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第二章
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なににせよ、ソニア・ベルラルディーニのサロンへの招待状は欲しくとも、責任感の強い二人は、アリシティアに屑のパートナーを紹介することはできないと判断したのだろう。つまりアリシティアの為に、自分達がろくでなしの屑の役をしてくれるという事なのだ。
だが、アリシティアが希望するのは、多分この二人が考えているようなジャンルの屑やろくでなしではない。
「もし、仮面舞踏会の後、乱交パーティーに誘われたとして、ついて行けますか? たとえ行為そのものに参加しなくても、それを眺めながら楽しげにふるまえるでしょうか? 怪しい薬を勧められたとして、とりあえず試す勇気は?」
そういった事を楽しむ事の出来る、屑なパートナー兼将来のお友達を、アリシティアは募集しているのだ。
アリシティアの言葉に目前の二人は一瞬固まった。まあ、無理だろうな…と、アリシティアは立ち上がった。
「ご無理を申し上げました。お許しください。やはり別の人を…」
そこまで言った時、「出来る」とレオナルドに言葉を遮られた。
「俺も出来るよ、一応潜入捜査の訓練は受けているし」
リカルドが断言し、その言葉にレオナルドが続ける。
「とりあえず、1週間以内にチューダー伯爵の仮面舞踏会の招待状を、出来るだけ屑経由で手に入れてくる。それまで、そのソニア・ベルラルディーニの招待状は、絶対に誰にも渡さないでくれ」
二つの月の下、虫達の声が幾重にも重なって響く深夜の庭園で、レオナルドのあまりにも真剣な声音が響く。それに同意するように、リカルドも力強く頷いた。
✽✽✽✽
「周囲に決して自分が誰であるか気付かれないように行動する事。危険を感じれば必ず逃げる事。無闇矢鱈と戦わない事。勝手に一人で行動しない事。…あと他には…」
変装しているのかどうなのか。髪の毛が、金からブラウンにしか変わっていないリカルドから、アリシティアは何やら細かい約束事を並べられる。
「…リカルド様? 子供のはじめてのお出かけでは無いのですよ?」
普段の少女らしさを完全に消し去ったアリシティアは、金色に染めた髪をゆるく結い上げていて、目の色は夏の湖のような青に変えていた。ぷっくりと艶のあるチェリーのような唇の左下には、小さな黒子が描きたされていて、得も言われぬ色気を醸し出している。
そして、リカルドが顔を埋めたくなるような、これでもかというくらい盛りに盛った胸の谷間ががっつりと見えるドレスを着ている。
目の形を変えてみせるアイメイクに、けぶるようなブラウンのつけまつげ。12センチ底上げする前も後ろも高いヒールの靴を履いたアリシティアの今の姿は、いつもより5歳は大人っぽく見えた。
チューダー伯爵の仮面舞踏会の招待状については、結果的に、レオナルド、リカルド共に手に入れてきた。それを受け取ったアリシティアは、約束通りソニア・ベルラルディーニの招待状を、二人にそれぞれ一通づつ渡したのだが…。
案の定というか、なんというか。二人は本物の屑でろくでなしな知人を、アリシティアに紹介してはくれなかった。代わりに、二人して仮面舞踏会についてくると言い出す始末だ。無論アリシティアは自分一人で行くので問題ない事を告げたが、リカルドはいかに自分が屑な奴か力説しだした。
それをずっと聴いていたアリシティアが、なんとなくだが、『そうか、リカルド様は屑なのか…』と思い込み始めた頃。
リカルドは、すかさず屑代表として、お友達になってくれると約束してくれた。
リカルドが友達になってくれるなら、それでもいいかな??
などと考えているうちに、リカルドはちょろすぎるアリシティアの屑な友達一号となっていた。もちろん屑二号のお友達はレオナルドだ。
そんなリカルドに、『友達になった記念に、一緒にチューダー伯爵の仮面舞踏会に行こう』と言われて、アリシティアは気づくと頷いてしまっていた。
リカルドの前世はやり手の営業マンか詐欺師だったに違いない。リカルドは見事にアリシティアのお友達という弱点をおさえつつ、彼女をたらし込む流れをつくってみせたのだった。
だが、アリシティアが希望するのは、多分この二人が考えているようなジャンルの屑やろくでなしではない。
「もし、仮面舞踏会の後、乱交パーティーに誘われたとして、ついて行けますか? たとえ行為そのものに参加しなくても、それを眺めながら楽しげにふるまえるでしょうか? 怪しい薬を勧められたとして、とりあえず試す勇気は?」
そういった事を楽しむ事の出来る、屑なパートナー兼将来のお友達を、アリシティアは募集しているのだ。
アリシティアの言葉に目前の二人は一瞬固まった。まあ、無理だろうな…と、アリシティアは立ち上がった。
「ご無理を申し上げました。お許しください。やはり別の人を…」
そこまで言った時、「出来る」とレオナルドに言葉を遮られた。
「俺も出来るよ、一応潜入捜査の訓練は受けているし」
リカルドが断言し、その言葉にレオナルドが続ける。
「とりあえず、1週間以内にチューダー伯爵の仮面舞踏会の招待状を、出来るだけ屑経由で手に入れてくる。それまで、そのソニア・ベルラルディーニの招待状は、絶対に誰にも渡さないでくれ」
二つの月の下、虫達の声が幾重にも重なって響く深夜の庭園で、レオナルドのあまりにも真剣な声音が響く。それに同意するように、リカルドも力強く頷いた。
✽✽✽✽
「周囲に決して自分が誰であるか気付かれないように行動する事。危険を感じれば必ず逃げる事。無闇矢鱈と戦わない事。勝手に一人で行動しない事。…あと他には…」
変装しているのかどうなのか。髪の毛が、金からブラウンにしか変わっていないリカルドから、アリシティアは何やら細かい約束事を並べられる。
「…リカルド様? 子供のはじめてのお出かけでは無いのですよ?」
普段の少女らしさを完全に消し去ったアリシティアは、金色に染めた髪をゆるく結い上げていて、目の色は夏の湖のような青に変えていた。ぷっくりと艶のあるチェリーのような唇の左下には、小さな黒子が描きたされていて、得も言われぬ色気を醸し出している。
そして、リカルドが顔を埋めたくなるような、これでもかというくらい盛りに盛った胸の谷間ががっつりと見えるドレスを着ている。
目の形を変えてみせるアイメイクに、けぶるようなブラウンのつけまつげ。12センチ底上げする前も後ろも高いヒールの靴を履いたアリシティアの今の姿は、いつもより5歳は大人っぽく見えた。
チューダー伯爵の仮面舞踏会の招待状については、結果的に、レオナルド、リカルド共に手に入れてきた。それを受け取ったアリシティアは、約束通りソニア・ベルラルディーニの招待状を、二人にそれぞれ一通づつ渡したのだが…。
案の定というか、なんというか。二人は本物の屑でろくでなしな知人を、アリシティアに紹介してはくれなかった。代わりに、二人して仮面舞踏会についてくると言い出す始末だ。無論アリシティアは自分一人で行くので問題ない事を告げたが、リカルドはいかに自分が屑な奴か力説しだした。
それをずっと聴いていたアリシティアが、なんとなくだが、『そうか、リカルド様は屑なのか…』と思い込み始めた頃。
リカルドは、すかさず屑代表として、お友達になってくれると約束してくれた。
リカルドが友達になってくれるなら、それでもいいかな??
などと考えているうちに、リカルドはちょろすぎるアリシティアの屑な友達一号となっていた。もちろん屑二号のお友達はレオナルドだ。
そんなリカルドに、『友達になった記念に、一緒にチューダー伯爵の仮面舞踏会に行こう』と言われて、アリシティアは気づくと頷いてしまっていた。
リカルドの前世はやり手の営業マンか詐欺師だったに違いない。リカルドは見事にアリシティアのお友達という弱点をおさえつつ、彼女をたらし込む流れをつくってみせたのだった。
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