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9.エスパーガール
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ゴールデンウィークに入り、タイムカプセル探しの当日。
朝っぱらから、おれはマナトのテレパシーで起こされた。
【リキ、寝てたらごめん!
テレビ見たか⁉】
寝起きの頭に、ぐわんっと響く声。
うー、朝からなんだよ……。
【がっつり寝てた。
……テレビ? ちょい待って】
あくびをしつつリビングに向かうと、
カウンターキッチンから母さんが「あら、おはようリキくん」
とあいさつしてくれた。それに返しつつ、テレビに目を向ける。
テレビのテロップには、
「速報 宝石展 虹隕石ぬすまれる」
とあった。
は⁉ 虹隕石って……、ジュエルドラゴンのウロコだよな。
ぬすまれちまったのか⁉
テレビのアナウンサーによると、
虹隕石がぬすまれていることがわかったのは今朝。
いつもと同じように、警備員が特別展示室のとびらの鍵をあけた。
ここに虹隕石が展示してある。
そして、ここの鍵は、いつも閉館のあとしめて、
開館前にあけていたそうだ。
しかし、様子がおかしい。
床に、砕けたガラスがちらばっている。
あわてて入ってみると、展示用の強化ガラスのカバーが割られ、
中身の虹隕石がなくなっていたそうだ。
虹隕石のあった部屋の防犯カメラは、
犯人の姿を映す前に壊されてしまったんだとか。
それにしても、
なぜ、犯人は姿も映さずに防犯カメラを壊すことができたのか?
防犯カメラは四角い部屋の、それぞれのすみに四台設置されていた。
部屋の入口から中に入ったら、絶対にカメラに顔が映るはずだ。
壊すにしても、床から天井に取り付けられたカメラまでは距離がある。
脚立でもつかわなきゃ、手がカメラにとどかないそうだ。
ならば、投げ道具で壊したか?
それなら、カメラにはしっかりその道具が記録されているはずだ。
犯人は、カメラにいっさいの犯行の形跡をのこしていないのだ。
「特別展示室の鍵は壊されておらず、密室。
さしかも、カメラに犯人の姿はなし。
以上のことから、これを、以前わたしたちの番組で特集した、
あの盗賊団のしわざとみてる専門家もいます。
警察内では、その盗賊団たちのことを、
手品のように盗みをおこなうことから、
マジシャン・シーフと呼んでいるそうです」
あ、そうだ!
マジシャン・シーフ!
ひとりなのか、
それとも複数人で盗みをするのかもわかっていないナゾの盗賊。
でも、専門家は、複数人じゃないかってにらんでるって言ってたっけ。
テレビでは、
「この虹隕石、なんと五千億円以上の価値があるそうなんです」、
「盗まれた虹隕石は、
宝石展のために海外のとある方の個人所蔵のものをお借りして、
展示していたんですね」、
「日本の警備の甘さが指摘されそうです」と続けている。
【テレビ見たぞ。やべーな、マジシャン・シーフか……】
マナトに話しかける。返事はすぐにかえってきた。
【どうやってぬすんだんだろうな?】
【それこそ、魔法使いでもなきゃ無理じゃね?】
【いやいや、エスパーだったりして。
……って冗談はともかく、
オマエもだれかにとられないように気をつけろよ】
【了解。じゃ、おれメシ食うから。今日、よろしくな】
【あいよ】
会話を打ち切ると、ちょうど、
母さんがテーブルに朝ご飯がのったトレーをおいてくれた。
母さんはテレビを見て、「あらまぁ」とつぶやいた。
「五千億円だって。
すごいわねぇ。
リキくん、五千億円もってたら、何したい?」
「……貯金かな」
いや、もうもってます。とは、とても言えないよな。
朝っぱらから、おれはマナトのテレパシーで起こされた。
【リキ、寝てたらごめん!
テレビ見たか⁉】
寝起きの頭に、ぐわんっと響く声。
うー、朝からなんだよ……。
【がっつり寝てた。
……テレビ? ちょい待って】
あくびをしつつリビングに向かうと、
カウンターキッチンから母さんが「あら、おはようリキくん」
とあいさつしてくれた。それに返しつつ、テレビに目を向ける。
テレビのテロップには、
「速報 宝石展 虹隕石ぬすまれる」
とあった。
は⁉ 虹隕石って……、ジュエルドラゴンのウロコだよな。
ぬすまれちまったのか⁉
テレビのアナウンサーによると、
虹隕石がぬすまれていることがわかったのは今朝。
いつもと同じように、警備員が特別展示室のとびらの鍵をあけた。
ここに虹隕石が展示してある。
そして、ここの鍵は、いつも閉館のあとしめて、
開館前にあけていたそうだ。
しかし、様子がおかしい。
床に、砕けたガラスがちらばっている。
あわてて入ってみると、展示用の強化ガラスのカバーが割られ、
中身の虹隕石がなくなっていたそうだ。
虹隕石のあった部屋の防犯カメラは、
犯人の姿を映す前に壊されてしまったんだとか。
それにしても、
なぜ、犯人は姿も映さずに防犯カメラを壊すことができたのか?
防犯カメラは四角い部屋の、それぞれのすみに四台設置されていた。
部屋の入口から中に入ったら、絶対にカメラに顔が映るはずだ。
壊すにしても、床から天井に取り付けられたカメラまでは距離がある。
脚立でもつかわなきゃ、手がカメラにとどかないそうだ。
ならば、投げ道具で壊したか?
それなら、カメラにはしっかりその道具が記録されているはずだ。
犯人は、カメラにいっさいの犯行の形跡をのこしていないのだ。
「特別展示室の鍵は壊されておらず、密室。
さしかも、カメラに犯人の姿はなし。
以上のことから、これを、以前わたしたちの番組で特集した、
あの盗賊団のしわざとみてる専門家もいます。
警察内では、その盗賊団たちのことを、
手品のように盗みをおこなうことから、
マジシャン・シーフと呼んでいるそうです」
あ、そうだ!
マジシャン・シーフ!
ひとりなのか、
それとも複数人で盗みをするのかもわかっていないナゾの盗賊。
でも、専門家は、複数人じゃないかってにらんでるって言ってたっけ。
テレビでは、
「この虹隕石、なんと五千億円以上の価値があるそうなんです」、
「盗まれた虹隕石は、
宝石展のために海外のとある方の個人所蔵のものをお借りして、
展示していたんですね」、
「日本の警備の甘さが指摘されそうです」と続けている。
【テレビ見たぞ。やべーな、マジシャン・シーフか……】
マナトに話しかける。返事はすぐにかえってきた。
【どうやってぬすんだんだろうな?】
【それこそ、魔法使いでもなきゃ無理じゃね?】
【いやいや、エスパーだったりして。
……って冗談はともかく、
オマエもだれかにとられないように気をつけろよ】
【了解。じゃ、おれメシ食うから。今日、よろしくな】
【あいよ】
会話を打ち切ると、ちょうど、
母さんがテーブルに朝ご飯がのったトレーをおいてくれた。
母さんはテレビを見て、「あらまぁ」とつぶやいた。
「五千億円だって。
すごいわねぇ。
リキくん、五千億円もってたら、何したい?」
「……貯金かな」
いや、もうもってます。とは、とても言えないよな。
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