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プロローグ

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「レオン、また帰ってきてね」
「ミシェル、出来るだけまた早く帰ってくるから」
 1年前から仕事で王都にいる婚約者とは一カ月に一度くらいしか会えない。レオンが休みの日に、遠路はるばる会いに来てくれるのだ。
「絶対だよ」
 ミシェルは3年前に婚約を結んだレオンが大好きだった。
 この国では養子縁組制度や支援制度が整えられていて、同性婚も普通に行われている。

 二人は学院が同じで、席が近いことから仲良くなった。いつか王宮騎士になると勉学や武芸に励み、他の学生とは違って浮つくことのなかったレオンにミシェルは淡い恋心を抱いていた。
 レオンの方も、他のクラスメートのようにくそ真面目などとからかうことなく、いつも笑顔を絶やさず明るく話をしてくれるミシェルに惹かれていった。
 卒業前に婚約をし、レオンが念願の王宮騎士団に所属することが叶い、落ち着いたら結婚しようと決まっていた。
 離れ離れになって一年が経ったが、レオンはもう少し時間が欲しいと言った。ようやく、仕事に慣れてきたところで、これからもっと仕事に励みあと一年後くらいにミシェルを王都に呼び寄せたいと言ってくれた。

 だからずっと信じて待っていたのに……彼には妻と子供がいた。
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