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第155話 剣術大会②

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「なるほどのぉ。まさに歴史があるようだな『剣術大会』というものも」

黙って話を聞いていたヒルダが感想を口にする。

「もちろん知っているわよ。でも、今のルークはどの参加資格も満たすじゃない」

「・・・・・・」

ミリーナの言葉にルークが沈黙する。

時間が経つにつれ段々とミリーナの目がジトっとしたものになっていく。

「・・・盲点だった。。。」

ルークはミリーナの視線に耐えられず、自分の間違いを認めた。

その様子を見たミリーナとヒルダがお互い顔を見合わせ、

「「ぷっ!あははははは!!」」

大爆笑した。

「・・・そこまで笑わなくても良いんじゃないか?」

ルークが仏頂面で抗議する。

「ごめんごめん。だってルークったらいつもは完璧超人なのに意外に抜けているのが可笑しくてつい。ね?ヒルダちゃん」

ミリーナが笑い過ぎてお腹が痛いのか手で押さえながら答える。

「ミリーナの言う通りじゃ!我は良いと思うぞ、お主のそういうところ」

ヒルダもお腹に手を当てながら答える。

「・・・まずは、宿を探そうか」

ルークは気恥ずかしくなり、ボルンの街の中にいる間の拠点を探しに歩き出す。

その様子を見たミリーナとヒルダは再び顔を見合わせると二人してニッと笑ってから、

「待ってよ、ルーク!」

「ルーク、待つのじゃ!」

ルークのことを追いかけたのだった。





「まずは、ヒルダの服を買いに行こうと思うのだがどう思う?」

無事に宿を取れた三人は1階にある食堂で昼食を摂りつつ、今後の行動について話し合っていた。

「賛成よ。流石にこのままの服だとヒルダちゃんが可哀想だしね」

ミリーナもルークの言葉に賛成する。

「むぅ、我は服に頓着などないからそれよりも早く闘技場を見てみたいのじゃが」

知識欲の塊のヒルダには服よりも見たことのない闘技場のようだ。

「ヒルダちゃんは余り周囲の目を気にしないかもしれないけど、結構周りの目が凄かったわよ」

「誠か?」

「ええ。明らかに歴戦の猛者の男にあたし、そしてぼろぼろになっている服を着ているヒルダちゃんでしょ。そりゃ凝視するわよね」

「ぬぅ。脅威は去ったとはいえ目立つのは良くないのぉ。よし、分かった!服を買ったら闘技場で頼むぞ!!」

「ええ。分かったわ。ルークもそれで良い?」

「ああ」

「それでその・・・服代の方なのじゃが・・・」

話が纏まった後に、ヒルダが申し訳なそうに呟く。

「金のことは気にしなくて良い」

ルークがヒルダに答える。

「じゃが・・・」

ヒルダが納得できなそうにもごもごと言う。

「そうだな・・・なら、貸しということにしよう。もし今後、ヒルダが返せるようになった時で構わない。その時に返してくれれば良い。もちろん利子とかも無しだ。だから、しばらくの間は金に気にせず頼ってくれ」

「おおっ!分かったぞ!!直ぐに稼げるようになって見せるわい」

ルークの言葉にヒルダは明るくなる。

聡い子だ、恐らく助けて貰っていてからずっと気にしていたのだろう。

ルークがミリーナを見るとミリーナも気にしていたのかヒルダの様子を見て笑顔になっていた。
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