戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第183話 剣術大会㉚

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「おー、ここか!」

「そうみたいね!!」

ミリーナとヒルダの二人がやってきたのは、ボルンの街公認『剣術大会』観客向けの賭け場であった。

流石の世界的な有名な大会なだけあり、物凄い人であった。

「どうやら、あの緑服の人間に賭け金を渡すようじゃな」

ヒルダが周りの人を眺めながらそう分析する。

緑服を着た運営は、3人一組で見た限りでも数十組おり、一人が集金、一人が賭け内容の取りまとめ、一人が案内といった感じのようだ。

「そうみたいね。あの、すみません!」

ミリーナが近くを通った緑服の運営に声を掛ける。

「はい!リストですね。どうぞこちらです」

「ありがとうございます」

もう何度も似たやり取りをしているのだろう。ミリーナが声を掛けただけでリストを渡してくる緑服運営。

「うわぁ。リストだけで凄いわね」

「ほんとじゃのぉ」

リストは10枚近くの束になっており、物凄く細かな字で参加者が書かれている。

「裏にもあるぞ」

「ほんとね。えーっと参加者は全部で・・・2492人!?」

「・・・ありえない人数じゃのぉ」

ミリーナとヒルダが参加者数を多さを見て愕然とする。

「えーっと、なになに」

ミリーナがリストの上に書いてある注意事項を読み上げる。

【第一次予選通過者予想のルール】
①掛け金は銀貨1枚から
②参加者全ての中から第一次予選通過者の480人に参加する人を当てる
③ただし、3年前までに第一次予選通過者の選択は無し
④賭け率は、賭けた人数によって決まる

「なるほどのぉ」

ヒルダはミリーナの言葉を聞いて頷く。

「どうやら、黒塗りされている選手が3年前までに第一次予選通過した人なのね」

「ふむふむ。となると、過去の情報を持っている者が有利になりそうじゃな」

「そうね。たぶん、その辺りの情報を売るのがメインの人もいるんじゃないかしら」

ミリーナが周りを見渡しながら言う。

所々、集まっている人たちがいるので情報のやりとりをしているのだろう。

「はい。ヒルダちゃん」

ミリーナがヒルダに袋を渡す。

「ん?どうした??」

ヒルダが不思議な顔をする。

「だって、人数によって賭け率が変わるんでしょう?あたしたちはどうせルークを選ぶのだからヒルダちゃん一人が賭けた方が良いじゃない?」

「・・・確かに。じゃが、分け方はどうする?」

「ヒルダちゃんが持っているお金とあたしの今渡したお金の比率で決めればいいんじゃない?」

「それもそうじゃな。どれどれ」

ヒルダがミリーナが渡したお金を確認する。

「なかなかの額じゃな。ルークから借りたお金の1/5はあるぞ」

「初任給よ」

「なるほど。では、賭けてくるか。ルークはどうやら『1191』のようだ」

そういうとミリーナとヒルダの二人は緑服運営に第一次予選通過者の予想にルークを指名しに行ったのだった。
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