275 / 617
七夜【大切なもの、守りたいもの】
7-29
しおりを挟む
バキィッ!!
「ッグファッ!」
怒りで頭の中が赤く染まった気がした。
握った右手、桜太がくれた腕時計を思い切り、黒木に叩き付ける。
「・・・写真・・・ありがとう。桜太といる時の自分があんなに幸せそうだと思わなかった・・・。それだけは感謝してあげる。でもね・・・・・・馬鹿にしないで。」
「・・・ッてめぇ・・・椎娜ぁぁぁ・・・!!!」
「うるさい、黙れ・・・。私が1人でどうにかしようとするのを、きっと桜太は喜ばない。桜太はそれをよしとしない。そんな・・・女を差し出して喜ぶような、力で支配して満足して、女を道具だと思ってるような・・・あんたみたいなクズじゃないの!!私の彼氏は!!!」
シーン・・・・・・と静まったフロアに、私の声の余韻だけが微妙に残り、ポカンとする岐津さん、ナツさん、黒スーツの怖そうな人たち・・・。
・・・あれ・・・もしかして・・・私・・・なんかマズイ・・・のかな・・・マズかった・・・?
頭が冷えて、冷静さが戻ってくると、怒りに任せて人を殴った事実が今更押し寄せてきた。
「ふは・・・どうしよう・・・めちゃくちゃ強いんだけど・・・(笑)」
奇妙な静寂を破った岐津さんの笑い声に、黒スーツの人たちが走り寄ってきて反論すらしなくなった黒木をあっという間に連れて行ってしまった。
その場に残された私と岐津さん、ナツさんも、騒ぎが大きくなる前(もう手遅れかもしれないけど・・・)に、非常階段を使って1階まで駆け下り、車へと走った。
その途中もずっと2人は「こんなの想定外だ」と笑っているし、私は私で、妙な興奮状態があって、実はちょっとマズイ状態になっている右手に気づかなかった・・・。
「ッグファッ!」
怒りで頭の中が赤く染まった気がした。
握った右手、桜太がくれた腕時計を思い切り、黒木に叩き付ける。
「・・・写真・・・ありがとう。桜太といる時の自分があんなに幸せそうだと思わなかった・・・。それだけは感謝してあげる。でもね・・・・・・馬鹿にしないで。」
「・・・ッてめぇ・・・椎娜ぁぁぁ・・・!!!」
「うるさい、黙れ・・・。私が1人でどうにかしようとするのを、きっと桜太は喜ばない。桜太はそれをよしとしない。そんな・・・女を差し出して喜ぶような、力で支配して満足して、女を道具だと思ってるような・・・あんたみたいなクズじゃないの!!私の彼氏は!!!」
シーン・・・・・・と静まったフロアに、私の声の余韻だけが微妙に残り、ポカンとする岐津さん、ナツさん、黒スーツの怖そうな人たち・・・。
・・・あれ・・・もしかして・・・私・・・なんかマズイ・・・のかな・・・マズかった・・・?
頭が冷えて、冷静さが戻ってくると、怒りに任せて人を殴った事実が今更押し寄せてきた。
「ふは・・・どうしよう・・・めちゃくちゃ強いんだけど・・・(笑)」
奇妙な静寂を破った岐津さんの笑い声に、黒スーツの人たちが走り寄ってきて反論すらしなくなった黒木をあっという間に連れて行ってしまった。
その場に残された私と岐津さん、ナツさんも、騒ぎが大きくなる前(もう手遅れかもしれないけど・・・)に、非常階段を使って1階まで駆け下り、車へと走った。
その途中もずっと2人は「こんなの想定外だ」と笑っているし、私は私で、妙な興奮状態があって、実はちょっとマズイ状態になっている右手に気づかなかった・・・。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる