君を愛するつもりはないと言われた私は、鬼嫁になることにした

せいめ

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 ナイトレイ公爵様と夜会に出た後、社交界ではその話題で持ちきりになり、私とロジャース伯爵様との白い結婚の話は忘れられつつある頃、ロジャース伯爵様から、もうすぐ苺の収穫が始まるとの手紙が届いた。

 苗を植えたのは、私が伯爵家にいる時だったよね。あの時から半年くらいは経ったよね。早いなぁ。

 ロジャース伯爵領に建設した加工場には、すでに従業員は配置しているし、パートで雇う領民については、現地の従業員と領主代行のパーカー様にお願いしているからね。
 出来上がったジャムは、国内の貴族だけでなく、実家のツテを使って、砂漠の国や、極寒の北の国にも輸出するつもりでいる。砂漠の国や北の国って、実は資源大国の金持ちだったりするから、高い値段で売り付けても、買ってくれると思うんだよね。

 ふふっ!今から楽しみだわ…。

 ロジャース伯爵様とは、伯爵家を出てから直接会って話をしたことはないけれど、手紙をマメにくれるので、その手紙の返信くらいはするようにしている。
 伯爵様と婚約している時は、こんな風に向こうから手紙なんてくれなかったのに、事業のパートナーになったら、伯爵様から手紙を書いてくれるようになるなんて、やっぱりあの男は私を金蔓としか思っていなかったようだ…。


 しかし、ロジャース伯爵様は何が言いたいのだろうか…?

〝使用人達がベネット伯爵令嬢に会いたがっている〟
 …メイド長のことかな?メイド長にはお世話になったからね。

〝領民達がベネット伯爵令嬢に会いたがっている〟
 …苺を高値で取引する約束をしているからかな?私に会わなくても、現地にいる従業員達が対応してくれるはずだけど。

〝チャーリー達は元気にしているか?〟
 …アンタ、チャーリー達に興味なかったじゃん。

 ロジャース伯爵様への手紙には、メイド長に、良かったら休みの日に遊びに来てねと伝えて下さいと書いておいた。


 それからすぐに、ロジャース伯爵領では苺の収穫が始まる。
 土地がいいのか、現地で指揮を取るパーカー様の手腕が凄いのか、とにかく採れる採れる…。
 予想以上の収穫量で、加工場では大忙しらしく、パートさんの人数を増やして、三交代制でやることにしたらしい。
 そして、大量のジャムやシロップが出来上がり、私のカフェやホテルで苺フェアをしつつ、ジャムとシロップを売り出した。
 在庫を抱えたくないので、実家の商会に頼んで、他国にどんどん売りに出してもらった。

 予想通り、砂漠の国や北の国は、金持ちだけあって高い値段にもかかわらず、大量に購入してくれた。
 環境が厳しい国って、甘いものが好きらしく、他に新商品があればまた買いたいと言ってくれたらしい。

 フム…。苺だけでは飽きられてしまうかもしれないから、他に新しくジャムに出来そうな果物を探す必要がありそうね。
 そういえば、ブルーベリーってこの世界にないのかな?ジャムって言ったら、ブルーベリーもいいよね。探してみる価値はあるかも。農業に詳しいパーカー様が知っていたりして?今回の苺の栽培での功労者でもあるパーカー様には、お礼の手紙を書きつつ、ブルーベリーを知っていないか聞いてみようかな。


 大量に作った高級苺ジャムは大当たりで、あっと言う間に売り切れてしまった。今は入荷待ちの状態だ。

 思った以上に売れたので、ロジャース伯爵領から仕入れている苺のキロ単価を今より高い値段で仕入れることにして、工場で働くパートさん達の時給も上げることにした。
 結果、ロジャース伯爵領の税収も増え、伯爵家も潤ってきたようだ。領民達も喜んでいるらしい。

 そして、喜んでいるのは私もよ。
 私の店のいちごフェアは好評だったし、とにかく儲かったからね。


 苺の収穫が終わりに近づく頃、ロジャース伯爵様が取引のお礼をしたいと言って、私の邸に来ることになる。
 

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