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第5回活動報告:仮想通貨の詐欺集団を捕まえろ
会社に提案しにいこう(その4)
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(12)会社に提案しにいこう <続き>
ホセたちはまだ考えているようだ。判断材料が十分かどうか分からないので、私はホセたちが他に知りたい情報が無いかを、聞いてみた。
「考える時間が必要でしょうから、結論をこの場で出していただく必要はありません。それで、当社の提案を判断するにあたって、何かご質問はありますか?」
ホセは少し考えてから、私に言った。
「そうですね。御社が当社のスポンサーになる理由は何ですか?
つまり、御社がスポンサーになった後、当社はどのような業務を行うことになりますか?」
どう答えたらいいのだろう。チャールズから聞いたことを、そのままホセたちに伝えてよいものか、悩ましいところだ。
ちらっとダニエルの方を見たら『俺に任せろ!』のようなジェスチャーをしている。
私は面倒に巻き込まれるのを避けるために、ダニエルに説明を任せることにした。
「その点については、私からお答えします。」とダニエルが切り出した。
「まず、スポンサーになる理由は、ジャービットとジャービット・エクスチェンジを取得すると、暗号資産の発行ができて、その暗号資産を流通させることができるからです。
具体的に暗号資産を何に利用するかというと、ジャービス王国の公共サービスの決済に利用したいと考えています。例えば、税金、社会保険料などの支払いです。」とダニエルは言った。
「暗号資産を使って、ジャービス王国の税金を支払うということですか?」
「そうです。暗号資産で税金を支払えるようにします。」とダニエルは言った。
「デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)を発行する訳ではありませんよね?」
「デジタル通貨は発行しません。デジタル通貨を発行するとマネーストック(市中に流通する通貨量。マネーサプライともいう。)が増加するため、インフレが発生する可能性があります。マネーストックを増やさないためにも、デジタル通貨ではなく、純粋な暗号資産という位置づけにしないといけません。」
「あくまで、普通の暗号資産ということですか。」
「そうです。前提として、ジャービス王国では、法定通貨であるジャービス・ドルを利用して決済します。」
「じゃあ、暗号資産はジャービットが発行しなくても、いいのではないでしょうか?」とホセが聞いてきた。
「それは違います。政府が保有する会社が暗号資産を発行する必要があります。
コンビニやスーパーマーケットでの買い物に現金を使うことはありますが、金額が大きくなると預金で決済します。多額の現金取引は不便ですから。すなわち、企業間取引や納税、社会保険料の支払いは預金で決済しています。
預金でジャービス・ドルを決済する場合、そのジャービス・ドルはどこにあるかというと、普通は民間銀行の口座です。
ジャービス・ドルを発行しているのはジャービス銀行(ジャービス王国の中央銀行)ですが、通貨を発行した後は、国内企業や国民の資金(ジャービス・ドル)は民間銀行に滞留します。一般企業や個人はジャービス銀行の口座は利用できないからです。」
「今まで考えたことはありませんでしたが、そう言われれば、そうですね。中央銀行の預金口座を保有している会社なんて、聞いたことがありません。もちろん、ジャービットやジャービット・エクスチェンジの資金も、民間銀行を利用しています。」とホセは言った。
ダニエルの話が長いので、ホセは少し飽きてきたように見える。
<続く>
ホセたちはまだ考えているようだ。判断材料が十分かどうか分からないので、私はホセたちが他に知りたい情報が無いかを、聞いてみた。
「考える時間が必要でしょうから、結論をこの場で出していただく必要はありません。それで、当社の提案を判断するにあたって、何かご質問はありますか?」
ホセは少し考えてから、私に言った。
「そうですね。御社が当社のスポンサーになる理由は何ですか?
つまり、御社がスポンサーになった後、当社はどのような業務を行うことになりますか?」
どう答えたらいいのだろう。チャールズから聞いたことを、そのままホセたちに伝えてよいものか、悩ましいところだ。
ちらっとダニエルの方を見たら『俺に任せろ!』のようなジェスチャーをしている。
私は面倒に巻き込まれるのを避けるために、ダニエルに説明を任せることにした。
「その点については、私からお答えします。」とダニエルが切り出した。
「まず、スポンサーになる理由は、ジャービットとジャービット・エクスチェンジを取得すると、暗号資産の発行ができて、その暗号資産を流通させることができるからです。
具体的に暗号資産を何に利用するかというと、ジャービス王国の公共サービスの決済に利用したいと考えています。例えば、税金、社会保険料などの支払いです。」とダニエルは言った。
「暗号資産を使って、ジャービス王国の税金を支払うということですか?」
「そうです。暗号資産で税金を支払えるようにします。」とダニエルは言った。
「デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)を発行する訳ではありませんよね?」
「デジタル通貨は発行しません。デジタル通貨を発行するとマネーストック(市中に流通する通貨量。マネーサプライともいう。)が増加するため、インフレが発生する可能性があります。マネーストックを増やさないためにも、デジタル通貨ではなく、純粋な暗号資産という位置づけにしないといけません。」
「あくまで、普通の暗号資産ということですか。」
「そうです。前提として、ジャービス王国では、法定通貨であるジャービス・ドルを利用して決済します。」
「じゃあ、暗号資産はジャービットが発行しなくても、いいのではないでしょうか?」とホセが聞いてきた。
「それは違います。政府が保有する会社が暗号資産を発行する必要があります。
コンビニやスーパーマーケットでの買い物に現金を使うことはありますが、金額が大きくなると預金で決済します。多額の現金取引は不便ですから。すなわち、企業間取引や納税、社会保険料の支払いは預金で決済しています。
預金でジャービス・ドルを決済する場合、そのジャービス・ドルはどこにあるかというと、普通は民間銀行の口座です。
ジャービス・ドルを発行しているのはジャービス銀行(ジャービス王国の中央銀行)ですが、通貨を発行した後は、国内企業や国民の資金(ジャービス・ドル)は民間銀行に滞留します。一般企業や個人はジャービス銀行の口座は利用できないからです。」
「今まで考えたことはありませんでしたが、そう言われれば、そうですね。中央銀行の預金口座を保有している会社なんて、聞いたことがありません。もちろん、ジャービットやジャービット・エクスチェンジの資金も、民間銀行を利用しています。」とホセは言った。
ダニエルの話が長いので、ホセは少し飽きてきたように見える。
<続く>
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