51 / 75
邂逅逸話 暁のシジル 解⑤-5
しおりを挟む
「おわッ!!」
シャアムが避けようとしてバランスを崩し、乗っていたゴーレムの肩から落ちる。そのまま地面に直撃しそうになったところを悪魔アンドロマリウスに助けられる。
〈手間を掛けさせるな。人間〉
「お、おお…」
まさか悪魔にお姫様抱っこをされる日が来るとは思わなかった、とシャアムは目をぱちくりとさせていた。
そのままソロモンの横に降ろされる。
「無事か?」
着地したシャアムにソロモンが聞く。
「…おかげさまで」
シャアムは少し不服そうに返した。
こうしている間にもナアマもといゴーレムは拳や地割れ、光線といった方法で攻撃してくる。
それぞれが攻撃を避けつつ、攻撃を当てる。だが、やはり何度でも再生してしまう。
「無駄だと言っているでしょおおおおおお」
怒りに満ちた声。
ソロモンが寂しそうに目を伏せる。
それを見たシャアムが口を開く。
「…国を捨てた罰やな」
その言葉にソロモンはピクリと反応した。
「…どういう意味だ」
「ふん。言葉どーりやんか。あんさんが国を捨てたからあの嫁さんは大暴れしとるんやろ」
「…何が言いたい」
「…あんさんが国を捨てたせいでなぁ!無関係やった人間があの女に誘拐されてきとんのや!!!そんで今はこれや!…全部お前のせいだろうが!!!」
今までにない大きな怒り声を上げた。
ゴーレムと戦いながらメイジー達もそれに気づく。
「……」
ソロモンは黙ったままだ。
「…お前のせいで国が滅んだんだろ。いい気なもんだよな!王様は!嫌になったら自分だけ逃亡すればいい。残された国民なんて捨ててしまえばいいッ!!」
その二人のやり取りに気づいたオルメカが慌てて割って入る。
「な、何事!?どうしたの急に…」
オルメカが割って入ったことで、シャアムは少し冷静さを取り戻す。
「…っ。何でもない。あんさんには関係あらへん…。いや、あんさんも被害者やな」
「え?」
きょとんとしているオルメカの頭をシャアムが撫でた。
ドオオオオオオン!!
背後で音がする。
ゴーレムがまた地割れを起こしたらしい。徐々に地面が分断されていき、戦いやすい場所が減っていく。
「もー!戦いにくいデース!!」
「なぁ、このまま戦ってもキリがないって!ラグノアーサー!なんかわかんないのか!?ずっとそこで高見の見物してるけど!」
マトアカ、アラヌスもシャアム達のいる場所まで戻ってくる。遅れて、メイジーもこちらに合流する。
アラヌスが指摘したことで、ラグノアーサーとルーエイが最初の立ち位置から一切、動いていないことに気が付いた。
ついでにアリスも一緒だ。
「なんか思うことはあったからここに居たんだろ?」
アラヌスがタタタ…とラグノアーサー達の駆け寄る。
ラグノアーサーとルーエイはゴーレムを注視したままだ。
「…うむ。ではそろそろ終わりにしようぞ」
ぐるんとしっぽを回す。
「なんや、策あるんやないか。何やったん。やーらの頑張りは」
不貞腐れたようにシャアムが言う。
「…ようやく見えたのだよ」
「へ?」
ラグノアーサーの言葉にぽかんとした表情でアラヌスが反応する。
「核を狙うのだ」
「核?」
ラグノアーサーの言葉に誰もがハテナを浮かべる。
と、その横で、ルーエイが走りだし、高くジャンプする。そして空中でその姿を変えた。
「え、え…ええええええええ!!?」
ルーエイのその姿を見てオルメカは大声を上げた。
大きく頑丈なうろこに覆われた堅い皮膚を持ち、こぶのような棘を鎧のように纏い、強靭な牙を上顎にも下顎にも生やした生き物。
ー…ドラゴンだ。
これはシャアム達も知らなかったようで、驚いた様子だった。
誰もがその姿に圧倒され、思わず目で追う。
ルーエイは、翼を羽ばたかせてゴーレムの周辺の上空を旋回し、その強靭な顎を開け、その口から氷の礫を放つ。
無数の氷の礫がゴーレムの身体を貫いていく。
グアアアアアアアア…!!!
ゴーレムが悲鳴をあげる。
「貴様ああああああああぁぁぁ」
ナアマが声をあげ、ゴーレムの手で空を飛ぶドラゴンになったルーエイを捕まえようとする。
追ってくる手をひらりひらりとかわし、ルーエイは氷の礫をゴーレムに撃ち込む。
「ああああああああぁぁぁ」
その度にナアマとゴーレムが悲鳴をあげた。
ルーエイはそんなナアマをお構い無しに攻撃し、一度、上空に高く旋回した後、その高い位置から、絶対零度のビームを放つ。
パキパキパキ
ゴーレムの足元から狙いを定め、全身を凍らせていく。
「…真面目に私ら要らなかったんじゃ…」
「エイエイ強すぎやん…」
圧倒的な強さに唖然とし、その光景を眺めていたが、ラグノアーサーの声で現実に戻される。
「さあ、お主らの出番ぞ」
そう言われ、全員がラグノアーサーの方を向く。
その背後にルーエイが接近してくる。
ゴオオオオ!!
ルーエイの羽ばたきで凄まじい風が吹く。思わず身体が持っていかれそうになるほどだ。
ドンッ!
ルーエイが地面に着地する。
それを受けてラグノアーサーが指示する。
「早く背に乗るのだ。そして上空へ舞い、核を砕くのだ」
「その核ってどこにあるんや?」
ラグノアーサーの指示にいち早く反応したのはアラヌスだ。
シャアムが避けようとしてバランスを崩し、乗っていたゴーレムの肩から落ちる。そのまま地面に直撃しそうになったところを悪魔アンドロマリウスに助けられる。
〈手間を掛けさせるな。人間〉
「お、おお…」
まさか悪魔にお姫様抱っこをされる日が来るとは思わなかった、とシャアムは目をぱちくりとさせていた。
そのままソロモンの横に降ろされる。
「無事か?」
着地したシャアムにソロモンが聞く。
「…おかげさまで」
シャアムは少し不服そうに返した。
こうしている間にもナアマもといゴーレムは拳や地割れ、光線といった方法で攻撃してくる。
それぞれが攻撃を避けつつ、攻撃を当てる。だが、やはり何度でも再生してしまう。
「無駄だと言っているでしょおおおおおお」
怒りに満ちた声。
ソロモンが寂しそうに目を伏せる。
それを見たシャアムが口を開く。
「…国を捨てた罰やな」
その言葉にソロモンはピクリと反応した。
「…どういう意味だ」
「ふん。言葉どーりやんか。あんさんが国を捨てたからあの嫁さんは大暴れしとるんやろ」
「…何が言いたい」
「…あんさんが国を捨てたせいでなぁ!無関係やった人間があの女に誘拐されてきとんのや!!!そんで今はこれや!…全部お前のせいだろうが!!!」
今までにない大きな怒り声を上げた。
ゴーレムと戦いながらメイジー達もそれに気づく。
「……」
ソロモンは黙ったままだ。
「…お前のせいで国が滅んだんだろ。いい気なもんだよな!王様は!嫌になったら自分だけ逃亡すればいい。残された国民なんて捨ててしまえばいいッ!!」
その二人のやり取りに気づいたオルメカが慌てて割って入る。
「な、何事!?どうしたの急に…」
オルメカが割って入ったことで、シャアムは少し冷静さを取り戻す。
「…っ。何でもない。あんさんには関係あらへん…。いや、あんさんも被害者やな」
「え?」
きょとんとしているオルメカの頭をシャアムが撫でた。
ドオオオオオオン!!
背後で音がする。
ゴーレムがまた地割れを起こしたらしい。徐々に地面が分断されていき、戦いやすい場所が減っていく。
「もー!戦いにくいデース!!」
「なぁ、このまま戦ってもキリがないって!ラグノアーサー!なんかわかんないのか!?ずっとそこで高見の見物してるけど!」
マトアカ、アラヌスもシャアム達のいる場所まで戻ってくる。遅れて、メイジーもこちらに合流する。
アラヌスが指摘したことで、ラグノアーサーとルーエイが最初の立ち位置から一切、動いていないことに気が付いた。
ついでにアリスも一緒だ。
「なんか思うことはあったからここに居たんだろ?」
アラヌスがタタタ…とラグノアーサー達の駆け寄る。
ラグノアーサーとルーエイはゴーレムを注視したままだ。
「…うむ。ではそろそろ終わりにしようぞ」
ぐるんとしっぽを回す。
「なんや、策あるんやないか。何やったん。やーらの頑張りは」
不貞腐れたようにシャアムが言う。
「…ようやく見えたのだよ」
「へ?」
ラグノアーサーの言葉にぽかんとした表情でアラヌスが反応する。
「核を狙うのだ」
「核?」
ラグノアーサーの言葉に誰もがハテナを浮かべる。
と、その横で、ルーエイが走りだし、高くジャンプする。そして空中でその姿を変えた。
「え、え…ええええええええ!!?」
ルーエイのその姿を見てオルメカは大声を上げた。
大きく頑丈なうろこに覆われた堅い皮膚を持ち、こぶのような棘を鎧のように纏い、強靭な牙を上顎にも下顎にも生やした生き物。
ー…ドラゴンだ。
これはシャアム達も知らなかったようで、驚いた様子だった。
誰もがその姿に圧倒され、思わず目で追う。
ルーエイは、翼を羽ばたかせてゴーレムの周辺の上空を旋回し、その強靭な顎を開け、その口から氷の礫を放つ。
無数の氷の礫がゴーレムの身体を貫いていく。
グアアアアアアアア…!!!
ゴーレムが悲鳴をあげる。
「貴様ああああああああぁぁぁ」
ナアマが声をあげ、ゴーレムの手で空を飛ぶドラゴンになったルーエイを捕まえようとする。
追ってくる手をひらりひらりとかわし、ルーエイは氷の礫をゴーレムに撃ち込む。
「ああああああああぁぁぁ」
その度にナアマとゴーレムが悲鳴をあげた。
ルーエイはそんなナアマをお構い無しに攻撃し、一度、上空に高く旋回した後、その高い位置から、絶対零度のビームを放つ。
パキパキパキ
ゴーレムの足元から狙いを定め、全身を凍らせていく。
「…真面目に私ら要らなかったんじゃ…」
「エイエイ強すぎやん…」
圧倒的な強さに唖然とし、その光景を眺めていたが、ラグノアーサーの声で現実に戻される。
「さあ、お主らの出番ぞ」
そう言われ、全員がラグノアーサーの方を向く。
その背後にルーエイが接近してくる。
ゴオオオオ!!
ルーエイの羽ばたきで凄まじい風が吹く。思わず身体が持っていかれそうになるほどだ。
ドンッ!
ルーエイが地面に着地する。
それを受けてラグノアーサーが指示する。
「早く背に乗るのだ。そして上空へ舞い、核を砕くのだ」
「その核ってどこにあるんや?」
ラグノアーサーの指示にいち早く反応したのはアラヌスだ。
0
あなたにおすすめの小説
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる