50 / 80
二人の王様
第25話 ルールブック
しおりを挟むクラウンゲームのルールブックを読むために朝早く家を出る。
駅を降りると改札にはナギがj待っていた。
あんな帰り方だったからナギに無視されると思っていたから素直にあえて嬉しい。
「ナギ、こんな朝早くどうしたんだ?」
「昨日言っただろ。また明日って。意味わからないで朝早く来たの?」
「えっ?………あーっ。」
明日の朝、邪魔の入らない生徒会室で二人きりになろうって
「………そういうことか。」
だからあっさりとあの時帰ったのか。
「もーっ!!いいよ。俺一人でコンビニで時間つぶしてくる!!」
「わーっ!!待ってくれ。説明するから…」
俺は昨日、渡辺副生徒会長に電話して命令の回避のことを歩きながら話した。
「そうなんだ。それで『秘密』はなんなの?」
「悪い言えない。俺の口から漏れたと分かったら多分2番目の命令としてそれを言われると思う。」
「2番目の命令は『呼び捨て』じゃないか。」
「違う。それは仮の命令だ。みんなに認知されていない。だからまだアイツは2つ命令できるんだ。」
「そんなっ。」
ナギの周りの空気が重くなる。
「酷いよ。アイツいっぱい命令してんじゃん。違反だよ。」
「急ごう、職員室に先生がいてくれるといいけど…」
駆け足で学校の門を潜った。
職員室には運良くこれから朝練に立ち会うバスケ部の顧問の先生がいて鍵を借りることが出来た。
生徒会室の書棚に飛びついて二人で資料を探す。
「クラウンゲーム、クラウンゲーム………」
「あったこれだ。」
古びた分厚い本を開くと何度もルールが変わったり、追加されたりと修正の後がたくさんあった。
初めの方はカタカナと漢字の所ばかりでとても読みづらい。
さすが144年の歴史と伝統ある学校だ………と感心したいところだけど現代風に清書して欲しい。
二人で解釈違いとかがないように確認しながらどうにか読み終わった…
「…渡辺副生徒会長の言っていたことは正しかった。」
「良かった。でも1ヶ月は長いね。」
それでも緒方遥から開放されることが分かったんだから大収穫だ。
「あ、予冷が鳴った。行かなくちゃ」
「待って…慌てなくてもキスする時間くらいあるだろ?」
「修斗…」
恋人の甘い口腔内を隅々まで味わってから生徒会室を後にした。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
悪の献身 〜アイドルを夢見る少年は、優しい大人に囲まれて今日も頑張ります〜
木曜日午前
BL
韓国のアイドル事務所にスカウトされ、
日本から韓国へと渡った金山時雨。
アイドルを目指して頑張っていた彼がある時、自分と同じ事務所に入ってきた少年に心奪われる。
カリスマ性溢れるアイドルの少年とのデビューのために、時雨は大人の欲にまみれた世界へと身を投じることになる。
悪い大人たち×純粋なアイドル練習生のお話。
※トゥルーエンド(他サイト掲載済み)
同級生
明るい家族
BL
side3年
偏差値40を切る問題児高校、赤丸工業高校
学ランに憧れ入学した井上智史は、不良高校に馴染めないまま三年生を迎えた
高校選びのように、就職先を間違えるわけにはいかない
今年は就職活動に励もうと思っていたのに、偶然、不良の告白現場を目撃してしまったことで、智史の大事な一年が狂い出す…
side1年
「大学にはいかせない」親にそう言われ、桐谷愛司は当てつけでバカ高に入学した
どいつもこいつもバカばかり。冷めた気持ちで学校生活を送っていた愛司だったが、妙に色っぽい男に絡まれて…
井上智史(設備システム科3年)
ファッション好きな地味男。就職試験に励む筈が、不良の告白現場に遭遇し、予定が狂っていく
瀬良尚(設備システム科3年)
ゲイ。バンドを組んでいる。メンバーの一人に告白したことで、バンドにいられなくなってしまう
なんとかバンドに戻るため、智史の力を借りてステージ衣装制作に励む
桐谷愛司(機械科1年)
勉強ができるため、周りと連まないでいたが、妙に色っぽい男に興味が湧いてしまう
白石雪千佳(設備システム科1年)
ゲイをオープンにしている魔性の一年。軽い気持ちで愛司にちょっかいをかけたことで、怒りを買い、倍返しされる
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
偽物の僕。
れん
BL
偽物の僕。
この物語には性虐待などの虐待表現が多く使われております。
ご注意下さい。
優希(ゆうき)
ある事きっかけで他人から嫌われるのが怖い
高校2年生
恋愛対象的に奏多が好き。
高校2年生
奏多(かなた)
優希の親友
いつも優希を心配している
高校2年生
柊叶(ひいらぎ かなえ)
優希の父親が登録している売春斡旋会社の社長
リアコ太客
ストーカー
登場人物は増えていく予定です。
増えたらまた紹介します。
かなり雑な書き方なので読みにくいと思います。
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる