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第148話 拘束されていた場所

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翌朝になり、簡単な朝食を食べ終えたルーク、ミリーナ、ヒルダの三人は出発の準備をしていた。

「さて、今朝話していた通り、ヒルダが拘束されていた場所に向かうとしようか」

ルークが立ち上がりミリーナとヒルダに声を掛ける。

「わかったわ」

というミリーナの返事に反して、

「・・・ほんとに行くのかの?」

ヒルダは未だに渋っていた。

「ヒルダちゃん、心配いらないわよ!あたしたちが一緒なんだから」

ミリーナがヒルダを安心させようと胸を張りながら言う。

「だがのぅ・・・」

まだ不安なのか、ヒルダの決心がつかない。

「ヒルダも納得しているように、拘束された場所を調べておいて損はない。流石に敵が誰かの特定は無理だろうが、ヒルダが生きているという痕跡を消しておく必要はある」

ヒルダが逃げた時には誰も居なくなっていたということだが、様子を見に敵の手の者が再度やってくるかもしれない。

その時に、ヒルダが生きていることが知られると面倒だ。

そう言った理由からヒルダの拘束されていた場所に向かおうということに今朝なったのだが、いざ出発する段階でヒルダが不安に取りつかれてしまった。

「それはそうなのだが・・・」

言っていることは分かるが感情が拘束されていた場所に戻ることを拒否している。そんな感じのように見える。

「ふむ。ヒルダはこの『魔人鬼』が誰かに後れを取ると思っているのか?」

ルークはあえて自分のことをジークムント王国での通り名で呼びヒルダに問いかける。

「・・・思わぬな」

ヒルダがルークを見ながらそう言う。

「なら、問題ないだろう?」

ルークが再度問いかける。

「そうじゃな!よし、我について参れ!!」

ルークの言葉に吹っ切れたのか、ヒルダが先頭を切って森の中に入っていく。

「やるじゃない。ルーク」

ミリーナが感心したようにルークに話しかける。

「偶々だ。さて、ヒルダを見失わない内に追いかけよう」

ルークがミリーナの荷物も全て持ち、ヒルダが向かった方向に歩いていく。

「ちょっとルーク!あたしの荷物まで持たなくていいってば!」

ミリーナが慌ててルークを追いかけ、野営した川沿いの地より出発したのであった。
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