異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします！

第５章 遂に始動！

２１話 アプリコット②

　今日の更新は短いですが今日の更新は４本
更新させていただきます。どうぞよろしくです(^^♪


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　アプリコットはケンジが話しかけてきたことに驚きを隠せないでいた。そしてよりによって今更話があるから話を聞いてくれと言ってくるのだった。

（なによ！今更！貴方のせいでわたしは奴隷に落とされるのに！）

「わたしの事は放って置いて！」

　すると元生産ギルドの副ギルドマスターだった女奴隷が話しかけてくるのだった。その言い分はケンジの言う事を聞かないと後悔すると言ってくるのだった。

（なによ！馬鹿にして・・・貴方に係わるほうが後悔するのよ！）

「わたしの事はもう放って置いてって言ってるでしょ！あと二日もしたら貴方達の前からいなくなるしもう会う事もないわ！」


　そういうとケンジは憐みの目でアプリコットを見てギルドを出ていくのだった。

　出ていくときにケンジと目が合うアプリコットだったがすぐに下を向き目線をそらせたのだった。

（なによ！その憐みの目は！貴方のせいでわたしは・・・）

　そして気づくとアプリコットはその場の雰囲気に耐えられなくてギルドの奥に引っ込んでしまっていたのだった。そして裏口から町へフラフラ出て行ってしまっていたのだった。






　気づくともう夕方になっていてアプリコットは町の広場の噴水のベンチで座っていたのだった。町の喧騒はいつも通りで屋台や人々が世話しなく働いていたのだった。




　アプリコットはその風景を見てボーっとして一筋の涙が頬をつたうのである。

「お姉ちゃん一人でどうしたの？」

　町の子供がアプリコットに声をかけてきたのだった。アプリコットは何も言えず子供の純粋無垢の目を見つめていた。すると何も言わないアプリコットを不審に思ったのか子供の母親が気づき子供の手を取り引きずって行ってしまったのである。

「ねえ、お母さん！あのお姉ちゃん泣いてたよ。」

「いいから！もう・・・早くこっちに来なさい！」

　その後景を見たらまた涙が溢れてきたのだった。その子供の目がなぜかケンジとダブって見えてしまったアプリコットだったのだ。

（なんであの人はギルドに・・・）
（ひょっとして今になってギルドに協力をして・・・）
（いや・・・なんでいまさら？）
（いまさら・・・どうやっても私が奴隷になるのは・・・）

　アプリコットは日が暮れるのを噴水の水面に移る景色をボーっと見入っていたのだった。

　日が暮れてきて周りには屋台の明かりと街灯である魔道具が道沿いにぱっぱっぱっと順にライトがついていくのだった。すると今度は屋台のおっちゃんがアプリコットを心配し声をかけてくるのだった。

「あんた、大丈夫か？ずっとそこにいるだろ？まあ、この肉串でも食って元気出せや！」

「あ、ありがとうございます・・・」

「あんたギルドの受付嬢か？何があったかわからねえが人生辛い事ばかりじゃねえからな・・・」
「おっと！すまねえ！お客さんだ。ちょっと行ってくるわ。」

　おやっさんは自分の屋台にお客が来たのを見て戻っていってしまったのだった。アプリコットはおやっさんがくれた肉串を少しづつ食べ噴水を黙って見ていたのだった。

　アプリコットはハッとして肉串のお金を払っていなかったのを思い出しおやっさんの屋台に向かったのである。

「お！やっと元気が出てきたか？」

「い、いえ・・・さっきの肉串のお金払っていなかったから・・・」

「ああ。いいよいいよ！俺のおごりだ！いつもギルドにはお世話になっているからな。まあ、ギルドといっても主にケン坊なんだがな！」

「ケン坊？・・・」

「ああ・・・ケン坊ってのは愛称でなケンジと言って町の便所を作ってくれたやつなんだ。」

　アプリコットはケンジの名前を聞いて目を見開き一番聞きたくない名前に怒りが込み上げてくるのだった。

「あんたも何があったかわからんがケン坊に相談してみたらどうだ？」

「なんでわたしが・・・」

「ん？声が小さくて聞こえねえよ！」
「だがあいつがこの町に来てＦランクの依頼を率先してやってくれて助かった町の人はいっぱいいて、今回この便所のおかげで嫌なにおいが薄まってきて屋台のいい匂いが際立ってきていて売り上げが倍増したんで、屋台やっているやつらはケンジに感謝しているんだ。」

「・・・・」
　アプリコットはおやっさんの言う事に聞き入っていたのだった。

「そんなに助かっていたのですか？・・・」

「ああ、そりゃそうさ！Ｆランクの仕事は安いし雑用だろ？アイツがこの町に来るまで誰もあんまりやってくれなかったんだ。だけどあいつがこの町に来てからあいつだけが率先してやってくれて凄い助かってたんだよ。それまでは老人の家の溝掃除や庭の手入れは若い町の人たちが協力して手伝っていたんだよ。」

「そうだったんだ・・・」

「姉ちゃんもギルドの受付嬢だからその辺の事よくわかってんだろ？」

「あ！はい・・・そうですね・・・」

　アプリコットは自分は今まで何を見てきたんだろうとギルドがあって人々は生活できると思い込んでいたことを情けなくおもうのだった。
　ギルドの考え方は本当に傲慢でマウントを取ろうとばかりして周りが見えていないのだ。アプリコットはおじさんの言葉を聞きギルドはもっと町の人々に寄り添わないといけないんだと今更思うのだった。
　だが、もう自分は奴隷に落とされてしまう何もかも遅いと後悔しかできないのであった。