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巨大ダンジョンの登場なのです

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「よう。久しぶりだな。おめーらが全然呼んでくれないから、ハラペーニャ様は暇だった
ぞ」
「出たー! 何か出たー! いーやーー! しゅぼっ」
「熱っ! 何か起きたら直ぐ火を付けるのやめろ!」
「ニャゴハーッハッハッハ! 魔族召喚したら見事レベルアップニャ! ニャトルの進化
ももう間近に違いないニャ!」
「これが地方の魔族だかー。随分めんこい娘だな」
「巨人族の家? それならいい食い物がありそうだな。取引内容は何だ?」
「お宝ザクザクダンジョンです!」
「お宝ザクザク……何ていい響きなの……」
「それは運と食い物次第だな」
「ボルボパイセン。例のブツを」
「分かっただよ。ほい、これだ」

 ジャガ焼きを提供してやる俺たち。
 ふっふっふ。どうだこの香り。さぞや美味そうに……あれぇ? 

「ハラペーニャ様、野菜より肉がいいぞ」
「……肉」
「それじゃこれだな。美味いだよー」

 といってさっきの虫料理を出すボルボパイセン。
 それはらめぇー! 

「おお! あるじゃねーか美味そうな奴。もらうぜー」

 ……こいつらの味覚というか目覚が信じられません。
 全員首を揃え、ぴったりのタイミングで横を向き目を逸らす俺たち。
 そして……あっという間に平らげる喰魔のハラペーニャ。
 ついにあれをやるときが来たようだ……。

「おいニャトル。今度は語尾にニャをつけるなよ。また可笑しなダンジョンに連れられたら
今度はやばそうだ」
「同じ失敗はしないニャ。ニャハー! お宝ザクザク楽しみニャ」
「ちょっとだけ休憩してからいきましょうよぉ」
「それは賛成だ。ちょっとひと休憩」

 俺たちはその場で少々休み、ボルボパイセンも椅子に座ってうとうとしております。
 ――そして全員が目を覚まし、いよいよ準備も万端! ダンジョン生成のお時間です。
 両手を上げてクルクル三回周り、お手上げポーズから右首を傾げる姿勢を取るニャトル。
 実にあほらしい仕草が良く似合います。いいぞ、もっとやれ! 

「誘いザクザクお宝ダンジョンニャ!」
「ば……おいそれ逆じゃ……」
「あーーー! あんたは毎回間違えないと気が済まないわけー!?」
「何コレ? いーやーー! 私どうなっちゃうのぉーー!」
「ん? どうしただか?」
「腹一杯だぜー」
「えっ? ええーっ?」
「ニャハハハ……ちょっと間違ったニャ」

 俺たちは光に包まれ全員その場からふっと消えました。
 これはそう、お宝がザクザク出て来るダンジョンではありません。
 ザクザクするお宝なダンジョンに間違いありません。

 ――気付くと……俺たちは滅茶苦茶不思議なダンジョンにいました。
 目の前には巨大すぎる宝箱が箱を開けてまっているかのような洞窟があります。
 いえ、箱のふた部分はここからだとみえない。
 箱の下のほうに入る道があるのです。
 しかし、何でこんなでかいんだ? 

「あれ、ここどこだべか」
「あんたもついてきたんかーい!」
「あ、サルサさんが真っ先に突っ込んだ。さすが突っ込みのサルサですね、俺より速い!」
「なな、何なのよここー! いーやーー!」
「これって、まずくないですかぁ……」
「ニャニャ。きき、きっと大丈夫ニャ。お宝がザックザクに違いないニャ」
「俺の予想ですと、お宝にザックリやられるダンジョンです。引き返しましょう!」
「でもほら、もうハラペーニャが」

 一人ずんずんと先頭を突き進むハラペーニャとかいう奴。
 こいつ、また同じ行動を取るつもりか! ええいままよっ。
 ここまで来たら、いくっかない! 

「それじゃー点呼をとりまーす。猫ー」
「ニャ?」
「地雷ー」
「ええっ? 私地雷じゃな……」
「突っ込みー」
「誰が突っ込みよ! あんたがボケ過ぎるのがいけないんでしょ!」
「箱開けー」
「私は火炎妖精! 火炎妖精のホノミィ!」
「狙撃手ー」
「おら、狙撃手だべか?」
「そして、突撃魔族娘……に俺。七人……多い! これはリスと虎が必要です。
しかしボルボパイセンがいれば無敵な気がするぞ! きっと今回は楽にクリアを……」
「おら、あの大きさじゃ入れないだよ」
「あっ……」


 どうなる俺たち。どうする俺たち! 
 次号へ続く! 


「って入り口で終わりニャ? 早く行かなくていいニャ?」
「おいおい何を言ってるんだニャトル。久しぶりのダンジョンだぞ。じっくりこってり
攻略するに決まってるだろ?」
「ろくに攻略した試しが無いニャ」
「うぐっ。だがしかーし! 今回はお宝が手に入りそうなダンジョンに違いない!」
「お宝にされそうな名前のダンジョンニャ」
「お前がやったんやろー! どうにかしてけろ……」
「ニャゴハーッハッハッハ! ここでニャトルも進化を遂げてやるニャ!」

 また来週! 
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