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我がご主人対黒百合様の召喚獣対決が始まろうとしているのです
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窓から転落した俺を助けてくれたちーちゃん改め黒百合様。
様などいらぬと申されましたが、彼女は殺し系でコワイのでひとまず様をつけておきます。
だがその名前を意味するのは呪い……クックック。呪われてしまうがいい!
「シーローンーーちゃーーん!」
「ご主人、シロンは無事です。というか落としたのはご主人です!」
急いで下まで降りて来たご主人。そう、あの部屋は二階でした。
あっという間に抱きかかえると、黒百合様を激しく睨みつけました。
「うむ、娘よ。お主の召喚獣はこの黒百合が救ってやったぞ」
「あなた、シロンちゃんに何をしたの!?」
「何って……脚をつかんで助けてやったじゃろう?」
「私、ちゃんと見てたんだから! その後放り捨てた!」
「それはまぁ、こやつがのう」
「許せない! 私の大切なシロンちゃんをー!」
「ご、ご主人落ち着いて……はわわ」
どうやらご主人の逆鱗に触れてしまったようです。
普段は優しいご主人の怒りがひしひしと伝わってきます。
俺を抱きかかえて黒百合様を睨むその力が俺に還元されて、若干というかとても苦しいです。
このままだと握り潰されるーー! 内臓さん出るからボスケテ!
あなたの愛しい召喚獣を握りつぶして殺すおつもりか!
「ぐええ……」
「よくもシロンちゃんをー! 勝負です!」
「わしより小娘の方がそ奴を殺そうとしておるように見えるんじゃが……まぁよい。勝負と言う
なら勝負してやっても」
「全っ然まぁ良い! じゃないですよ! でもボスケテ潰れるぅー!」
「して何の勝負がしたいんじゃ? どのような勝負でもわしが負けるとは思えんのう」
「私は召喚士だけど魔法対決。あなたには負けないんだから!」
「ほうほう。わしと魔法対決……それはあまりにもわしに分があるのう。それならばどうじゃ。
召喚獣同士を戦わせる召喚バトルというのは」
「えっ? うーんと……それで勝負よ!」
「ぐええ……潰される上に叩きのめされるコースぅ……」
「シ、シロンちゃん!? しっかりしてシロンちゃん! 直ぐに回復させるから!」
「か、回復して戦えってこと、デス、カ……」
「うん!」
ええ。ご主人はこういう方でした。
存じていましたとも。
「ふうむしかしのう。わしの召喚獣はちと厳しい相手かもしれん」
「く、黒百合様……お願いですから弱いの出して……」
「何を言うておる。出せる召喚獣なぞ決まっておる。出でよ、召喚獣、フェ……」
ま、まさかフェンリルぅー!? 勘弁して下さい俺の負けデース!
「フェリちゃん」
「フェンリルじゃないんかーい! それと何でも語尾にちゃんつけるなー!」
「いーやー! あれは同族よ! いーやー!」
「あれ、お前何処に隠れてたんだ? いや、今はそれどころではない!」
黒百合様が召喚したのは……フェリちゃんことフェアリーっぽい何かです。
しかし高速で飛び回っていて姿をとらえるのは難しい。
ちょうどそのタイミングでサルサさんやニャトルも来ました。
「ふむ、二体目の召喚獣も来たようだのう」
「ニャニャ。シロンの奴、運よく生きていたようニャ」
「俺は死なん。残機が九十九もあるからな!」
「ニャ。また嘘ついてるに違い無いニャ!」
「お前可愛げなくなったなー」
「んで、あんたたち今度は何してるわけ?」
「私がこの人……人? に勝負を挑んだの!」
「勝負ってあんたね……相手はどう見ても高等魔術師以上じゃない。私だって戦いたく
無い相手よ」
「え? そうなの? でもね、私シロンちゃんを酷い目に合わせた人を許せないの!」
「いえ、ダメージはどちらかというとご主人にもらったんですが……というか吹き飛ば
したのご主人ですよね!?」
「あら、レジェンドフェアリーじゃない。こんな珍しい種族をここで見られるなんて」
「レジェンドフェアリー? それって何ですか? 美味しいの?」
「珍しい妖精種よ。へぇー、噂通り凄い速さで動くのね」
「ぶー。残念でしたー。火炎妖精の方が珍しいですぅー。ホノミィが一番なの!」
「目で追えないニャ……グルグルするニャ」
「ふふふ。驚くのはまだ早いのじゃ。二対目……出でよ、ケル……」
まさかケルベロス!? それはいやぁーー! 完全に俺の上位互換な犬!
いーやー! ……と、これはホノミィのモノマネです。
「ケルビーちゃん!」
「馬のほうだった、セィーフ!」
「ヒヒーーーン!」
召喚されたケルビーは少し透明がかっているような体の馬に見えます。
これも普通のケルビーじゃない?
しかも素早く動こうとしているじゃあーりませんか。
「こっちも目で追えないグルグルな奴ニャ!」
「ふっふっふ。わしの最高の召喚獣たちじゃ。どうじゃ? お主の召喚獣と違って凄そ
うじゃろう?」
「うふふ……シロンちゃんとニャトルちゃんの圧勝だよ!」
「ほえ? 何でそうなるんじゃ?」
「だって、どっちももふもふのふかふかで可愛い!」
「ぬ、ぬぅ。確かにこ奴らはもふもふのふかふかでは無いが……」
「ほらシロンちゃんも!」
「クックック。どうです俺のこの毛並み! ご主人の鼻水まみれだ! お願いしますどな
たか水魔法で洗っては頂けませんかー?」
「……わし、少し可哀そうに思えて来た」
哀れまれたよ! もう対決なんて止めてさっさと俺の体をですね。
聴いてます? そこのサルサさん。そっぽ向かないでよ!
「……それで一体何の対決をするわけ?」
「それは……え? 戦うんでしょ?」
「あんたねぇ。シロンがケルビーに勝てると思ってるわけ?」
「シロンちゃんなら竜だって倒せるよ?」
「なぬ? それは聞き捨てならんのう。では試しに、召喚戦闘を行ってみるか!
ゆくぞ、フェリちゃん、ケルちゃん!」
「調子狂う呼称ね……」
「さぁ始まってしまいました。召喚獣バトル。一体どうなるシロン? どうするシロン?」
「解説は私がやるわね」
「ちゃちゃも混ぜるちゃ!」
「あらあんたいたの? 気付かなかったわ」
「ちゃちゃを無視するなんて許せないちゃ! 流星矢ちゃ!」
「ちょ、危ないので退場!」
「ふっふーん。あんたのポジションはこの火炎妖精ホノミィが奪ってあげたわ」
「……流星矢ちゃ!」
「いーやー! 頭の上に矢が降って来るいーやー!」
「それは俺もです! いーやー!」
続くよ!
様などいらぬと申されましたが、彼女は殺し系でコワイのでひとまず様をつけておきます。
だがその名前を意味するのは呪い……クックック。呪われてしまうがいい!
「シーローンーーちゃーーん!」
「ご主人、シロンは無事です。というか落としたのはご主人です!」
急いで下まで降りて来たご主人。そう、あの部屋は二階でした。
あっという間に抱きかかえると、黒百合様を激しく睨みつけました。
「うむ、娘よ。お主の召喚獣はこの黒百合が救ってやったぞ」
「あなた、シロンちゃんに何をしたの!?」
「何って……脚をつかんで助けてやったじゃろう?」
「私、ちゃんと見てたんだから! その後放り捨てた!」
「それはまぁ、こやつがのう」
「許せない! 私の大切なシロンちゃんをー!」
「ご、ご主人落ち着いて……はわわ」
どうやらご主人の逆鱗に触れてしまったようです。
普段は優しいご主人の怒りがひしひしと伝わってきます。
俺を抱きかかえて黒百合様を睨むその力が俺に還元されて、若干というかとても苦しいです。
このままだと握り潰されるーー! 内臓さん出るからボスケテ!
あなたの愛しい召喚獣を握りつぶして殺すおつもりか!
「ぐええ……」
「よくもシロンちゃんをー! 勝負です!」
「わしより小娘の方がそ奴を殺そうとしておるように見えるんじゃが……まぁよい。勝負と言う
なら勝負してやっても」
「全っ然まぁ良い! じゃないですよ! でもボスケテ潰れるぅー!」
「して何の勝負がしたいんじゃ? どのような勝負でもわしが負けるとは思えんのう」
「私は召喚士だけど魔法対決。あなたには負けないんだから!」
「ほうほう。わしと魔法対決……それはあまりにもわしに分があるのう。それならばどうじゃ。
召喚獣同士を戦わせる召喚バトルというのは」
「えっ? うーんと……それで勝負よ!」
「ぐええ……潰される上に叩きのめされるコースぅ……」
「シ、シロンちゃん!? しっかりしてシロンちゃん! 直ぐに回復させるから!」
「か、回復して戦えってこと、デス、カ……」
「うん!」
ええ。ご主人はこういう方でした。
存じていましたとも。
「ふうむしかしのう。わしの召喚獣はちと厳しい相手かもしれん」
「く、黒百合様……お願いですから弱いの出して……」
「何を言うておる。出せる召喚獣なぞ決まっておる。出でよ、召喚獣、フェ……」
ま、まさかフェンリルぅー!? 勘弁して下さい俺の負けデース!
「フェリちゃん」
「フェンリルじゃないんかーい! それと何でも語尾にちゃんつけるなー!」
「いーやー! あれは同族よ! いーやー!」
「あれ、お前何処に隠れてたんだ? いや、今はそれどころではない!」
黒百合様が召喚したのは……フェリちゃんことフェアリーっぽい何かです。
しかし高速で飛び回っていて姿をとらえるのは難しい。
ちょうどそのタイミングでサルサさんやニャトルも来ました。
「ふむ、二体目の召喚獣も来たようだのう」
「ニャニャ。シロンの奴、運よく生きていたようニャ」
「俺は死なん。残機が九十九もあるからな!」
「ニャ。また嘘ついてるに違い無いニャ!」
「お前可愛げなくなったなー」
「んで、あんたたち今度は何してるわけ?」
「私がこの人……人? に勝負を挑んだの!」
「勝負ってあんたね……相手はどう見ても高等魔術師以上じゃない。私だって戦いたく
無い相手よ」
「え? そうなの? でもね、私シロンちゃんを酷い目に合わせた人を許せないの!」
「いえ、ダメージはどちらかというとご主人にもらったんですが……というか吹き飛ば
したのご主人ですよね!?」
「あら、レジェンドフェアリーじゃない。こんな珍しい種族をここで見られるなんて」
「レジェンドフェアリー? それって何ですか? 美味しいの?」
「珍しい妖精種よ。へぇー、噂通り凄い速さで動くのね」
「ぶー。残念でしたー。火炎妖精の方が珍しいですぅー。ホノミィが一番なの!」
「目で追えないニャ……グルグルするニャ」
「ふふふ。驚くのはまだ早いのじゃ。二対目……出でよ、ケル……」
まさかケルベロス!? それはいやぁーー! 完全に俺の上位互換な犬!
いーやー! ……と、これはホノミィのモノマネです。
「ケルビーちゃん!」
「馬のほうだった、セィーフ!」
「ヒヒーーーン!」
召喚されたケルビーは少し透明がかっているような体の馬に見えます。
これも普通のケルビーじゃない?
しかも素早く動こうとしているじゃあーりませんか。
「こっちも目で追えないグルグルな奴ニャ!」
「ふっふっふ。わしの最高の召喚獣たちじゃ。どうじゃ? お主の召喚獣と違って凄そ
うじゃろう?」
「うふふ……シロンちゃんとニャトルちゃんの圧勝だよ!」
「ほえ? 何でそうなるんじゃ?」
「だって、どっちももふもふのふかふかで可愛い!」
「ぬ、ぬぅ。確かにこ奴らはもふもふのふかふかでは無いが……」
「ほらシロンちゃんも!」
「クックック。どうです俺のこの毛並み! ご主人の鼻水まみれだ! お願いしますどな
たか水魔法で洗っては頂けませんかー?」
「……わし、少し可哀そうに思えて来た」
哀れまれたよ! もう対決なんて止めてさっさと俺の体をですね。
聴いてます? そこのサルサさん。そっぽ向かないでよ!
「……それで一体何の対決をするわけ?」
「それは……え? 戦うんでしょ?」
「あんたねぇ。シロンがケルビーに勝てると思ってるわけ?」
「シロンちゃんなら竜だって倒せるよ?」
「なぬ? それは聞き捨てならんのう。では試しに、召喚戦闘を行ってみるか!
ゆくぞ、フェリちゃん、ケルちゃん!」
「調子狂う呼称ね……」
「さぁ始まってしまいました。召喚獣バトル。一体どうなるシロン? どうするシロン?」
「解説は私がやるわね」
「ちゃちゃも混ぜるちゃ!」
「あらあんたいたの? 気付かなかったわ」
「ちゃちゃを無視するなんて許せないちゃ! 流星矢ちゃ!」
「ちょ、危ないので退場!」
「ふっふーん。あんたのポジションはこの火炎妖精ホノミィが奪ってあげたわ」
「……流星矢ちゃ!」
「いーやー! 頭の上に矢が降って来るいーやー!」
「それは俺もです! いーやー!」
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