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8. 虹隕石とタイムカプセル探しのゆくえ
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「ただいまぁ」
「ただいまー」
時刻は夕方。
マナトが報告書を書き上げて、家に帰っていったあと。
疲れた様子で父さんと母さんが帰ってきた。
「リキく~ん、マナトくんの具合はどうだった?」
「あ、ウチで休んだらよくなったみたいで、さっき帰ってった」
「あら! よかったわ~」
母さんはホッとしたようだ。
ついでに、マナトが伝えておいてくれと言っていた、
サンドイッチのお礼を伝えると、
「うれしいわ。マナトくんは礼儀正しいわねぇ」とにこにこしていた。
「タイムカプセルはどうだった?」
笑顔だった母さんが、しゅんとした顔になる。
「それがね、見つからなかったの……」
「あー、そっか」
「残念だわー」
「……そうだよな」
さて、どのタイミングで、
「おれ、タイミングが埋められた場所知ってるよ」って言おう。
まてよ、それを伝えるということは、
あらかじめおれがタイムカプセルを探していたことがバレるわけで……。
そうすると、
「あらぁ! リキくん、探してくれてたの?
リキくんは本当に優しい子ねぇ」
みたいなことを母さんに言われそうだ。
父さんは、生温かい目でそれを見ているだろう。
それはなんかいやだ! 恥ずかしい!
「大丈夫だよ、母さん!
さっきも言ったけど、ここは、父さんにまかせておいてくれ!」
……え、父さん?
なんでこんな自信満々なんだ?
「実はな、父さんが担当してる番組で、
エスパー特集をするんだ」
「エスパー特集?」
エスパーな自分が言うのもなんだが、
うさんくさい特集だな……。
「そう!
そこで、番組に出てもらうエスパーに
タイムカプセルを探してもらおうと思って!
このゴールデンウィークに、約束をとりつけたんだ!」
父さんがブイサインをして、自慢げに笑う。
「あら~!
リキくん以外のエスパーが探してくれるの?
すご~い!」
……さて、この場合、心を読まなくてもわかる。
母さんは、本気で
「リキくんと同じエスパーだったら、
リキくんのお友だちになってくれないかしら?」
と考えているだろう。
父さんは……、こっちに向かって、めっちゃウインクしてくる。
これは、
「父さんの番組が失敗したらヤバイ!
リキヤ、そのエスパーがにせものだったら、
サポート頼むぞ!」のサインだ。
しょうがねーな。
まあ、どうせタイムカプセルの場所を教えるつもりだったんだ。
ソイツがへっぽこだったら、うまく誘導してやろう。
「ちなみに、いくつくらいのヤツなんだ?」
「おっ、リキヤ、興味深々だな!
オマエと同い年だよ。しかも、超カワイイ女の子だ!」
「へえ」
意外だ。
なんとなく、おじさんを想像してたのに。
おれ、予知能力はないんだよな。
もし、その女の子のエスパーがホンモノなら……、
どんな能力をもってるんだろう?
こうして、
ゴールデンウィークまでおれはソワソワしつつ、毎日を過ごしたのだった。
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