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45:は、裸……!
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まさかリアルなミゲルを、この目で見られるなんて……。
感無量になるのも束の間、ミゲルは私に視線を向け、そしてバスタブへと移した。その視線の動きを追い、私もバスタブを見ると。
そこには……サラサラのシルバーブロンドと素肌が見えている。
う、嘘……。
アルベルトが裸でバスタブにつかっている。
「オリビアさま、大変です。王太子さまの全身が、先ほどの不穏なオーラで、完全に包まれています」
スノーの言葉にハッとなり、よくよくアルベルトを見ると。
バスタブで半身浴状態のアルベルトは、意識がないようだ。
「聖女さま、アルベルト王太子には何か憑りついているのだろうか? 退治してもらうことは、できるだろうか?」
マルクスが振りかえって私を見る。
「……ゴーストの類ではないので、私の力が通用するか分かりませんが、試してみます」
「ありがとうございます、聖女さま」
マルクスが私に場所を譲った。
するとミゲルが浴室から出てきた。
そして。
「聖女殿、急なお願いにも関わらず、応じてくださり、ありがとうございます。どうかアルベルトさまをお願いします」
少し高音だが、落ち着きのある声。
これもまた、ゲーム通り。
素敵……。
うっとりする私の手をとり、捧げ持つようにして、手の甲にキスをする動作をしたミゲルは……。本当に、本当に美しかった。
その優雅な仕草に、完全に心を持っていかれそうになる。
いや、今はそんな場合ではない。
自分に喝をいれ、ミゲルがいた場所に移動する。
あ、ちゃんとタオルが……。
バスタブにつかるアルベルトの腰には、ちゃんとタオルが巻かれている。
安心して、アルベルトを見ると……。
うわあ、思いの外、筋肉がちゃんとある。
筋肉と言えばマルクスだし、その次はミゲル。
だがアルベルトも鍛えているようで、胸板も想像以上に厚いし、肩にも筋肉がついている。でもムキムキではなく程よい感じ。これならお姫様抱っこもちゃんとできるし、いざとなったら守ってくれる。そんな感じだ。
ってそうじゃないから。
今、攻略対象目線で、彼らを見てはいけない。
ひとまずゴーストではないから、通用するかは分からない。だが試してみよう。
胸につけたペンダントの十字架を、アルベルトに向けた。
「悪しき者の望みは絶える!」
瞬時に魔力が十字架に伝わり、光がアルベルトへ向かって放たれる。
すると。
アルベルトの体が、ガクッと大きく揺れた。
「オリビアさま、不穏なオーラが弱りました。今は左肩の辺りを漂っている状態です」
スノーがそう言うのと同時に、アルベルトが顔を上げた。
感無量になるのも束の間、ミゲルは私に視線を向け、そしてバスタブへと移した。その視線の動きを追い、私もバスタブを見ると。
そこには……サラサラのシルバーブロンドと素肌が見えている。
う、嘘……。
アルベルトが裸でバスタブにつかっている。
「オリビアさま、大変です。王太子さまの全身が、先ほどの不穏なオーラで、完全に包まれています」
スノーの言葉にハッとなり、よくよくアルベルトを見ると。
バスタブで半身浴状態のアルベルトは、意識がないようだ。
「聖女さま、アルベルト王太子には何か憑りついているのだろうか? 退治してもらうことは、できるだろうか?」
マルクスが振りかえって私を見る。
「……ゴーストの類ではないので、私の力が通用するか分かりませんが、試してみます」
「ありがとうございます、聖女さま」
マルクスが私に場所を譲った。
するとミゲルが浴室から出てきた。
そして。
「聖女殿、急なお願いにも関わらず、応じてくださり、ありがとうございます。どうかアルベルトさまをお願いします」
少し高音だが、落ち着きのある声。
これもまた、ゲーム通り。
素敵……。
うっとりする私の手をとり、捧げ持つようにして、手の甲にキスをする動作をしたミゲルは……。本当に、本当に美しかった。
その優雅な仕草に、完全に心を持っていかれそうになる。
いや、今はそんな場合ではない。
自分に喝をいれ、ミゲルがいた場所に移動する。
あ、ちゃんとタオルが……。
バスタブにつかるアルベルトの腰には、ちゃんとタオルが巻かれている。
安心して、アルベルトを見ると……。
うわあ、思いの外、筋肉がちゃんとある。
筋肉と言えばマルクスだし、その次はミゲル。
だがアルベルトも鍛えているようで、胸板も想像以上に厚いし、肩にも筋肉がついている。でもムキムキではなく程よい感じ。これならお姫様抱っこもちゃんとできるし、いざとなったら守ってくれる。そんな感じだ。
ってそうじゃないから。
今、攻略対象目線で、彼らを見てはいけない。
ひとまずゴーストではないから、通用するかは分からない。だが試してみよう。
胸につけたペンダントの十字架を、アルベルトに向けた。
「悪しき者の望みは絶える!」
瞬時に魔力が十字架に伝わり、光がアルベルトへ向かって放たれる。
すると。
アルベルトの体が、ガクッと大きく揺れた。
「オリビアさま、不穏なオーラが弱りました。今は左肩の辺りを漂っている状態です」
スノーがそう言うのと同時に、アルベルトが顔を上げた。
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