33 / 46
33 俺もうセンセーを好きでいるの辞める
しおりを挟む
「そんなに煽ると…俺…我慢できなくなるよ」
黒岩の手がゆっくりと伸びる。
何故かこの瞬間黒岩に
レイプされかけたのを思い出した。
また犯されてしまうのだろうか。
あの指で、声で、黒岩ので…
今度はどんな風にイカされてしまうのだろう…
自分がどうなってしまうのか想像がつかない、怖い…
「ちょっ…まっ_!!」
ーギュッ
「?」
「センセ…そんな顔、俺以外には見せちゃダメだからね。」
気がつけば俺は黒岩の腕の中にいた。
暖かく、トクトクと黒岩の鼓動が聞こえてくる。
一人暮らしで27年も生きてるからだろうか、久々の人肌になんだか少し安心してしまう。
「あんま聞かないで…俺、今ぜってぇ鼓動早いから、」
顔を見なくても分かる、
少し照れながら理性を保とうと我慢している
黒岩の姿が。
「…センセ?」
ずっと黙っていたからだろうか、
様子を伺うように俺の顔を覗き込んでくる。
「…いや、てっきりまた襲われるのかと、」
「えっ、」
俺の返答になんだが戸惑いながら
ショックを受けているように見える。
なんでお前がショック受けてるんだよ、
「いや…まぁ…そうだよな、そう思うよな…」
そう言いながら、口元に手を合わせながらしゃがみ込む黒岩。今までの行いを思い返しているのだろうか、自分で納得をしてしまっている。
「あんな事しといて…信用ないかもしんないけど、俺もうセンセが嫌がる事はしないから。」
「…え?」
「センセが俺に対してただの生徒でしかないことは分かってるつもりだし、俺を見捨てないでくれてるのもセンセーが生徒思いだから成り立ってるって理解してるから。」
まさか黒岩の口から
そんな言葉が聞けるとは思わなかった。
いつも自分勝手で、
俺の事なんか何も考えてなさそうなのに…
こいつはこいつなりに
俺のことを慕ってくれていたのか?
もしかしたら、
あの後家で反省していたのかもしれない。
自分の過ちを考え直したのかもしれない。
なんだよ…可愛いところもあるじゃねぇーか、
「あの後、いくら我を忘れてたからってセンセを犯しかけて改めて考えてわかったんだ…俺ってやっぱり最低な人間なんだって、自分勝手でセンセーに迷惑かけてばかりで…センセがいつ俺を見捨ててもおかしくないって、なのにセンセーは俺をまだ見捨てないでこうやって構ってくれてる…」
黒岩の声がだんだん震えていくのがわかる。
俺の目を今度は見ないように、
小さな子供のようにただ何かに怯えている。
俯きながら、俺の両手をそっと握る。
「おい、黒i_」
「だからね、
俺もうセンセーを好きでいるの辞める!」
「…はっ?」
さっきまで俯いていたはずの
顔は笑っていた。
「センセーに俺もう迷惑かけないし、ちょっかいも出さない。この前みたいな事ももちろんしないし…てか、もぅセンセーにも話しかけないから、安心して!」
「…お前、何言ってんの?」
「…俺がセンセを好きじゃなくなれば、もぅセンセーに迷惑かかんないじゃん?そしたら、センセー前みたいに戻れるよ、まるで……
…何も無かったみたいに。」
「それ…本気で言ってんの?」
「…本気だよ。」
「嘘だろ。」
嘘だ。
「…嘘じゃないよ。
センセーもきっとその方が…いいでしょ。」
俺にはわかる。
「俺がじゃなくて、“お前”がいいのか?」
お前が、
「…別にいいでしょ、俺の事なんて…」
本当は、
「じゃあなんで泣きそうな顔してんだよ。」
“笑いたくない”ってこと。
「……えっ、?」
ーガタッ
「自分に嘘つくのか?あんなに散々好き勝手やったくせに今度は大人しく手を引く?ふざけんじゃねぇ!!!」
「セッ…センセ?」
俺は黒岩に近づく。
「自分は最低だ?迷惑かける?好きなの辞める?何勝手に決めて勝手に解決しようとしてるんだよ!!!」
俺は奴の胸ぐらを掴む。
目を見て、正面で、
「 ーっ、!!」
お前が散々好き勝手やったんだ、
今度は俺も好きにやってやる!!!!
「じゃあ、どうすればいいんだよ!!!
どうすれば俺…センセーに迷惑かけない…?」
「迷惑かけろ!!!!」
「…えっ?」
「ガキが一丁前に迷惑かけないように生きようとすんじゃねぇ!迷惑かけるのが当たり前だろ!!!」
そうだ、当たり前なんだ。
我慢すんな。
正直に生きろよ。
「自分に嘘をつく人間になるな!
いいか、人って生き物はな自分に嘘を着いたら
おしまいなんだよ!!!
どんどん自分が飲み込めばいいってなんでも我慢するようになって、自分の好きな物とか性格とか何もかもわかんなくなるんだよ!!!
自分の大好きなもんに否定していいのか?」
「…嫌だ。」
「俺の事が好きじゃないのか?」
「…好き、めっちゃ好き、大好き、」
「なら、嘘つくんじゃねぇーよ。」
「…でも、センセ…嫌な思いしない…?」
「バーカ、ガキが大人のこと考えんな。
ガキはガキらしく、
自分の感情に素直に生きたいいんだよ。
それが許されるのが、
ガキの特権なんだぞ。」
「でも…」
「あのな、大人になったら嫌でも飲み込まなきゃいけないことが沢山あるんだ。だから今のうちに毒吐いて楽しんでおくことがガキだけが許されることなんだぞ。」
最初に出会った頃のお前は、
どこか大人を憎んでいた。
素直をなることを知らないお前は、
今まで沢山のことを我慢してきたんだろう。
自分の感情より、大人の感情を優先したのだろう。
だから俺の事を好きと告ったお前は
お前なりの最大限の素直な気持ちだったのだ。
それなのに、
俺はお前の告白を遊びだと思ってしまった。
叱る資格がない、最低なのは俺の方だ。
生徒の気持ちを軽く考えてしまった。
黒岩に我慢させようとしてしまった。
“教師失格”だな…
なぁ、“先生”とは大違いだな。
なら、俺が言えることは一つ。
「だからな黒岩、もっと甘えろ!」
黒岩の手がゆっくりと伸びる。
何故かこの瞬間黒岩に
レイプされかけたのを思い出した。
また犯されてしまうのだろうか。
あの指で、声で、黒岩ので…
今度はどんな風にイカされてしまうのだろう…
自分がどうなってしまうのか想像がつかない、怖い…
「ちょっ…まっ_!!」
ーギュッ
「?」
「センセ…そんな顔、俺以外には見せちゃダメだからね。」
気がつけば俺は黒岩の腕の中にいた。
暖かく、トクトクと黒岩の鼓動が聞こえてくる。
一人暮らしで27年も生きてるからだろうか、久々の人肌になんだか少し安心してしまう。
「あんま聞かないで…俺、今ぜってぇ鼓動早いから、」
顔を見なくても分かる、
少し照れながら理性を保とうと我慢している
黒岩の姿が。
「…センセ?」
ずっと黙っていたからだろうか、
様子を伺うように俺の顔を覗き込んでくる。
「…いや、てっきりまた襲われるのかと、」
「えっ、」
俺の返答になんだが戸惑いながら
ショックを受けているように見える。
なんでお前がショック受けてるんだよ、
「いや…まぁ…そうだよな、そう思うよな…」
そう言いながら、口元に手を合わせながらしゃがみ込む黒岩。今までの行いを思い返しているのだろうか、自分で納得をしてしまっている。
「あんな事しといて…信用ないかもしんないけど、俺もうセンセが嫌がる事はしないから。」
「…え?」
「センセが俺に対してただの生徒でしかないことは分かってるつもりだし、俺を見捨てないでくれてるのもセンセーが生徒思いだから成り立ってるって理解してるから。」
まさか黒岩の口から
そんな言葉が聞けるとは思わなかった。
いつも自分勝手で、
俺の事なんか何も考えてなさそうなのに…
こいつはこいつなりに
俺のことを慕ってくれていたのか?
もしかしたら、
あの後家で反省していたのかもしれない。
自分の過ちを考え直したのかもしれない。
なんだよ…可愛いところもあるじゃねぇーか、
「あの後、いくら我を忘れてたからってセンセを犯しかけて改めて考えてわかったんだ…俺ってやっぱり最低な人間なんだって、自分勝手でセンセーに迷惑かけてばかりで…センセがいつ俺を見捨ててもおかしくないって、なのにセンセーは俺をまだ見捨てないでこうやって構ってくれてる…」
黒岩の声がだんだん震えていくのがわかる。
俺の目を今度は見ないように、
小さな子供のようにただ何かに怯えている。
俯きながら、俺の両手をそっと握る。
「おい、黒i_」
「だからね、
俺もうセンセーを好きでいるの辞める!」
「…はっ?」
さっきまで俯いていたはずの
顔は笑っていた。
「センセーに俺もう迷惑かけないし、ちょっかいも出さない。この前みたいな事ももちろんしないし…てか、もぅセンセーにも話しかけないから、安心して!」
「…お前、何言ってんの?」
「…俺がセンセを好きじゃなくなれば、もぅセンセーに迷惑かかんないじゃん?そしたら、センセー前みたいに戻れるよ、まるで……
…何も無かったみたいに。」
「それ…本気で言ってんの?」
「…本気だよ。」
「嘘だろ。」
嘘だ。
「…嘘じゃないよ。
センセーもきっとその方が…いいでしょ。」
俺にはわかる。
「俺がじゃなくて、“お前”がいいのか?」
お前が、
「…別にいいでしょ、俺の事なんて…」
本当は、
「じゃあなんで泣きそうな顔してんだよ。」
“笑いたくない”ってこと。
「……えっ、?」
ーガタッ
「自分に嘘つくのか?あんなに散々好き勝手やったくせに今度は大人しく手を引く?ふざけんじゃねぇ!!!」
「セッ…センセ?」
俺は黒岩に近づく。
「自分は最低だ?迷惑かける?好きなの辞める?何勝手に決めて勝手に解決しようとしてるんだよ!!!」
俺は奴の胸ぐらを掴む。
目を見て、正面で、
「 ーっ、!!」
お前が散々好き勝手やったんだ、
今度は俺も好きにやってやる!!!!
「じゃあ、どうすればいいんだよ!!!
どうすれば俺…センセーに迷惑かけない…?」
「迷惑かけろ!!!!」
「…えっ?」
「ガキが一丁前に迷惑かけないように生きようとすんじゃねぇ!迷惑かけるのが当たり前だろ!!!」
そうだ、当たり前なんだ。
我慢すんな。
正直に生きろよ。
「自分に嘘をつく人間になるな!
いいか、人って生き物はな自分に嘘を着いたら
おしまいなんだよ!!!
どんどん自分が飲み込めばいいってなんでも我慢するようになって、自分の好きな物とか性格とか何もかもわかんなくなるんだよ!!!
自分の大好きなもんに否定していいのか?」
「…嫌だ。」
「俺の事が好きじゃないのか?」
「…好き、めっちゃ好き、大好き、」
「なら、嘘つくんじゃねぇーよ。」
「…でも、センセ…嫌な思いしない…?」
「バーカ、ガキが大人のこと考えんな。
ガキはガキらしく、
自分の感情に素直に生きたいいんだよ。
それが許されるのが、
ガキの特権なんだぞ。」
「でも…」
「あのな、大人になったら嫌でも飲み込まなきゃいけないことが沢山あるんだ。だから今のうちに毒吐いて楽しんでおくことがガキだけが許されることなんだぞ。」
最初に出会った頃のお前は、
どこか大人を憎んでいた。
素直をなることを知らないお前は、
今まで沢山のことを我慢してきたんだろう。
自分の感情より、大人の感情を優先したのだろう。
だから俺の事を好きと告ったお前は
お前なりの最大限の素直な気持ちだったのだ。
それなのに、
俺はお前の告白を遊びだと思ってしまった。
叱る資格がない、最低なのは俺の方だ。
生徒の気持ちを軽く考えてしまった。
黒岩に我慢させようとしてしまった。
“教師失格”だな…
なぁ、“先生”とは大違いだな。
なら、俺が言えることは一つ。
「だからな黒岩、もっと甘えろ!」
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる