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12話
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俺様はこの国を裏から牛耳る組織、黒金の七幹部が一人"忠義のチューザレ"だ。
「あの計画はどうなっている?」
「はっ!"犬派粛清計画"は順調に準備が進んでおります!あと半年もすれば計画を開始できます!」
「ちげぇよ!それはあのハゲの計画だろうが!俺様が言ってるのは近隣国に戦争を吹っかけて領土を増やす計画の事だ!!」
「し、失礼しました!その件でしたら、既に貴族達を扇動し終えています!はじまるのも時間の問題でしょう!」
「そうか・・・楽しみだぜ!」
この国貴族の大半を黒金に逆らえないように弱みを握ったからな、俺様達の思惑通りに動かせるってわけよ!
国王だけは反発しているが、貴族達を押さえつける程の求心力は無いからな、居ないも同然だぜ!
「くっくっく!人生上手く行きすぎて怖いくらいだ!」
「チューザレ様!チューザレ様の派閥の盗賊団からの定時連絡が途絶えました!」
「な、なにぃ?!・・・何処のだ?!」
「・・・全てです」
「なん・・・だと?!」
王都から伸びる道は7本ある、そしてそれぞれの七幹部がその道を支配している。
俺様の管轄が荒らされた?
いや、俺様は用心深いからあの道は他の幹部の数倍は盗賊団を配置してるんだぞ?ありえん!
「様子を見に行かせろ!」
「はっ!」
「クソッ!どうなってやがる!」
「どうしたチューザレ?」
「お前は・・・"愛のヴェレッタ"!なんの用だ?」
コイツは俺様と同じ七幹部の一人"愛のヴェレッタ"だ。
鬱陶しい長髪を常に靡かせる優男だ。
男なら俺様みたいに角刈にせんかい!
・・・まぁそれでもコイツは強えから文句は言えねぇ。
「なに、ワタシの子飼いの連中が行方不明でね・・・何か知らないかい?」
「知らねぇな!・・・いやまてよ?俺様の所の盗賊団達も行方不明なんだが?」
「・・・何か来たようですね。」
「あぁ・・・舐めやがって!」
どうやら他所から多少腕の立つ奴が流れてきた様だ。
裏の組織は舐められたら終わりだからよぉ、キッチリ焼き入れねぇといかんよな!!
「他の幹部も集めてましょう、これ以上構成員を減らされたら大損害ですよ。」
「違えねぇ!!」
俺様とヴェレッタで緊急用の伝書鳩を飛ばした。
そして緊急用の会議室に向かうぜ!
***
「全員集まったか?」
七幹部のトップである暴虐のザギャックが円卓を見渡して確認するが、一つの席だけ空席だった。
「いや、まだ"美貌の"が来てねぇぜ。」
あのオカマは時間に厳しい奴だ、来ないのはおかしい・・・
「た、大変です!美貌のシュナイザー様が意識不明になったまま目覚めません!!」
コイツはたしか"美貌の"の配下の奴だったか。
「は?・・・寝坊って事か?」
「い、いえ!くすぐってもつねっても叩いても起きませんでした!」
「確かにそれは妙だな・・・」
「それに鼻毛を抜いても親知らずを抜いても「ブサイクオカマ!」と言っても起きませんでした!」
「おまっ!何しとんじゃい?!!」
コイツ・・・美貌のが起きない事を利用して日頃の鬱憤を晴らしてやがるな?!
「と、とにかく"美貌の"が何者かにやられたという事か?それによっては俺たち黒金総出で報復をしなきゃならねぇ・・・」
流石の七幹部筆頭の"暴虐の"も動揺しているようだ・・・俺様もなんだか嫌な予感がして来たぜ。
「忠義のチューザレ様!チューザレ様の配下の盗賊団が誰一人見つかりませんでした!!」
「な、なにぃ?!」
連絡が付かなくなった俺様の配下達ご行方不明のだと?!
離反・・・はねぇな、黒金以上に稼げる裏組織はねぇんだからな。
「よし、迎え撃つぞ!黒金幹部及び構成員全員でアジトで籠城戦だ!敵は俺達を狙っている!!」
流石筆頭、決断力が違うぜ!
俺様も久々に実力を出すか・・・
***
「ひぃっ!!」
た、助けてくれ!!誰か!!
「な、何なんだあの化け物は?!」
俺様達はアジトに篭って籠城戦を始めてから直ぐにそれは来た・・・
子供の落書きがそのまま飛び出して来たかの様な不気味過ぎる生き物達は黒金の下っ端達を雑草でも刈るように惨殺して行った。
そしていつの間にか通路に壁が現れていて逃げ出す事も出来なくなっていた。
俺様は次々と命を刈り取る不気味な化け物にビビって逃げた・・・
下っ端や他の幹部がやられている隙に塞がれていない場所を探しながら必死に逃げた。
ダメだった・・・どの通路も塞がれて逃げられそうに無い!
俺様は化け物が去るまで隠れる事にした!
何処だかも分からない部屋のクローゼットに飛び込み、隙間から外を除いて奴が来ない事を祈るしかなかった。
どれだけの時間が経ったのかわからねぇ・・・5分程かもしれねぇし、何時間も経っているようにも感じた。
クソッ!胃がイテェ!!
こんなに恐怖を感じたのは生まれて初めてだぜ!
さっきまで聞こえていた誰かの断末魔がもう聞こえない・・・俺様の心臓の音がやけに大きく聞こえるぜ・・・
・・・ガチャ
来たっ!!お、落ち着け!大丈夫だ!
落書き野郎は首を何回転もさせて部屋を隈なく探してやがる。
ドタ ドタ ドタ
落書き野郎は俺様の隠れているクローゼットにのっそりと近寄って来た。
ドタドタドタ!!
「ひぃっ?!?!・・・あっ」
突然クローゼットに接近して来た落書き野郎に思わず声が出た俺様。
終わった・・・
***
「あ、コイツも自我が崩壊しちゃった!悪夢の魔法は悪人専用だね。廃人になっちゃうし、普通の人には使えないや!」
「あの計画はどうなっている?」
「はっ!"犬派粛清計画"は順調に準備が進んでおります!あと半年もすれば計画を開始できます!」
「ちげぇよ!それはあのハゲの計画だろうが!俺様が言ってるのは近隣国に戦争を吹っかけて領土を増やす計画の事だ!!」
「し、失礼しました!その件でしたら、既に貴族達を扇動し終えています!はじまるのも時間の問題でしょう!」
「そうか・・・楽しみだぜ!」
この国貴族の大半を黒金に逆らえないように弱みを握ったからな、俺様達の思惑通りに動かせるってわけよ!
国王だけは反発しているが、貴族達を押さえつける程の求心力は無いからな、居ないも同然だぜ!
「くっくっく!人生上手く行きすぎて怖いくらいだ!」
「チューザレ様!チューザレ様の派閥の盗賊団からの定時連絡が途絶えました!」
「な、なにぃ?!・・・何処のだ?!」
「・・・全てです」
「なん・・・だと?!」
王都から伸びる道は7本ある、そしてそれぞれの七幹部がその道を支配している。
俺様の管轄が荒らされた?
いや、俺様は用心深いからあの道は他の幹部の数倍は盗賊団を配置してるんだぞ?ありえん!
「様子を見に行かせろ!」
「はっ!」
「クソッ!どうなってやがる!」
「どうしたチューザレ?」
「お前は・・・"愛のヴェレッタ"!なんの用だ?」
コイツは俺様と同じ七幹部の一人"愛のヴェレッタ"だ。
鬱陶しい長髪を常に靡かせる優男だ。
男なら俺様みたいに角刈にせんかい!
・・・まぁそれでもコイツは強えから文句は言えねぇ。
「なに、ワタシの子飼いの連中が行方不明でね・・・何か知らないかい?」
「知らねぇな!・・・いやまてよ?俺様の所の盗賊団達も行方不明なんだが?」
「・・・何か来たようですね。」
「あぁ・・・舐めやがって!」
どうやら他所から多少腕の立つ奴が流れてきた様だ。
裏の組織は舐められたら終わりだからよぉ、キッチリ焼き入れねぇといかんよな!!
「他の幹部も集めてましょう、これ以上構成員を減らされたら大損害ですよ。」
「違えねぇ!!」
俺様とヴェレッタで緊急用の伝書鳩を飛ばした。
そして緊急用の会議室に向かうぜ!
***
「全員集まったか?」
七幹部のトップである暴虐のザギャックが円卓を見渡して確認するが、一つの席だけ空席だった。
「いや、まだ"美貌の"が来てねぇぜ。」
あのオカマは時間に厳しい奴だ、来ないのはおかしい・・・
「た、大変です!美貌のシュナイザー様が意識不明になったまま目覚めません!!」
コイツはたしか"美貌の"の配下の奴だったか。
「は?・・・寝坊って事か?」
「い、いえ!くすぐってもつねっても叩いても起きませんでした!」
「確かにそれは妙だな・・・」
「それに鼻毛を抜いても親知らずを抜いても「ブサイクオカマ!」と言っても起きませんでした!」
「おまっ!何しとんじゃい?!!」
コイツ・・・美貌のが起きない事を利用して日頃の鬱憤を晴らしてやがるな?!
「と、とにかく"美貌の"が何者かにやられたという事か?それによっては俺たち黒金総出で報復をしなきゃならねぇ・・・」
流石の七幹部筆頭の"暴虐の"も動揺しているようだ・・・俺様もなんだか嫌な予感がして来たぜ。
「忠義のチューザレ様!チューザレ様の配下の盗賊団が誰一人見つかりませんでした!!」
「な、なにぃ?!」
連絡が付かなくなった俺様の配下達ご行方不明のだと?!
離反・・・はねぇな、黒金以上に稼げる裏組織はねぇんだからな。
「よし、迎え撃つぞ!黒金幹部及び構成員全員でアジトで籠城戦だ!敵は俺達を狙っている!!」
流石筆頭、決断力が違うぜ!
俺様も久々に実力を出すか・・・
***
「ひぃっ!!」
た、助けてくれ!!誰か!!
「な、何なんだあの化け物は?!」
俺様達はアジトに篭って籠城戦を始めてから直ぐにそれは来た・・・
子供の落書きがそのまま飛び出して来たかの様な不気味過ぎる生き物達は黒金の下っ端達を雑草でも刈るように惨殺して行った。
そしていつの間にか通路に壁が現れていて逃げ出す事も出来なくなっていた。
俺様は次々と命を刈り取る不気味な化け物にビビって逃げた・・・
下っ端や他の幹部がやられている隙に塞がれていない場所を探しながら必死に逃げた。
ダメだった・・・どの通路も塞がれて逃げられそうに無い!
俺様は化け物が去るまで隠れる事にした!
何処だかも分からない部屋のクローゼットに飛び込み、隙間から外を除いて奴が来ない事を祈るしかなかった。
どれだけの時間が経ったのかわからねぇ・・・5分程かもしれねぇし、何時間も経っているようにも感じた。
クソッ!胃がイテェ!!
こんなに恐怖を感じたのは生まれて初めてだぜ!
さっきまで聞こえていた誰かの断末魔がもう聞こえない・・・俺様の心臓の音がやけに大きく聞こえるぜ・・・
・・・ガチャ
来たっ!!お、落ち着け!大丈夫だ!
落書き野郎は首を何回転もさせて部屋を隈なく探してやがる。
ドタ ドタ ドタ
落書き野郎は俺様の隠れているクローゼットにのっそりと近寄って来た。
ドタドタドタ!!
「ひぃっ?!?!・・・あっ」
突然クローゼットに接近して来た落書き野郎に思わず声が出た俺様。
終わった・・・
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「あ、コイツも自我が崩壊しちゃった!悪夢の魔法は悪人専用だね。廃人になっちゃうし、普通の人には使えないや!」
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