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ヒロインがやって来た
どうしよう
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フィル兄様と恋をすると出てくる悪役令嬢が酷いだってー!
「あの、その悪役令嬢って、公爵令嬢ですか?」
この前、フィル兄様にダンスを踊らせた公爵令嬢ってか?
「そうです!フィリップ様と結婚するつもりでずっと、独身を貫いているので、その分、フィリップ様への思いが強いのです。裏では売れ残りとか、行き遅れとか言われている、私達より少し年上の令嬢ですね。彼女は公爵家の力で、犯罪スレスレ?いや、犯罪になるかなぁ。そんな嫌がらせをしてくるから、危険なんです。」
ひー!そんな事知らずに、この前、やり合っちゃったよぉ。
「フィリップ様は他の人達よりも、なかなか好感度が上がりにくくて、付き合うことが出来ても、素っ気なくて、なかなか好きになってもらえない方なんです。求めれば、エッチ…、じゃなくて、えーと。体の関係にはなれますが、ただそれだけと言うか。でも、かなり上手いらしいですよ。本気で好きになってくれると、沢山愛を囁いてくれて、素っ気なかったのが、強引になってきて、婚約や結婚を迫って来たり、すごい変化するみたいです。そして、他のカッコいい攻略対象者よりも更にカッコいいから、登場人物の中で人気だったんですよ。でも、悪役令嬢が強者だねって、友人達と話していたんですよね。悪役令嬢は、昔からフィリップ様が好きで、ずっと見ていたから、フィリップ様が主人公と本気の恋に落ちると、すぐに気付いて、潰そうとしてきます。今までは遊びのようだから、見逃していたけど、私と結婚するのに、本気で他の人を愛するのは許さないって。怖いですよねー!」
サラッと攻略対象者だって言ってたわね。ていうか、私、あの行き遅れの悪役令嬢に消されるの?
「あれっ?マリーベル様、顔色が悪いような。もしかして、マリーベル様の彼氏って、フィリップ様ですか?」
もう、隠すのは無理ね。
「ええ。実は従兄妹のフィリップと付き合う事になりました。だから、その話を聞いて驚いてしまって…。どうしようかしら。」
「フィリップ様は、マリーベル様に愛を囁いたりしますか?」
「…はい。かなりしますね。ベタベタですし。」
「すごい!さすが、マリーベル様!フィリップ様を落としたのですね!」
「いや、落としたのではなく、こっちが強引に落とされたというか。」
「あっ!悪役令嬢が心配なのですね。確かに他の悪役よりも、かなり危険らしいですけど。ゲームじゃなくて、本に書いてあった内容を細かく教えます。ただ、本と同じ動きをしてくるのかは分かりませんけど、参考にはなるかと。マリーベル様は私を助けてくれた、大切な方だから、守りたいし。あっ、私みたいなのが、こんな図々しいことを言ってすみません。」
ピンクが優しいんだけど。しかも、ヒロインだけあって、そんな姿も可愛いし。
「ありがとう。すごく嬉しいですわ。私こそ、貴女を勘違いしていたようで、申し訳ありませんでした。色々と教えてくれたら、助かりますわ。」
「マリーベル様がそこまで私に言ってくれるなんて!私こそ、失礼な事ばかり言って迷惑をかけたのに。なんて優しい人なの!私の知っていることは、何でも教えますから。元気を出して頑張りましょう!」
ということで、私達がピンクと呼んでいたヒロインは、アンジュ様と呼ぶようになり、私達腹黒と打ち解けて、友人の1人になるのであった。
そして、詳しい話を聞く為に、昼休みは空き教室で2人で話をすることがある。アンジュ様は、転生者だと言うのは秘密にするように、婚約者と約束しているらしく、この話はレジーナ達には秘密にしている。恥ずかしい閨の話を教えてもらっていると、腹黒達には話している。
アンジュ様と、あの脅されていた子爵令嬢のミア様は、私達腹黒と友人になってから、誰にもいじめられなくなったと嬉しそうだ。それはただの偶然でしょうと言っておいた。
アンジュ様が言う話によると、公爵令嬢は、暗殺まではしないが、手先に頼んで拉致したり、娼館に売り飛ばしたり、階段から突き落としたりするらしい。でも、愛するフィリップ様には、バレたり見られたり、巻き込んだりはしたくないので、フィリップ様がいない時に狙われるのだと言う。
ゲームの中では、フィリップ様が騎士団の遠征で王都を離れた時に、主人公は拉致され、他国に連れて行かれそうになる。その時に、フィリップ様は王都にいない為、自分の恋人が拉致されたとは知らないし、また、助けを求めることも出来ない。フィリップ様のルートが難しいのは、その事件を解決することが難しいこともあるようだ。失敗すれば、そのまま拐われて、国外に連れていかれ、その後はどうなるのか分からないという。その事件を解決するには、他の高位貴族の攻略対象者とも、ある程度の友好関係を築いているのが鍵となるらしい。相手が公爵令嬢なので、公爵家に立ち向かえるだけの身分や権力が必要になる。ゲームでは、友人である攻略対象者の誰かが、主人公が拐われたと知って、助けようと動いてくれて、上手く行けば救出してもらえるようだ。しかし、拐われたことに気付いてくれ、尚且つ、助ける事が出来る能力を持っている攻略対象者でないと、救出が失敗に終わるらしい。
アンジュ様が教えてくれて、良かった。しかし、悪役令嬢が恐ろしすぎて、正直、フィル兄様とは別れようかと悩んでしまう。だって、アラサーは安心・安全・安定の結婚相手を求めているんだから。それに、今回は死にたくないし、平凡でいいから、結婚して幸せな家庭を築いて生きて行きたいの!
しかし、この本?ゲームのタイトルを聞いて、血の気が引くのだった。
「この本の名前は、『溺愛とヤンデレの狭間で』って題名なんですよ。どの攻略対象者も過去の恋や別れ、挫折や失敗なんかが、心の傷として残っているらしくて。主人公と恋に落ちると、溺愛してくれるのですが、失いたくないという強い気持ちが芽生えて、不安になりすぎて、ヤンデレになってしまうらしいです。」
ヤンデレだってー!
「あの、その悪役令嬢って、公爵令嬢ですか?」
この前、フィル兄様にダンスを踊らせた公爵令嬢ってか?
「そうです!フィリップ様と結婚するつもりでずっと、独身を貫いているので、その分、フィリップ様への思いが強いのです。裏では売れ残りとか、行き遅れとか言われている、私達より少し年上の令嬢ですね。彼女は公爵家の力で、犯罪スレスレ?いや、犯罪になるかなぁ。そんな嫌がらせをしてくるから、危険なんです。」
ひー!そんな事知らずに、この前、やり合っちゃったよぉ。
「フィリップ様は他の人達よりも、なかなか好感度が上がりにくくて、付き合うことが出来ても、素っ気なくて、なかなか好きになってもらえない方なんです。求めれば、エッチ…、じゃなくて、えーと。体の関係にはなれますが、ただそれだけと言うか。でも、かなり上手いらしいですよ。本気で好きになってくれると、沢山愛を囁いてくれて、素っ気なかったのが、強引になってきて、婚約や結婚を迫って来たり、すごい変化するみたいです。そして、他のカッコいい攻略対象者よりも更にカッコいいから、登場人物の中で人気だったんですよ。でも、悪役令嬢が強者だねって、友人達と話していたんですよね。悪役令嬢は、昔からフィリップ様が好きで、ずっと見ていたから、フィリップ様が主人公と本気の恋に落ちると、すぐに気付いて、潰そうとしてきます。今までは遊びのようだから、見逃していたけど、私と結婚するのに、本気で他の人を愛するのは許さないって。怖いですよねー!」
サラッと攻略対象者だって言ってたわね。ていうか、私、あの行き遅れの悪役令嬢に消されるの?
「あれっ?マリーベル様、顔色が悪いような。もしかして、マリーベル様の彼氏って、フィリップ様ですか?」
もう、隠すのは無理ね。
「ええ。実は従兄妹のフィリップと付き合う事になりました。だから、その話を聞いて驚いてしまって…。どうしようかしら。」
「フィリップ様は、マリーベル様に愛を囁いたりしますか?」
「…はい。かなりしますね。ベタベタですし。」
「すごい!さすが、マリーベル様!フィリップ様を落としたのですね!」
「いや、落としたのではなく、こっちが強引に落とされたというか。」
「あっ!悪役令嬢が心配なのですね。確かに他の悪役よりも、かなり危険らしいですけど。ゲームじゃなくて、本に書いてあった内容を細かく教えます。ただ、本と同じ動きをしてくるのかは分かりませんけど、参考にはなるかと。マリーベル様は私を助けてくれた、大切な方だから、守りたいし。あっ、私みたいなのが、こんな図々しいことを言ってすみません。」
ピンクが優しいんだけど。しかも、ヒロインだけあって、そんな姿も可愛いし。
「ありがとう。すごく嬉しいですわ。私こそ、貴女を勘違いしていたようで、申し訳ありませんでした。色々と教えてくれたら、助かりますわ。」
「マリーベル様がそこまで私に言ってくれるなんて!私こそ、失礼な事ばかり言って迷惑をかけたのに。なんて優しい人なの!私の知っていることは、何でも教えますから。元気を出して頑張りましょう!」
ということで、私達がピンクと呼んでいたヒロインは、アンジュ様と呼ぶようになり、私達腹黒と打ち解けて、友人の1人になるのであった。
そして、詳しい話を聞く為に、昼休みは空き教室で2人で話をすることがある。アンジュ様は、転生者だと言うのは秘密にするように、婚約者と約束しているらしく、この話はレジーナ達には秘密にしている。恥ずかしい閨の話を教えてもらっていると、腹黒達には話している。
アンジュ様と、あの脅されていた子爵令嬢のミア様は、私達腹黒と友人になってから、誰にもいじめられなくなったと嬉しそうだ。それはただの偶然でしょうと言っておいた。
アンジュ様が言う話によると、公爵令嬢は、暗殺まではしないが、手先に頼んで拉致したり、娼館に売り飛ばしたり、階段から突き落としたりするらしい。でも、愛するフィリップ様には、バレたり見られたり、巻き込んだりはしたくないので、フィリップ様がいない時に狙われるのだと言う。
ゲームの中では、フィリップ様が騎士団の遠征で王都を離れた時に、主人公は拉致され、他国に連れて行かれそうになる。その時に、フィリップ様は王都にいない為、自分の恋人が拉致されたとは知らないし、また、助けを求めることも出来ない。フィリップ様のルートが難しいのは、その事件を解決することが難しいこともあるようだ。失敗すれば、そのまま拐われて、国外に連れていかれ、その後はどうなるのか分からないという。その事件を解決するには、他の高位貴族の攻略対象者とも、ある程度の友好関係を築いているのが鍵となるらしい。相手が公爵令嬢なので、公爵家に立ち向かえるだけの身分や権力が必要になる。ゲームでは、友人である攻略対象者の誰かが、主人公が拐われたと知って、助けようと動いてくれて、上手く行けば救出してもらえるようだ。しかし、拐われたことに気付いてくれ、尚且つ、助ける事が出来る能力を持っている攻略対象者でないと、救出が失敗に終わるらしい。
アンジュ様が教えてくれて、良かった。しかし、悪役令嬢が恐ろしすぎて、正直、フィル兄様とは別れようかと悩んでしまう。だって、アラサーは安心・安全・安定の結婚相手を求めているんだから。それに、今回は死にたくないし、平凡でいいから、結婚して幸せな家庭を築いて生きて行きたいの!
しかし、この本?ゲームのタイトルを聞いて、血の気が引くのだった。
「この本の名前は、『溺愛とヤンデレの狭間で』って題名なんですよ。どの攻略対象者も過去の恋や別れ、挫折や失敗なんかが、心の傷として残っているらしくて。主人公と恋に落ちると、溺愛してくれるのですが、失いたくないという強い気持ちが芽生えて、不安になりすぎて、ヤンデレになってしまうらしいです。」
ヤンデレだってー!
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