【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

ヲダツバサ

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第1章 タイムカプセル

1-21

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「こがねちゃん、フクは味方だからね。フク以外の、この家にいる付喪神達も。美雲丸から聞いてるよね?」
「うん」

 そう、付喪神は家と料亭それぞれに数名ずついました。

 6歳のあの日から、少しずつ美雲丸に紹介してもらったのです。

 鴫野宮家は料亭の裏に住むための家があり、どちらにいてもそれぞれの付喪神達が会いに来てくれました。包丁の付喪神。草履の付喪神。木彫りの熊にまで付喪神が宿っていました。

 私達は、目に見えないだけで沢山の付喪神達に囲まれているのです。

 フクはとことこと料亭内に戻って行きました。

「この後は調理場の掃除か。面倒臭いな」
「それでもやるこがねは偉いと思うぞ。本気で嫌になったら共に逃げよう」
「美雲丸と? 一緒に? それって物置のどこかにある、あなたの宿った刀を持ってという事?」

 銃刀法違反で捕まってしまいます。そんなの勘弁です。

 やはり成人になるまで、この生活を我慢するしかない。あと数年の辛抱です。
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