【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

第5章 ロケット

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　全て終わりました。

　泣くつもりなんてなかったのに、のどに熱いものが込み上げて来て苦しいです。

「叔父さん、今まで虐待みたいな扱いをされましたけど……今まで育ててくれた事は感謝しています」

　これは、本心です。だって彼らは、食費も水道代も電気代も学費もその他生活費も、しろがねだけでなく私含めて子供二人分払って来たのですから。

　死なないようにはしてくれた。その事実や、かけてしまった迷惑に、胸は痛みます。

　結局私が裏切っているのです。酷いのは私の方なのです。

　けれど……

「こんな結末になって、すみませんでした。これ以上お互いを傷つけ合わないように、お別れしましょう」

　立ち止まる余裕は、もう私にはありません。潮時なのです。

　家族ごっこは、おしまい。家族にすらなれなかったけど。

　他人の寄せ集めが崩壊しただけ。私は、これからは平和に生きたいのです。美雲丸達と共に。