戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第149話 拘束されていた場所②

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「我が拘束されていたのはここじゃ」

野営していた場所から歩くこと数時間、森の中を迷うことなく進むヒルダの後についていき目的地にたどり着いた。

いわゆる山小屋のような簡素な建物である。

「ヒルダちゃん、お疲れ様。迷わずよくここまで来れたわね」

ミリーナが感心したようにヒルダに言う。

まっすぐ進むだけならともかくヒルダは結構複雑に道を歩きここまで来ていた。

「さすが、神童と呼ばれるだけはあるな」

ルークも感心したように言う。

「そ、そんなに褒めるでない。照れるではないか」

ヒルダが本気で照れながらそう言う。

(意外と褒められ慣れてないのね)

ミリーナは意外そうにヒルダを見る。

ジークムント王国で神童と呼ばれていたくらいだから結構褒められて過ごしてきたかと思ったがそういうわけでもないらしい。

(もしかして、苦労してきたのかも)

ミリーナは機会がある時にヒルダの過去の生活について聞いてみようと心に決めた。

「それより、ここには誰も居ないということで良いのじゃよな?」

ヒルダが気持ちを切り替え、少しびくびくしながら尋ねる。

「ああ。もぬけの殻のようだ」

ルークがそう言うと無警戒にも山小屋に入っていく。

ルークが居なくなってしばらく待った後、何事も無さそうなことを確認したミリーナとヒルダはゆっくりと山小屋に入っていった。

「・・・来たか。どうやらヒルダをここまで連れてきた犯人の手掛かりはやはり何も得られなさそうだ」

二人が入ってきたことを認識したルークがそう声を掛ける。

「そっか」

ルークの言葉を信じていないわけではないが、ミリーナも中を見渡す。

ここで何かをする気も全く無かったのだろう。

小さなテーブルと椅子があるだけで他は何も見当たらなかった。

「ヒルダちゃんはどこに拘束されていたの?」

「目隠しの上、体中を縄でぐるぐる巻きにされてそこに転がされておった」

ミリーナの問いに誰もいないことを確認し、漸く安心したヒルダが指を指しながら答える。

ヒルダが差した場所に近づいてみると暗くて見えなかったが部屋の端に縄が転がっているのを確認できた。

「・・・拘束されていたヒルダちゃんの前で言うのもなんだけど、見張りも居ない上に部屋に鍵もないなんて間抜けにもほどがあるわね」

ミリーナが呆れたように呟いた。
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