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第1章 過去と今とダン・エルトン
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しおりを挟む「来てくださって、ありがとうございます」
エリオットは周囲に居る他の警官に聞こえないように言った。
「もっと早く来てほしかったです。あなたが来なくて大変だったんですよ。探偵社の正規社員でないと調査の権利は無いと」
「あー、悪かったよ」
全くすまなそうでないランディスことクソ先輩。ちょびっとエリオットに同情した。
「あー、でも、我々が出るほどの事件じゃないね。警察から既に詳細を聞いてるが、誰でも解ける簡単な事件じゃないか」
「先輩様も気付いたのか」
「警察が絞った被疑者は、えー、被害者の弟レイ・レッドと、従業員のブレンダ・ブルー。指紋を調べれば一発で分かるのに……」
「念入りな確認が要るんだろ。まだかかってるみたいだ」
「あー、役に立ちそうな証拠は?」
「それが……」
エリオットが間に入って来た。
「いくつか気になる物があります。さっき見つかった物です」
真剣な口調で先輩様に報告するエリオット。
「まず地下室の鍵ですが、レイとレオが持っていました。それとは別に金庫の鍵があるのですが、その話は後で。地下室の鍵ふたつは、指紋は当人達のものばかりです。しかし……被害者レオの持っていた鍵だけブレンダ・ブルーの指紋が付いていました」
ふむふむ、と先輩様は頷いた。
「それで、金庫の鍵は被害者レオが持っていたようです。これはひとつしか無いようで……」
「あー、場所は? その金庫の鍵は今どこに?」
歯切れの悪いエリオット。それだけで、そういう事かと察した。
「見つかっていません」
「……ほう」
「被害者のポケットに地下室の鍵と共にあるはずなのですが、ありませんでした」
なるほど、と先輩様は相槌を打った。
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