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番外編《酒は飲んでも――……?》
03
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「エラン、こっちおいで」
「ん……っ」
エランがぎゅっとルチアの身体にしがみつく。
どうして自分を責める相手に、こんな風に甘えるように寄りかかってくるのか。
「るちあ……るちあぁ」
舌ったらずに名前を呼ぶ声を聞くと、最初の見世物のときのことを思い出す。
あの日、名前を呼ばれたときに感じた衝撃。
エランのことを最初に強く意識したのはあのときだ。いや、惹かれたのはもう少し前だったかもしれない。
だがエランとこんな関係になるとは、あのときは全く想像もしていなかった。
自分が誰かに対し、こんなにも愛しいという感情を抱くようになるなんてこともだ。
「エラン、愛してる――」
今のエランは酒に酔っているから忘れてしまうかもしれないが、どうしても言いたくなった。
エランに巻きつけた触手と腕にぎゅっと力を込めて抱きしめる。
「るちあ、おれも――、あぁッ」
その後の言葉は続かなかった。
ルチアが再び抽挿を開始したからだ。
一緒に尿道の触手も動かす。ぐちゅぐちゅと苛めた後、頃合いを見計らってずるりと一気に尿道の触手を引き抜いた。
「ッ、ひぁあ゛あ――!」
エランの陰茎から白濁があふれた。
先ほども出した後なので量はそれほど多くない。達するのに合わせて、エランの中が大きく収縮した。
搾り取るような動きに、ルチアもエランの中で達する。
ほとばしる魔力を感じたのだろう。エランが、ぎゅっと強い力でルチアに抱きついてきた。背中に爪を立て、堪えられなかった声を漏らす。
しばらくすると、今度は一気に身体から力が抜けたようだった。
触手ではなく両腕でエランの身体を支えてやる。顔を覗き込むと、その瞼は閉じられていた。失神してしまったようだ。
意識を失ってもひくひくと身体は揺れている。
最奥に魔力を注ぎ込みながら、ルチアはエランの額に優しく口づけを落とした。
◇
次の日、目を覚ますと隣にエランの姿はなかった。
あんなに酔うほど酒を飲み、乱れた次の日でも、朝の鍛錬の時間にはきっちり目が覚めるのだからすごい。
寝室から出ると、短剣が風を切る音が聞こえた。
少し扉の隙間が開いているのは、ルチアが部屋の中を覗きやすいようにだ。
「起きたのか」
隙間から顔を覗かせると、エランが鍛錬の動きを途中で止めた。
いつもなら気にせず続けるのに、今日はどうしたのだろう。やはり昨日のことで少し調子が悪いのだろうか。
エランはホルスターに短剣を戻しながら、ルチアの立つ扉のほうへと近づいてくる。
ぐいっと袖で汗を拭った後、じっとルチアの顔を見上げてきた。
朝の光に照らされて、黒い瞳の中の金色がきらめている。エランの目にも自分の中の同じ金色が見えているのだろうか。そんなことを考えながらルチアもエランを見つめ返した。
「――俺も、」
「ん?」
「俺も、同じ気持ちだから」
エランはそう早口で告げると、ぐるりと身体を反転させ部屋の中へと戻っていった。
その耳が真っ赤になっているのが見える。
――え、え? 今のって、もしかして?
「エラン? ……君、もしかして、昨日のこと覚えて……?」
あれだけ酔っていたのだから忘れていると思っていた。
違うのだろうか。
だとしたら、さっきの返事は――、
ぶわりと身体中の熱が高まった。
その場にしゃがみ込んだルチアの顔は、さっきのエランの耳よりも赤くなっている。
「……もう、本当に……君は」
うずくまって、真っ赤になった顔を両手で押さえる。
ルチアの腰から勝手に生えた数本の触手が、びたんびたんと床を叩いていた。
番外編《酒は飲んでも――……?》END.
「ん……っ」
エランがぎゅっとルチアの身体にしがみつく。
どうして自分を責める相手に、こんな風に甘えるように寄りかかってくるのか。
「るちあ……るちあぁ」
舌ったらずに名前を呼ぶ声を聞くと、最初の見世物のときのことを思い出す。
あの日、名前を呼ばれたときに感じた衝撃。
エランのことを最初に強く意識したのはあのときだ。いや、惹かれたのはもう少し前だったかもしれない。
だがエランとこんな関係になるとは、あのときは全く想像もしていなかった。
自分が誰かに対し、こんなにも愛しいという感情を抱くようになるなんてこともだ。
「エラン、愛してる――」
今のエランは酒に酔っているから忘れてしまうかもしれないが、どうしても言いたくなった。
エランに巻きつけた触手と腕にぎゅっと力を込めて抱きしめる。
「るちあ、おれも――、あぁッ」
その後の言葉は続かなかった。
ルチアが再び抽挿を開始したからだ。
一緒に尿道の触手も動かす。ぐちゅぐちゅと苛めた後、頃合いを見計らってずるりと一気に尿道の触手を引き抜いた。
「ッ、ひぁあ゛あ――!」
エランの陰茎から白濁があふれた。
先ほども出した後なので量はそれほど多くない。達するのに合わせて、エランの中が大きく収縮した。
搾り取るような動きに、ルチアもエランの中で達する。
ほとばしる魔力を感じたのだろう。エランが、ぎゅっと強い力でルチアに抱きついてきた。背中に爪を立て、堪えられなかった声を漏らす。
しばらくすると、今度は一気に身体から力が抜けたようだった。
触手ではなく両腕でエランの身体を支えてやる。顔を覗き込むと、その瞼は閉じられていた。失神してしまったようだ。
意識を失ってもひくひくと身体は揺れている。
最奥に魔力を注ぎ込みながら、ルチアはエランの額に優しく口づけを落とした。
◇
次の日、目を覚ますと隣にエランの姿はなかった。
あんなに酔うほど酒を飲み、乱れた次の日でも、朝の鍛錬の時間にはきっちり目が覚めるのだからすごい。
寝室から出ると、短剣が風を切る音が聞こえた。
少し扉の隙間が開いているのは、ルチアが部屋の中を覗きやすいようにだ。
「起きたのか」
隙間から顔を覗かせると、エランが鍛錬の動きを途中で止めた。
いつもなら気にせず続けるのに、今日はどうしたのだろう。やはり昨日のことで少し調子が悪いのだろうか。
エランはホルスターに短剣を戻しながら、ルチアの立つ扉のほうへと近づいてくる。
ぐいっと袖で汗を拭った後、じっとルチアの顔を見上げてきた。
朝の光に照らされて、黒い瞳の中の金色がきらめている。エランの目にも自分の中の同じ金色が見えているのだろうか。そんなことを考えながらルチアもエランを見つめ返した。
「――俺も、」
「ん?」
「俺も、同じ気持ちだから」
エランはそう早口で告げると、ぐるりと身体を反転させ部屋の中へと戻っていった。
その耳が真っ赤になっているのが見える。
――え、え? 今のって、もしかして?
「エラン? ……君、もしかして、昨日のこと覚えて……?」
あれだけ酔っていたのだから忘れていると思っていた。
違うのだろうか。
だとしたら、さっきの返事は――、
ぶわりと身体中の熱が高まった。
その場にしゃがみ込んだルチアの顔は、さっきのエランの耳よりも赤くなっている。
「……もう、本当に……君は」
うずくまって、真っ赤になった顔を両手で押さえる。
ルチアの腰から勝手に生えた数本の触手が、びたんびたんと床を叩いていた。
番外編《酒は飲んでも――……?》END.
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