月が導く異世界道中extra

あずみ 圭

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extra62  澪の果てしない道のり

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「待て、澪。今なんと言った?」

「? まずはカレーというのを作ってみます、と」

「……」

「何ですか、巴さん。言いたい事があるならはっきり言ったらどうです」

 永遠と極限の飢えから解放された澪。
 真に仕える従者として彼を手に入れた(と澪は概ね考えている)訳だが、そんな満たされた彼女に更なる革命が訪れたのはついさっきの事だ。
 同じく真に仕える従者仲間である巴から料理を己が手で作るという天才的な提案を告げられた。
 見つけた物を食う、その当たり前で不変だと思っていた澪が彼女なりの常識を破壊された瞬間である。
 自分で作れば理想的な味の理想的な食べ物を常に食べる事が出来る。
 澪にとって食べ歩きは楽しく、また主である真の好みにより近い物を探すのも楽しくもあったが、同時にぴったりとハマる食べ物がそれほど容易く見つかる訳でもないのだと思い知らされてもいた。
 しかし作るとなれば、だ。
 どんな味付けも思いのまま。
 この世界において明らかな強者である澪にとって、調達できない食材などまず思いつかない。
 自分も満足し真の胃袋も雁字搦め。
 澪にとって紛れもなく天啓、パーフェクトプランだった。
 ……過程の全てを吹き飛ばしてどんな味付けのどんな料理も作れる気になっている事以外は。
 巴からすれば別に自分がするでもなし、澪が料理に傾倒しようと特に困る事など見当たらない。
 むしろ食材だの料理だのといった領域の仕事を、これを口実に澪に投げられるなら御の字だと思っていた。
 澪が最初に取り掛かろうとその場で発言した内容がカレーと餃子、ラーメンだった時までは。
 全て日本の家庭で出される料理の名前だった。
 間違いなく真の記憶が出処だろう。
 澪はこの世界の料理すら知らず包丁も握った事がない。
 なのに彼女はいきなり異世界の料理に挑もうとしていた。
 惨事が目に見えていた。
 それも大惨事だ。
 たまらず巴が無謀極まりない挑戦を止めに入ったのは当然の事と言える。

「澪や、お前はまだ料理のりの字も知らんじゃろ? 物事には順序がある。若の世界の料理はそれなりに飯を作ってきた亜空の民ですら再現が難しい。しかし異世界の料理なんじゃから当然の事、わかるな?」

「?」

 可愛らしく首を傾げる澪。
 本当に巴の言っている事がわかっていないからこそできる、無邪気で悪気の欠片もない……ただただ不思議に思っているお顔である。

「嘘じゃろ」

 喧嘩を売られているのではなく、本気と書いてマジな澪の様子に巴は思わず言葉を失う。
 彼女は時代劇が好きで好きで好きで好きで好きで……最早幾つの好きを重ねれば想いに追いつくかわからない程に大好きなのだが、それでも今自分が刀で殺陣たての様な見事な大立ち回りが出来るかと問われれば謙虚にまだまだそこまでの事は出来ん、と答える。
 だが澪は違った。
 出来ると信じて疑っていない。
 
「若様の記憶にあった手順でやるだけでしょう? 似た食材で真似をすればそれなりにやれますわ」

「……いや、見た目だけでどう味を真似る気なんじゃ?」

「ふふふ、おかしな事を」

「??」

「よく似た野菜や肉を使って見た目を同じようにしたら味もそうなりますわ。同じカタチですもの」

「なるか!」

「でも……料理というのは生き物の死骸を切ったり焼いたり油で揚げたり、後は混ぜたり? 要はそういうものでしょう? なら味は塩? とかの量の加減で何とでも。巴さんは難しく考えすぎです」

「……」

 この瞬間。
 巴は限界まで引き上げた瞬発力で自らの思考を引きずり回した。
 自分と、それから主人である真の舌と胃だけは死守せねばならんと決死の覚悟で考え抜いた。
 彼女の思考は澪に料理を諦めさせるルートから始まり、最終的に澪にどうやって今の実力を自覚してもらうかに決着した。

「では食材を探しに行ってきますね」

「待て」

「……もう、何ですか」

「亜空には今それなりの種族がおる。オークにリザードマン、アルケーにヒューマンの出入りも少しはある」

 ヒューマンについては少しは、というより一人だ。
 巴が密偵として鍛えている元冒険者のライム=ラテだけ。

「それが?」

「まずはお前の自信作を、各種族の好き嫌いの少ないのを見繕って味見してもらう。若の口に入る物じゃ、万事に気を付けねばならん。無論……うむ。お前の腕を疑っておる訳ではないし、お主自身の味見も信じてはおるよ。だが一応な」

「味見?」

 また……澪が可愛らしく首を傾げた。
 既に巴にとってその仕草は得体の知れない恐ろしいナニカにしか見えていないが。
 味見、という言葉は料理をする者にとって首を傾げる単語では断じてない。

「ともかく! いきなり何品も作るのは大変じゃろうから! まずは一品だけ、何か作ってみよ。ほんの十人前もあれば良かろう。……あー、普段の皆の料理の一人前を十個くらいじゃ、わかるな?」

 澪基準で持ってこられたら十人前でとんでもない事になりかねない。
 巴は量についても一応釘を刺したうえで真の口に入る前の防波堤を築いた。
 残念ながらその堤防は決壊がほぼ確定しているが、巴は真と自分にさえ届かなければひとまずは良しとした。

「……わかりました。折角ですもの、若様に召し上がって頂く前に感想を聞くのも悪くありません。万が一美味しく出来ていなかったらお出しできませんものね」

「うむ。うむ! そうじゃろ。わかってくれて良かった」

「では行ってきますね」

「気を付けてな。ゆっくり吟味してきて良いからの!」

 澪が意気揚々と外に出ていった。
 行き先は普通に考えれば畑や、森だろうが。
 もしかしたら亜空から荒野に出ていくかもしれない。
 流石に一応異世界の料理を再現しようというのなら可能性は亜空にあるのは明白。
 澪もまさか荒野に出る事は無いだろうが……と巴は頭を抱える。
 迂闊な事を言ってしまったと。
 
「ひとまず、オークとリザードマンから何人か、それから……エルドワと……アルケーを一人じゃろ。それにライムか。あれなら若と味覚も近かろうし……」

 人柱の選定を始める巴。
 最悪自分も一口は食べなくてはいけないか、と半ば覚悟を決めながら。
 澪が初めて作る記念すべき料理を口にする、世にも幸運な者たちが決まっていった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 予想を遥かに超えた一皿がそこにあった。
 
(一応、若にカレーはどんな料理か聞いてはみたものの。炊いた米にスパイスが効いた辛い餡状のものをかけた肉も野菜も美味しく食べられる料理だと。正直説明されても幅が広すぎて正解などさっぱりわからぬ。若と……味覚が近そうなヒューマンのどれかに近く記憶を味覚ごと叩き込んで覚えさせた上で再現させるしかあるまいな。料理嗜んでいるので十人かそこら試せば一人くらいは正気のままでいられようし……)

 巴はカレーに多少の興味は惹かれていた。
 だからこそ審査の意味でも必要だったから真に詳細を聞いてみた。
 それとなく探りを入れてみたが、当然の様に澪は真にカレーについて何も質問していなかった。

「澪? カレー? 何の事?」

 今日という日を絶望に染めた真の返答だ。
 もう準備は万全だ。
 澪は分量は間違える事なくきちんと人数分のカレー?を仕上げて、明らかに細かく蠢いている大量の白いナニカの上に茶色の餡状のナニカを掛けて並べた。
 何故か途中でゴトッ、キンッと甲高い音も聞こえる始末。
 試食人に言葉は無い。
 食べ物を前にした明るい感情は一切感じられない。
 戸惑いと不安、それに恐怖が満ちていた。
 巴ですら絶句する有様で、試食人いけにえたちには後で手厚く報いなければと思う程の惨状。
 話が違うよ、という悲しい視線に顔を背けながら巴は天井の隅っこの方を見つめていた。

「これは若様の好物の一つ、カレーライスという料理です。若様にお出しする物ですがまずお前たちに味見というのをしてもらう事にしました。良く味わって遠慮なく感想を寄越しなさいな。さ、召し上がれ」

 鉱物?
 若様……あ。
 これを召し上がるの?
 茶色の中に輝くキラキラした物を見つめて明らかに料理に入る物体じゃないものを見つけてしまった者。
 若様、という言葉でこれが味見でも毒見でもなく彼を何とか守る為に緊急策であり、自分が生贄なのだと全てを悟ってしまった者。
 召し上がれと言われても体も心も全く動いてくれないんですが、本当に食べても生きていられるのかと心底疑っている者。
 誰も動けない。
 ニコニコしているのは澪だけである。
 
「……コホン」

『!』

 巴がわざとらしく咳払いを一つ。
 試食を引き受けた哀れな羊たちは意を決するしかない事を悟った。
 そして、動く。
 最初に震える手で薄切りになった野菜と餡、白いナニカをスプーンで掬ったのはエルダードワーフ。
 特に巴に恩義を感じているベレンだった。

「重!? い、いや……! 澪様! 頂きます!!」

「ええ、どうぞ」

「ぐぼらえっ!! が……は、これ、は、ぶふっ」

 金気、生臭さ、多分決して生では食べないだろう蠢くモノ。
 そして臭気。薬品の様な甘さ。

「映像から判断して緑のはきっと宝石だと思ったんです。ですから緑色の良さそうなのを選んで薄切りにしたんですよ。柔らかくするのに苦労しました」

「まさ、か。ソフトエメラルドを飯に……っ!? 荒野でも滅多に見掛けない鉱石なのに……」

 もはや椅子から崩れ落ち言葉を発する気力もないベレンに代わってライムが解説を担う。
 スプーンで掬ってみると緑色のは確かに野菜にあるまじき重さがあり、キラキラと輝いている。
 とてもレアな鉱石であり、言わずとも明白だが食材ではない。
 ライムは横から聞こえてくる苦悶の声に耳を塞ぎたくなる。
 何と言う事だ、誰一人として二口目にすらいけていない。
 まずい飯でも愛情や親愛、或いは忠誠から完食するなんて話はよく聞くものだ。
 今回などはまさにそういった舞台であり、色々な種族がそれなりに覚悟を決めて料理を口にしたというのに。
 澪とは関係の深いアルケーですら多めの一口で痙攣している。
 そしてあまりにも理不尽な事にその惨状が拡大していくにつれて澪の機嫌が悪くなっていくのだ。
 一瞬の解説で出遅れてしまった事を心底悔いるライム=ラテ。
 もう残っているのはヒューマンの自分だけなのだ。
 
(拾ってもらった恩がある。鍛えてもらってる恩もある! 俺は、ここですみませんなんて言う為に試食を引き受けた訳じゃねえ! 巴の姐さんに恥をかかせられるか!!)

 などと己を奮い立たせるライム。
 実は毎回半殺しにされる鍛錬に心折れかけていた所に不気味に優しい巴から休養日として食事の誘いがあったから全力で飛び乗っただけなのだが、ここはもうそんな現実に戻ってやり過ごせる状況ではない。
 口にソレを運ぶという行為を肯定する為ならどんな屁理屈だって構わないのだ。

「いた、だきます!!」

 片手に皿を、片手にスプーンを。
 おとこライムは覚悟を決めた。
 止めるんだ、と震える手を彼に伸ばす倒れ伏す同志たちを横目にライムは澪のカレーライスを一気にかっこんだ。
 数秒で白目を剥いたライムが勢いのまま椅子ごと背後に倒れていく。
 彼は意識が途切れる直前、自分に向けて片手ですまんとジェスチャーを作った巴を見た。
 喉も食道も入ってきた物を食べ物とは認識してくれず、逆流していく。
 それでも上司の期待に初めて応えられた気がして、ほんの少しだけ。
 ライムは嬉しかった。

「……不愉快です」

「現実を見よ。色々な種族から好き嫌いが極力ない者ばかりを集めて食べさせてみた結果がコレじゃ」

「巴さんの仕込みなんじゃありません?」

 ジト目で巴を睨む澪。
 全員がテーブルから脱落して倒れている様子を見ても、納得がいっていない様子だ。

「……ならば自分で食べてみよ。味見、じゃよ。料理人はその出来を確かめる為に本来であれば客に饗する前に味を確かめるもんじゃろ」

「んむ……ん。確かに思った程美味しくありません」

「……食うんか。そうか、そうじゃの。お前にとってはこの世の全てが食材じゃもんな」

 巴が説教のつもりで試食を勧めると澪は素直にカレーを食し、そして普通に感想を述べた。
 包丁を持つという所からではなく、食材かどうかの選別から必要になるとは中々に恐ろしい料理人の道のりである。

「でも……食べられないほどですか? こんなに悶絶するくらい?」

「澪……ここにおる種族は基本的にな」

「?」

「鉱物は食べぬ。というよりも食べられぬ」

「な、なんですって!?」

「ついでに砂とかもな」

「!?」

「当然、若もじゃ」

「!?!? そ、そんな……若様はご冗談を仰ってたんじゃなく……本当に遺跡は食べた事が、無い?」

「言うまでもない」

 よろめく澪。
 彼女にとってはかなり衝撃的な事実であった。
 好んで食べないという意味か、または冗談めかして言っていたのだろうと思っていた事が本当の事だったのだから無理もない。
 巴は真が将来的に未発掘のレアな遺跡にデザートビュッフェに誘われる感覚で澪に連れ出される悲劇を未然に防いだ。密かなファインプレーである。

「のう、澪」

「……なんです。私、今凄くショックなんですけど」

「ここにパンがある」

 巴が懐から取り出したのはバターロールほどの小さめのパンだ。

「……」

「これをな、ほれエマなどが朝食時に出してくれるように軽く焼き目をつけて持って来てくれぬか」

「は? そんなの火で炙るだけでしょう?」

「簡単か?」

「当然です!」

「では頼む」

「ふん!」

 あまりよろしくない雰囲気の中、澪は巴の手からパンをひったくって厨房に消える。
 本当なら最初からこう出来れば良かったが、実際に惨劇を目にしなければ澪のあの無駄にそびえたった自信はヒビ一つ入らなかっただろう。
 どちらにせよ、真にあのカレーを冒涜する兵器を食べさせる訳にはいかなかったというのもある。
 まあ子どもががままごとで作る料理よりはまともだろうと思っていたら、出てきた物は巴の予想の斜め上にままごとを突き抜けてしまっていた。
 悲しい悲劇だった。
 
「わきゃーーー!! どうしてーー!?」

 厨房から響いたのは巴の予想通りのもの。

「やはり、パンも焼けんか。儂でもその程度はもう出来るというのに」

 エマに教わって十個ほどでマスターした、という前置きは付くが。
 
「ちょっと巴さん! このパン燃えたんですけど! どうなってるんですか!?」

 真っ黒くなり火がちろちろと舌を出したままのパンを掴んだ澪が駆け込んでくる。
 当事者以外には微笑ましい話だが、ここから澪の料理人としての第一歩が始まった。
 亜空の料理経験者やツィーゲの名だたる料理人たち。
 時には暗殺者風味の給仕少女も巻き込んだりもしながら……澪は少しずつ料理を覚えていく。
 澪の頑張りました、という言葉には真が想像するよりも遥かに恐ろしい過程が絡んでいたことを、彼は知らない。
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