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新しい生活
王妃殿下のドレス
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元旦那様であるバーネット様にお会いした次の日、私はいつも通りに出勤していた。
もうすぐ建国記念の夜会があるので、それを取り仕切る王妃殿下はとても忙しい。
そして、王妃殿下の仕事を補佐するヘミングウェイ伯爵夫人と私も、とにかく忙しい。
「シャノン様、業務は忙しいですが、夜会で貴女が着るドレスやアクセサリーの準備は出来ているかしら?
今回の夜会は、王妃殿下の側近になって初めての夜会ですし、貴女が社交界に復帰する特別な夜会でもあるの。ドレスもアクセサリーも華やかなものにするのですよ。」
「はい。一応、準備はしております。」
「一応…?」
ヘミングウェイ伯爵夫人のスイッチが入ってしまったようだ。
「はい。しっかり準備しておりますわ。」
「シャノン様はあまり派手な装いを好まないお方ですからね。でも、今度の夜会は少しくらい派手でもいいのです。」
「…はい。」
「アメリア。今回は私の侍女として初めて参加する記念すべき夜会だから、ドレスは私がプレゼントするわ。」
王妃殿下が突拍子もないことを口にする。
「王妃殿下、それはいけ……」
「今すぐ私のデザイナーを呼んでくれる?私のドレスは出来上がっているはずだから、これからアメリアのドレスを作ることは出来るはずよ。」
「そうですわね!すぐにお呼びいたしますわ。」
王妃殿下とヘミングウェイ伯爵夫人は、私を無視して二人で話を進めてしまった。
デザイナーを呼びつけた後、採寸される私の横で、王妃殿下とヘミングウェイ伯爵夫人がドレスのデザインに細かく指示を出していた。
殺気立つ二人にデザイナーが萎縮しそうになっているのが分かった…。
ドレスは夜会の3日前に出来上がって来た。
デザイナー達の目の下にクマが…。非常に申し訳ない気持ちになる。
ドレスは薄い菫色の華やかなドレスだった。小さな宝石が散りばめられ、キラキラと輝いている。
王妃殿下の専属デザイナーらしい、素晴らしいドレスだった。
「アメリア、よく似合っているわ。」
「ええ。シャノン様、とても素敵ですわよ。」
二人の機嫌が良くなっているのが分かった。
合格ということかしら。
「こんな素晴らしいドレスをありがとうございます。」
「ふふ。最強の鎧をまとった貴女を攻撃するような、身の程知らずの者はいないと思うわ。」
「そうですわね。後は当日にしっかり磨いて来てもらいましょうか。」
二人の笑顔が怖い。
王妃殿下がプレゼントしたドレスを着た私を誰も攻撃出来ないだろう。
このドレスは、久しぶりに社交界に復帰する私を守るための王妃殿下からの配慮なのだと思う。
しかも建国記念の夜会は、貴族なら余程の事情がない限りは参加しなければならない。ということは、元旦那様のバーネット様も参加する。
バーネット様が見つかって初めての王族主催の夜会だから、きっと元妻である私は好奇な眼差しで見られるわね。
そんな夜会に、王妃殿下からプレゼントされたドレスを着ることが出来るなんて幸せだと思うわ。
この国最強の鎧だもの…。
「王妃殿下・ヘミングウェイ伯爵夫人、本当に感謝しております。
一生大切に致します。」
「アメリア。感謝はいいから、当日はしっかり磨いてらっしゃいな。」
「ふふ。シャノン様、当日を楽しみにしておりますわ。」
これは…。遠回しに気合を入れられているわね。
王宮の中では、すでに王妃殿下が私にドレスをプレゼントしたと噂になっているようだった。
この噂も王妃殿下が配慮して流してくれたのかもしれない。
もうすぐ建国記念の夜会があるので、それを取り仕切る王妃殿下はとても忙しい。
そして、王妃殿下の仕事を補佐するヘミングウェイ伯爵夫人と私も、とにかく忙しい。
「シャノン様、業務は忙しいですが、夜会で貴女が着るドレスやアクセサリーの準備は出来ているかしら?
今回の夜会は、王妃殿下の側近になって初めての夜会ですし、貴女が社交界に復帰する特別な夜会でもあるの。ドレスもアクセサリーも華やかなものにするのですよ。」
「はい。一応、準備はしております。」
「一応…?」
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「はい。しっかり準備しておりますわ。」
「シャノン様はあまり派手な装いを好まないお方ですからね。でも、今度の夜会は少しくらい派手でもいいのです。」
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「アメリア。今回は私の侍女として初めて参加する記念すべき夜会だから、ドレスは私がプレゼントするわ。」
王妃殿下が突拍子もないことを口にする。
「王妃殿下、それはいけ……」
「今すぐ私のデザイナーを呼んでくれる?私のドレスは出来上がっているはずだから、これからアメリアのドレスを作ることは出来るはずよ。」
「そうですわね!すぐにお呼びいたしますわ。」
王妃殿下とヘミングウェイ伯爵夫人は、私を無視して二人で話を進めてしまった。
デザイナーを呼びつけた後、採寸される私の横で、王妃殿下とヘミングウェイ伯爵夫人がドレスのデザインに細かく指示を出していた。
殺気立つ二人にデザイナーが萎縮しそうになっているのが分かった…。
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デザイナー達の目の下にクマが…。非常に申し訳ない気持ちになる。
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「ええ。シャノン様、とても素敵ですわよ。」
二人の機嫌が良くなっているのが分かった。
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「こんな素晴らしいドレスをありがとうございます。」
「ふふ。最強の鎧をまとった貴女を攻撃するような、身の程知らずの者はいないと思うわ。」
「そうですわね。後は当日にしっかり磨いて来てもらいましょうか。」
二人の笑顔が怖い。
王妃殿下がプレゼントしたドレスを着た私を誰も攻撃出来ないだろう。
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「ふふ。シャノン様、当日を楽しみにしておりますわ。」
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