしれない。
「ま、いいや。そういや生徒会といえばさ、仕事が回ってないって噂聞いた?なんでも生徒会長が仕事やらないで生徒会室に生徒を連れ込んで遊んでるんだって。あの真面目な生徒会長がそんなことするかな?」
「生徒会長が?そんなことはないだろ。第一クラス委員長が集まる会議とかにもちゃんと参加してるよ。」
「ほんと?よかった。そうだよね、生徒会長に限ってそんなことないよね。やっぱ噂はあてにならないね。」
そのあとプリントを修正して、また来栖に希望先のプリントを出しに行った。
「先生、修学旅行のプリントです。」
「?これだいぶ前にもらったやつだよな。なんでお前が持ってるんだ?」
「知りません。なぜか返されたんです。しかもちょっと書き換えられてたんです。」
「ちょっと見せてみろ。」
そういってプリントを受け取った来栖はじっくりと確認し始めた。
「これは生徒会で止まってるな。ほら、ここ、おれのハンコはあるのに生徒会のがないだろ。生徒会でちょっと書き換えてから返されたんだろ。」
「ほんとですね。それにしてもなんで書き換えたんだ?」
「俺はちょっと分かったぞ。」
そういって自慢げな笑みを向けてきた。やめれ。
「いいか、今回の集計結果、希望が一番多かったのは京都奈良だった。」
「ええ。なんでも海外は行き尽くした人が多いそうで。」
「で、これをみろ。」
そういって取り出したのは一宮の希望先のプリントだ。第一希望がデカデカとヨーロッパと書いてある。書き換えられた集計結果も一番はヨーロッパ。
「おおかた、これに合わせたんだろ。」
「なるほど。しかしどうしましょうかね。また出しても同じように返されるかもしれません。」
「大丈夫だ。どうせもうあいつら仕事してないだろ。」
「ああ、やっぱりそうなんですね。」
「なんなら直接生徒会室にいって出してきてくれ。生存確認も兼ねてな。」
「今そんなにひどいんですか?」
「まあ、そうだな。手伝ってきてもいいぞ。」
「じゃあ行ってきます。」
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