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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
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従業員部屋から出る前に、僕らは短く別れの言葉を交わした。
「何かあったら倉橋探偵事務所に来て下さい」
「その何かが起きない事を望んで下さい」
「失礼しました」
「いえ。お元気で」
「達者で」
「こちらの心配は要りません」
「うん。さよなら」
さよならを言う時の切なさは、どこか再会の時の懐かしさに似ている。
小波津とは友達でも知り合いでもないのに、何故こんな気分になるのだろう。ただの他人なのに。
長い人生の中で、ほんの一瞬すれ違っただけだというのに。
それなのに、今後が気になってしまう。大丈夫か、と声をかけたくなる。
それを堪えて、僕は長兄を追いかける。小波津に背を向け、従業員部屋を後にした。
「何かあったら倉橋探偵事務所に来て下さい」
「その何かが起きない事を望んで下さい」
「失礼しました」
「いえ。お元気で」
「達者で」
「こちらの心配は要りません」
「うん。さよなら」
さよならを言う時の切なさは、どこか再会の時の懐かしさに似ている。
小波津とは友達でも知り合いでもないのに、何故こんな気分になるのだろう。ただの他人なのに。
長い人生の中で、ほんの一瞬すれ違っただけだというのに。
それなのに、今後が気になってしまう。大丈夫か、と声をかけたくなる。
それを堪えて、僕は長兄を追いかける。小波津に背を向け、従業員部屋を後にした。
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