80 / 204
第二章
2
しおりを挟む
アリシティアの言葉に、リカルドはなんとなく遠い目になった。
「あーうん。はっきりとした意味はわからないけど、なんか凄いことを言ってるのはわかる」
なんとなくではあるが、アリシティアの心情を汲み取ったリカルドは、曖昧に頷いた。
「そ。まあ、そんな事よりチューダー伯を探してくれる? あの方、あの体型だから、探しやすいとは思うのよね」
仮面をかぶり服装を変えても、狭い貴族社会だ。社交界に出入りしている人物であれば、シルエットや所作で、その人物が誰であるか、おおよその検討はつく。
「は?探してどうするんだ?」
「もちろんお近づきになるに決まってるじゃない」
二人は人波を躱しながら会場内を進む。さり気なく辺りに気を配りつつも、アリシティアは平然と答えた。そんなアリシティアの後ろで、リカルドがとてつもなく焦りだす。
「いやいやいや、まてよ女王様、なんで自分からあんな変態に近寄ろうとするんだよ」
「ミレディ様だってば。公子様もそう言っていらしたけど、伯爵様のどのへんが変態なの?」
いつの間にかリカルドの中で女王様呼びが定着しつつあった。せっかく考えた偽名も呼んでくれる人がいなければ、意味がないというのに。
「あ──、あいつは真面目にヤバいやつだからな。大きな声では言えないけど、この間城下で闇オークションの摘発があったんだけどさ、あいつ夜会で誘拐された若い女の子を落札しようとしたんだぞ」
──── それは私だ...。
アリシティアは、思わず心のなかで突っ込んでいた。
なんとなく、パートナーにモブ顔のリカルドを選んでしまったが、レオナルドを連れてくれば良かったかも…と、アリシティアはほんの少し後悔しつつあった。
(いくら私が王家の影とはいえ、なんで職務上知り得た情報を、こうもあっさり漏らしちゃうんだろう…)
とはいえ、実の所は自分のことさえバラされなければ、アリシティアの屑な友人第一号は、とてつもなく理想的な友人だ。
アリシティアに気を許し、職務上知り得た事を話題にして雑談する彼は、エヴァンジェリンの護衛で、しかもエヴァンジェリンが一番気を許しているレオナルドのパートナーだ。
もちろん、この情報については、リカルドの守るエヴァンジェリンには何も関係がなく、近衛では当たり前の情報として、共有されているはずだ。だが、そのどうでも良い情報こそが、アリシティアが欲しい情報だった。
リカルドのかなりチョロ過ぎる所が、逆に罠なのではと心配になるレベルだが……。と、そこまで考えて、不意にアリシティアはある事に思い至った。同時に怒りが込み上げてくる。
─── あの細目公爵!!
心の中で思わず悪態をつく。
ようやく、アリシティアは気づいた。
王弟ガーフィールド公爵が、苦虫を噛み潰したような表情ではあったが、しぶしぶ最愛のソニア・ベルラルディーニの特別演奏会の招待状を差し出した理由に。
もしかしたら、アリシティアが挑んだ七並べで、公爵が『なんでもお願いを叶える券』を出してきたことすらも、公爵の計画の内だったのかもしれない。
公爵は間違いなくリカルドがソニアのファンであることは知っていたはずだ。もしかしたらレオナルドもソニアの隠れファンだと知っていたのかもしれない。いや知らないはずはない。ソニアは公爵がこの世界で最も愛する女性だ。きっと彼女のファンについても把握しているだろう。
その上で、ソニア・ベルラルディーニの招待状を手に入れたアリシティアがどう行動するか、公爵は想定していただろう。
だとすれば、これは公爵がレオナルドを王妃派の情報源にするための茶番だ。
エヴァンジェリンはルイスの前では自分を取り繕っている。だがレオナルドはエヴァンジェリンと、気安く何でも話せる幼なじみの距離感を維持していた。
公爵はわざとアリシティアにソニア・ベルラルディーニの招待状を手に入れさせたのだ。招待状を手に入れたアリシティアが、レオナルドとリカルドに近づく事を見越して。
そして二人は、公爵の思惑通りアリシティアの屑な友人一号と二号になった。
──── ただ、今回の招待状と、小説に出てくる王太子暗殺事件に絡む商人の情報が欲しかっただけなのに…。
アリシティアは公爵の手のひらの上で踊らされた人形。
だが、たとえ公爵の手の内と言えど、アリシティアはあえて公爵の持つ招待状を強奪する事を選んだ。少なくともアルフレードも同じ招待状を持っていたのに。
だとすれば、公爵にとってソニア・ベルラルディーニの招待状と見合うだけの価値ある成果を得られなかった場合、どんな嫌がらせが待っているか。考えただけでも恐ろしい。
内心ゾッとしているアリシティアをよそに、リカルドは呑気に話を続けている。
「それで、まあ当然、あの変態も捕まったんだけどさ。オークショニアが闇オークションでその女の子の事をリーベンデイルの人形と紹介したらしくて、それを信じて人形を落札しようとしただけだって、言い張って逃げ切ったんだぞ」
「あの闇オークションは、客の方は最終的に全員無罪放免になったのよね」
「おう、さすが王太子殿下の戦うメイド。よく知ってるな」
「その、王太子殿下の戦うメイドの正体をもしも他人に喋ったら、あなたは間違いなく殺されるし、聞いた人もとばっちりで殺されるから気をつけてね」
「おおぅ! さすが影の騎士団。めちゃくちゃ怖いな。恐ろしすぎて笑えるわ」
恐ろしいのか楽しいのか、リカルドはおどけたように肩を竦めた。彼にとっては、あえて釘を刺すまでもなく、想定内の事。だからこそ、笑っていられるのだ。アリシティアは前を見たまま「実は曲者だったりして」と、ボソリと呟いた。
「なんか言ったか?」
「いいえ、なんにも」
この馬鹿げたやり取りに、アリシティアは嫣然と微笑んだ。
「あーうん。はっきりとした意味はわからないけど、なんか凄いことを言ってるのはわかる」
なんとなくではあるが、アリシティアの心情を汲み取ったリカルドは、曖昧に頷いた。
「そ。まあ、そんな事よりチューダー伯を探してくれる? あの方、あの体型だから、探しやすいとは思うのよね」
仮面をかぶり服装を変えても、狭い貴族社会だ。社交界に出入りしている人物であれば、シルエットや所作で、その人物が誰であるか、おおよその検討はつく。
「は?探してどうするんだ?」
「もちろんお近づきになるに決まってるじゃない」
二人は人波を躱しながら会場内を進む。さり気なく辺りに気を配りつつも、アリシティアは平然と答えた。そんなアリシティアの後ろで、リカルドがとてつもなく焦りだす。
「いやいやいや、まてよ女王様、なんで自分からあんな変態に近寄ろうとするんだよ」
「ミレディ様だってば。公子様もそう言っていらしたけど、伯爵様のどのへんが変態なの?」
いつの間にかリカルドの中で女王様呼びが定着しつつあった。せっかく考えた偽名も呼んでくれる人がいなければ、意味がないというのに。
「あ──、あいつは真面目にヤバいやつだからな。大きな声では言えないけど、この間城下で闇オークションの摘発があったんだけどさ、あいつ夜会で誘拐された若い女の子を落札しようとしたんだぞ」
──── それは私だ...。
アリシティアは、思わず心のなかで突っ込んでいた。
なんとなく、パートナーにモブ顔のリカルドを選んでしまったが、レオナルドを連れてくれば良かったかも…と、アリシティアはほんの少し後悔しつつあった。
(いくら私が王家の影とはいえ、なんで職務上知り得た情報を、こうもあっさり漏らしちゃうんだろう…)
とはいえ、実の所は自分のことさえバラされなければ、アリシティアの屑な友人第一号は、とてつもなく理想的な友人だ。
アリシティアに気を許し、職務上知り得た事を話題にして雑談する彼は、エヴァンジェリンの護衛で、しかもエヴァンジェリンが一番気を許しているレオナルドのパートナーだ。
もちろん、この情報については、リカルドの守るエヴァンジェリンには何も関係がなく、近衛では当たり前の情報として、共有されているはずだ。だが、そのどうでも良い情報こそが、アリシティアが欲しい情報だった。
リカルドのかなりチョロ過ぎる所が、逆に罠なのではと心配になるレベルだが……。と、そこまで考えて、不意にアリシティアはある事に思い至った。同時に怒りが込み上げてくる。
─── あの細目公爵!!
心の中で思わず悪態をつく。
ようやく、アリシティアは気づいた。
王弟ガーフィールド公爵が、苦虫を噛み潰したような表情ではあったが、しぶしぶ最愛のソニア・ベルラルディーニの特別演奏会の招待状を差し出した理由に。
もしかしたら、アリシティアが挑んだ七並べで、公爵が『なんでもお願いを叶える券』を出してきたことすらも、公爵の計画の内だったのかもしれない。
公爵は間違いなくリカルドがソニアのファンであることは知っていたはずだ。もしかしたらレオナルドもソニアの隠れファンだと知っていたのかもしれない。いや知らないはずはない。ソニアは公爵がこの世界で最も愛する女性だ。きっと彼女のファンについても把握しているだろう。
その上で、ソニア・ベルラルディーニの招待状を手に入れたアリシティアがどう行動するか、公爵は想定していただろう。
だとすれば、これは公爵がレオナルドを王妃派の情報源にするための茶番だ。
エヴァンジェリンはルイスの前では自分を取り繕っている。だがレオナルドはエヴァンジェリンと、気安く何でも話せる幼なじみの距離感を維持していた。
公爵はわざとアリシティアにソニア・ベルラルディーニの招待状を手に入れさせたのだ。招待状を手に入れたアリシティアが、レオナルドとリカルドに近づく事を見越して。
そして二人は、公爵の思惑通りアリシティアの屑な友人一号と二号になった。
──── ただ、今回の招待状と、小説に出てくる王太子暗殺事件に絡む商人の情報が欲しかっただけなのに…。
アリシティアは公爵の手のひらの上で踊らされた人形。
だが、たとえ公爵の手の内と言えど、アリシティアはあえて公爵の持つ招待状を強奪する事を選んだ。少なくともアルフレードも同じ招待状を持っていたのに。
だとすれば、公爵にとってソニア・ベルラルディーニの招待状と見合うだけの価値ある成果を得られなかった場合、どんな嫌がらせが待っているか。考えただけでも恐ろしい。
内心ゾッとしているアリシティアをよそに、リカルドは呑気に話を続けている。
「それで、まあ当然、あの変態も捕まったんだけどさ。オークショニアが闇オークションでその女の子の事をリーベンデイルの人形と紹介したらしくて、それを信じて人形を落札しようとしただけだって、言い張って逃げ切ったんだぞ」
「あの闇オークションは、客の方は最終的に全員無罪放免になったのよね」
「おう、さすが王太子殿下の戦うメイド。よく知ってるな」
「その、王太子殿下の戦うメイドの正体をもしも他人に喋ったら、あなたは間違いなく殺されるし、聞いた人もとばっちりで殺されるから気をつけてね」
「おおぅ! さすが影の騎士団。めちゃくちゃ怖いな。恐ろしすぎて笑えるわ」
恐ろしいのか楽しいのか、リカルドはおどけたように肩を竦めた。彼にとっては、あえて釘を刺すまでもなく、想定内の事。だからこそ、笑っていられるのだ。アリシティアは前を見たまま「実は曲者だったりして」と、ボソリと呟いた。
「なんか言ったか?」
「いいえ、なんにも」
この馬鹿げたやり取りに、アリシティアは嫣然と微笑んだ。
10
お知らせ
一年後に死亡予定の嫌われ婚約者が、貴方の幸せのためにできること (モブで悪女な私の最愛で最悪の婚約者は、お姫様に恋している)第二章ラストシーンに伴い、ベアトリーチェがストーリーテラーとなる、大人のマザーグースっぽい作風のお話を掲載しました。
私が愛した彼は、私に愛を囁きながら三度姉を選ぶ(天狗庵の客人の元のお話です)
7000文字の一話完結のショートショートです。
この物語を読んでいただけますと、ラストシーンの言葉の意味がほんの少しわかっていただけるかと思います。ただ、救いも何もない悲惨なバッドエンドですので、DVや復習が苦手な方は避けてください。
第三章のスピンオフ、令嬢誘拐事件の誘拐された令嬢サイドのお話もよろしければお楽しみください。
強欲令嬢が誘拐事件に巻き込まれたら、黒幕?な王子様に溺愛されました【R18】
一年後に死亡予定の嫌われ婚約者が、貴方の幸せのためにできること (モブで悪女な私の最愛で最悪の婚約者は、お姫様に恋している)第二章ラストシーンに伴い、ベアトリーチェがストーリーテラーとなる、大人のマザーグースっぽい作風のお話を掲載しました。
私が愛した彼は、私に愛を囁きながら三度姉を選ぶ(天狗庵の客人の元のお話です)
7000文字の一話完結のショートショートです。
この物語を読んでいただけますと、ラストシーンの言葉の意味がほんの少しわかっていただけるかと思います。ただ、救いも何もない悲惨なバッドエンドですので、DVや復習が苦手な方は避けてください。
第三章のスピンオフ、令嬢誘拐事件の誘拐された令嬢サイドのお話もよろしければお楽しみください。
強欲令嬢が誘拐事件に巻き込まれたら、黒幕?な王子様に溺愛されました【R18】
お気に入りに追加
2,498
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

妻の死で思い知らされました。
あとさん♪
恋愛
外交先で妻の突然の訃報を聞いたジュリアン・カレイジャス公爵。
急ぎ帰国した彼が目にしたのは、淡々と葬儀の支度をし弔問客たちの対応をする子どもらの姿だった。
「おまえたちは母親の死を悲しいとは思わないのか⁈」
ジュリアンは知らなかった。
愛妻クリスティアナと子どもたちがどのように生活していたのか。
多忙のジュリアンは気がついていなかったし、見ようともしなかったのだ……。
そしてクリスティアナの本心は——。
※全十二話。
※作者独自のなんちゃってご都合主義異世界だとご了承ください
※時代考証とか野暮は言わないお約束
※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第三弾。
第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』
第二弾『そういうとこだぞ』
それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。
※この話は小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。