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extra61 漫画55話支援SS 二人の勇者が見る夢は
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人は競い合って高め合う。
個として群れとしてぶつかり合うからこそ技術も記録も更新される。
これはどの世界でも変わらない、変わるべきではないものだと私は思っている。
競争をするのだから、勿論勝者と敗者は存在する。
その境は、例えば頑張ったで賞、みたいなもので誤魔化すべきじゃなく一番と二番はきちんと扱いを変えるべきだ。
そうしてこそ、競争はきちんと機能するし高みも次々に拓かれていく。
世界は新しく、より良くなっていく筈。
結果、その実り、果実がもたらす恵みは頂点と比較するモノではなくとも社会の低層にまで流れ恩恵は巡る。
今や日本でほぼ全ての子が九年もの義務教育を受けられ、中学生がスマートフォンを持っているのが珍しくないように。ほんの百年、二百年前と比べてもとんでもない変化であり成果だと思う。
けれど。
敗者がやり直せないのでは、そもそも競争の意味が無い。
だから、私は戦争が嫌いだ。
死者はもうやり直す事が出来ないから。
戦争に至るまでにどれだけ最悪を回避する機会があったか、ヒューマンと魔族との戦争の歴史を見ても憂鬱な気分にさせられてきた。
私がリミア王国に呼ばれた時点で、この戦争は最早泥沼になっていた。
相手を滅ぼすという結末を一般人でさえ当然に願い、どれだけの血の果てに決着がなるのかまるで見当がつかず。
そして和平など……夢のまた夢。
勇者という特別な立場を持っていても戦争の方針にまでいきなり口出し出来る訳も無くて、私も剣を取り命を奪い、殺気や殺意を浴びる事も日常になっていた、と思う。
私が奪う命も、私の為に無くなっていく命もどこか客観的に見つめられるようになってきた、とも思う。
でもコレはまったく異質なものだった。
私は私が日本でしていた様に常に目の前の事に、想定される次の状況に全力を尽くしてきた。
反感もあるし時に相手の立場や夢を奪う事もあったけど。
それもまた仕方ない事だと思ってきた。
少なくとも国内の内政事情や近隣国の外交で致命傷を与えるような苛烈な判断はまだほんの少ししかしていなかったし、相手にも再起の機会は残してきた。
普通に考えて、やるべき事は全てやり切った。
だからせめて最悪は避けられるだろう。
どこかで、心の片隅のどこかで私は……思っていたんだ。
この私が全力でやって、突破口がない問題なんて存在しないと。
甘かった。
魔族の将軍は途轍もない強さで、初めて挫折を味わったあの黒い蜘蛛よりも絶望的な差をまざまざと見せつけられた。今全力で対策してもあの巨人に勝てる気がしない。
そして私は、この世界で初めての親友ナバールを……自分の甘さで死なせた。
辛い。
悲しい。
苦しい。
仲間が死ねば当然の感情で、予想も出来ていたのに、全く頭で処理できない。
これは容易に覚悟できるような代物じゃない、覚悟しても耐えられるのかもわからない。
向き合い方がまったくわからない、最悪の感情と最悪の気分。
「こういう現実を変えて何が何でも勝利をもぎ取るのが勇者、なんでしょうね……」
何もできなかった私は未だ勇者と呼ばれ続けている。
全力なんて計算せず、遮二無二やるべきだったんだろうか。
オーバーワークで肝心な時に冷静な判断が出来なくなりそうで避けていた選択だ。
でももしその先の未来ではナバールが生きていてくれたのだとしたら……すべきだった。
もっと彼女と話をするべきだった。
あんな危険で死を確実にするような切り札を用意させてしまう前に。
……そしたら、あそこで全滅してるのか。
ハハ……駄目じゃない。
帝国の勇者との共闘をもっと積極的にするべきだった?
あの子とは基本的な考え方も相容れない所があるし、上手くいったとも思えない。
けれど、もしその結果ナバールが……死なずにいてくれたなら……私は……!
信念すらもかなぐり捨てて得るものにも、価値はあるのかな。
……わからない。
駄目だ。
あまり記憶が定かではないけど、既に戦いは終わり王都に戻ったというのに。
朝陽が差し込んできても、動く気になれない。
眠るのも、嫌だ。
夢で彼女に会ってしまうのが、怖い。
何もできなかった。
ああ……クソ。
結局はあの、女神が呼んだ誰かのおかげで王都も守られ、私たちもまだ生きている。
戦略でも戦術でも私たちは魔族に完敗したんだ。
「イ……オ」
目に焼き付けた仇。
それももう、ナバールが葬ってしまった。
行き場のない気持ちの悪い感情の渦が、魔族という種族全体に吸い込まれていくのがわかる。
どうにもならない。
これは間違ってると頭ではわかるのに止められない。
こうして、私もいずれ魔族を当たり前に憎むようになっていくのか。
あ、まずい。
今になって、強烈な眠気が全身を覆ってくる。
眠りたくない、のに。
意識が肉体から離れていく感覚が憎らしい。
眠ってしまう……お願いだから夢は見せないで欲しい。
全身から力が抜けていく、こんな時でも少しだけ心地良い感覚を私は恨めしく思った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
俺の装備は、はっきりいって重装備だ。
だから全ての武装を脱ぐとかなり爽快な気分になれる。
正直に言えばもう少しスマートにまとめたい所だけど、俺の強みの一つは強力な装備の力を十全に引き出せる事にある。
せめて脱着時のひと時を楽しみにする位で納得すべきとこだろう。
それに戦争なんてのは決して面白いもんじゃない。
人が大勢集まって相手を殺しまくるんだ。
出来れば戦場になんて立ちたくもない。
でもそれは駄目だ。
俺は勇者としてこの国に、グリトニア帝国に必要とされている。
冗談でも何でもなく救国の英雄として期待されているんだ。
その他大勢の中にいる俺じゃない、唯一人勇者としての俺を。
「あの巨人、イオとか。何だよアレ、ヤバイだろ」
ほんの小さな声で呟きが漏れる。
あの戦場からの帰還から一日。
ふと目が覚めた俺はあの配線を思い返していた。
飛竜の背から見た魔将、一撃浴びせてやったが相当ヤバイ相手だった。
力の底まで見えた訳でもないのに、明らかに勝てない。
攻撃力はともかく、防御力と技量がどうかしていた。
あんなのと何が起こるかわからない戦場で戦うなんて……あり得ない。
響は戦う気でいたけど、勝つ気でいたならあいつは馬鹿だ。
自己犠牲で残ったのなら、もっと馬鹿だ。
俺たちは勇者だ。
代わりの利かない、特別な人間なんだって事がわかっていたらあんな真似は出来ない。
良くてパーティの誰かが死んで敗走、悪くて響はあそこで死ぬ。
「馬鹿が。こっちの負担が重くなるだけで誰もが損をするだけ、算数も出来ないのかよ」
例え兵士が死んだとしても彼らは誰かが代わりを務める事が出来る。
けど……。
俺の左右で寝てるリリとギネビアを見る。
グリトニア帝国の皇女なのに何よりも俺の為に頑張ってくれるリリ。
本来なら皇族を守る為に帝都を離れる事なんてないロイヤルガードなのにパーティ入りしてくれた騎士ギネビア。
改めて、彼女たちの肌の温もりを感じる。
パーティの仲間はそう簡単に代わりなんていないんだ。
そりゃ、兵士にだって家族はいるさ。
ギネビアは騎士だし帝国貴族として実家は領地を持つご令嬢だ。
今回の戦いに駆り出された兵士にはきっと彼女の知り合いや友人だっていただろうし、もしかしたら不幸にも死んでしまったかもしれない。
俺だってギネビアの友達だってわかってたら、助けられるものなら助けてやりたい。
でも、それで俺が重傷を負ったりしたら元も子もないんだ。
俺は帝国の勇者だから。
俺が生きて戦場に立って、魔族を蹴散らすから皆は安心できる。
魔族が攻めてきても俺がいるから帝国は負けないと希望を持てるんだ。
今はまだ帝国内でしかそこまでの効果は無いけど、やがてそれは帝国からヒューマンへと変わっていく。
いかせる。
俺たち勇者って旗が落ちたり汚れたり傷ついたりするのは誰にも……いや仲間以外には見せちゃいけないと思う。
それくらいの覚悟がなくて名乗れるものじゃない。
そうだ。
今回は向こうの作戦勝ちだったのは認めて、次こそ圧倒的な力で勝てばいい。
俺が、希望になる。
誰もが縋り、支えたくなる旗になるんだ。
勇者としてじゃなく岩橋智樹として、弱みを晒してしまってもリリは俺を受け入れてくれた。
仲間だって沢山出来てきた。
俺自身が完璧に生きるだけじゃなく、皆の期待にも応えてやらなきゃ……。
魔族どもを蹴散らして、帝国をヒューマン一の大国にする。
戦争なんかさっさと終わらせて、俺も皆も幸せに暮らせる国を……!
「次会ったら丸焼きにしてやるからな、魔将……!」
四つ腕の巨人の姿を思い浮かべると、闘志が湧いてくる。
次までにレベルをもっと上げて、装備も充実させて。
初めての大規模作戦、王国との足並みが揃わなかったり向こうの勇者がバトルジャンキー風だったりしてイレギュラーも多かった。
でも、ここは剣と魔法の幻想世界。
レベルをとことん上げてレア装備と仲間をひたすら集めていけば、後は戦争だろうが魔王だろうが全力でぶん殴るだけで解決する。
やるさ、今度こそ。
戻ってきた睡魔に身を委ねながら俺は密かに決意する。
もう、あの頃の俺じゃあ……ないんだから……。
個として群れとしてぶつかり合うからこそ技術も記録も更新される。
これはどの世界でも変わらない、変わるべきではないものだと私は思っている。
競争をするのだから、勿論勝者と敗者は存在する。
その境は、例えば頑張ったで賞、みたいなもので誤魔化すべきじゃなく一番と二番はきちんと扱いを変えるべきだ。
そうしてこそ、競争はきちんと機能するし高みも次々に拓かれていく。
世界は新しく、より良くなっていく筈。
結果、その実り、果実がもたらす恵みは頂点と比較するモノではなくとも社会の低層にまで流れ恩恵は巡る。
今や日本でほぼ全ての子が九年もの義務教育を受けられ、中学生がスマートフォンを持っているのが珍しくないように。ほんの百年、二百年前と比べてもとんでもない変化であり成果だと思う。
けれど。
敗者がやり直せないのでは、そもそも競争の意味が無い。
だから、私は戦争が嫌いだ。
死者はもうやり直す事が出来ないから。
戦争に至るまでにどれだけ最悪を回避する機会があったか、ヒューマンと魔族との戦争の歴史を見ても憂鬱な気分にさせられてきた。
私がリミア王国に呼ばれた時点で、この戦争は最早泥沼になっていた。
相手を滅ぼすという結末を一般人でさえ当然に願い、どれだけの血の果てに決着がなるのかまるで見当がつかず。
そして和平など……夢のまた夢。
勇者という特別な立場を持っていても戦争の方針にまでいきなり口出し出来る訳も無くて、私も剣を取り命を奪い、殺気や殺意を浴びる事も日常になっていた、と思う。
私が奪う命も、私の為に無くなっていく命もどこか客観的に見つめられるようになってきた、とも思う。
でもコレはまったく異質なものだった。
私は私が日本でしていた様に常に目の前の事に、想定される次の状況に全力を尽くしてきた。
反感もあるし時に相手の立場や夢を奪う事もあったけど。
それもまた仕方ない事だと思ってきた。
少なくとも国内の内政事情や近隣国の外交で致命傷を与えるような苛烈な判断はまだほんの少ししかしていなかったし、相手にも再起の機会は残してきた。
普通に考えて、やるべき事は全てやり切った。
だからせめて最悪は避けられるだろう。
どこかで、心の片隅のどこかで私は……思っていたんだ。
この私が全力でやって、突破口がない問題なんて存在しないと。
甘かった。
魔族の将軍は途轍もない強さで、初めて挫折を味わったあの黒い蜘蛛よりも絶望的な差をまざまざと見せつけられた。今全力で対策してもあの巨人に勝てる気がしない。
そして私は、この世界で初めての親友ナバールを……自分の甘さで死なせた。
辛い。
悲しい。
苦しい。
仲間が死ねば当然の感情で、予想も出来ていたのに、全く頭で処理できない。
これは容易に覚悟できるような代物じゃない、覚悟しても耐えられるのかもわからない。
向き合い方がまったくわからない、最悪の感情と最悪の気分。
「こういう現実を変えて何が何でも勝利をもぎ取るのが勇者、なんでしょうね……」
何もできなかった私は未だ勇者と呼ばれ続けている。
全力なんて計算せず、遮二無二やるべきだったんだろうか。
オーバーワークで肝心な時に冷静な判断が出来なくなりそうで避けていた選択だ。
でももしその先の未来ではナバールが生きていてくれたのだとしたら……すべきだった。
もっと彼女と話をするべきだった。
あんな危険で死を確実にするような切り札を用意させてしまう前に。
……そしたら、あそこで全滅してるのか。
ハハ……駄目じゃない。
帝国の勇者との共闘をもっと積極的にするべきだった?
あの子とは基本的な考え方も相容れない所があるし、上手くいったとも思えない。
けれど、もしその結果ナバールが……死なずにいてくれたなら……私は……!
信念すらもかなぐり捨てて得るものにも、価値はあるのかな。
……わからない。
駄目だ。
あまり記憶が定かではないけど、既に戦いは終わり王都に戻ったというのに。
朝陽が差し込んできても、動く気になれない。
眠るのも、嫌だ。
夢で彼女に会ってしまうのが、怖い。
何もできなかった。
ああ……クソ。
結局はあの、女神が呼んだ誰かのおかげで王都も守られ、私たちもまだ生きている。
戦略でも戦術でも私たちは魔族に完敗したんだ。
「イ……オ」
目に焼き付けた仇。
それももう、ナバールが葬ってしまった。
行き場のない気持ちの悪い感情の渦が、魔族という種族全体に吸い込まれていくのがわかる。
どうにもならない。
これは間違ってると頭ではわかるのに止められない。
こうして、私もいずれ魔族を当たり前に憎むようになっていくのか。
あ、まずい。
今になって、強烈な眠気が全身を覆ってくる。
眠りたくない、のに。
意識が肉体から離れていく感覚が憎らしい。
眠ってしまう……お願いだから夢は見せないで欲しい。
全身から力が抜けていく、こんな時でも少しだけ心地良い感覚を私は恨めしく思った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
俺の装備は、はっきりいって重装備だ。
だから全ての武装を脱ぐとかなり爽快な気分になれる。
正直に言えばもう少しスマートにまとめたい所だけど、俺の強みの一つは強力な装備の力を十全に引き出せる事にある。
せめて脱着時のひと時を楽しみにする位で納得すべきとこだろう。
それに戦争なんてのは決して面白いもんじゃない。
人が大勢集まって相手を殺しまくるんだ。
出来れば戦場になんて立ちたくもない。
でもそれは駄目だ。
俺は勇者としてこの国に、グリトニア帝国に必要とされている。
冗談でも何でもなく救国の英雄として期待されているんだ。
その他大勢の中にいる俺じゃない、唯一人勇者としての俺を。
「あの巨人、イオとか。何だよアレ、ヤバイだろ」
ほんの小さな声で呟きが漏れる。
あの戦場からの帰還から一日。
ふと目が覚めた俺はあの配線を思い返していた。
飛竜の背から見た魔将、一撃浴びせてやったが相当ヤバイ相手だった。
力の底まで見えた訳でもないのに、明らかに勝てない。
攻撃力はともかく、防御力と技量がどうかしていた。
あんなのと何が起こるかわからない戦場で戦うなんて……あり得ない。
響は戦う気でいたけど、勝つ気でいたならあいつは馬鹿だ。
自己犠牲で残ったのなら、もっと馬鹿だ。
俺たちは勇者だ。
代わりの利かない、特別な人間なんだって事がわかっていたらあんな真似は出来ない。
良くてパーティの誰かが死んで敗走、悪くて響はあそこで死ぬ。
「馬鹿が。こっちの負担が重くなるだけで誰もが損をするだけ、算数も出来ないのかよ」
例え兵士が死んだとしても彼らは誰かが代わりを務める事が出来る。
けど……。
俺の左右で寝てるリリとギネビアを見る。
グリトニア帝国の皇女なのに何よりも俺の為に頑張ってくれるリリ。
本来なら皇族を守る為に帝都を離れる事なんてないロイヤルガードなのにパーティ入りしてくれた騎士ギネビア。
改めて、彼女たちの肌の温もりを感じる。
パーティの仲間はそう簡単に代わりなんていないんだ。
そりゃ、兵士にだって家族はいるさ。
ギネビアは騎士だし帝国貴族として実家は領地を持つご令嬢だ。
今回の戦いに駆り出された兵士にはきっと彼女の知り合いや友人だっていただろうし、もしかしたら不幸にも死んでしまったかもしれない。
俺だってギネビアの友達だってわかってたら、助けられるものなら助けてやりたい。
でも、それで俺が重傷を負ったりしたら元も子もないんだ。
俺は帝国の勇者だから。
俺が生きて戦場に立って、魔族を蹴散らすから皆は安心できる。
魔族が攻めてきても俺がいるから帝国は負けないと希望を持てるんだ。
今はまだ帝国内でしかそこまでの効果は無いけど、やがてそれは帝国からヒューマンへと変わっていく。
いかせる。
俺たち勇者って旗が落ちたり汚れたり傷ついたりするのは誰にも……いや仲間以外には見せちゃいけないと思う。
それくらいの覚悟がなくて名乗れるものじゃない。
そうだ。
今回は向こうの作戦勝ちだったのは認めて、次こそ圧倒的な力で勝てばいい。
俺が、希望になる。
誰もが縋り、支えたくなる旗になるんだ。
勇者としてじゃなく岩橋智樹として、弱みを晒してしまってもリリは俺を受け入れてくれた。
仲間だって沢山出来てきた。
俺自身が完璧に生きるだけじゃなく、皆の期待にも応えてやらなきゃ……。
魔族どもを蹴散らして、帝国をヒューマン一の大国にする。
戦争なんかさっさと終わらせて、俺も皆も幸せに暮らせる国を……!
「次会ったら丸焼きにしてやるからな、魔将……!」
四つ腕の巨人の姿を思い浮かべると、闘志が湧いてくる。
次までにレベルをもっと上げて、装備も充実させて。
初めての大規模作戦、王国との足並みが揃わなかったり向こうの勇者がバトルジャンキー風だったりしてイレギュラーも多かった。
でも、ここは剣と魔法の幻想世界。
レベルをとことん上げてレア装備と仲間をひたすら集めていけば、後は戦争だろうが魔王だろうが全力でぶん殴るだけで解決する。
やるさ、今度こそ。
戻ってきた睡魔に身を委ねながら俺は密かに決意する。
もう、あの頃の俺じゃあ……ないんだから……。
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