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第80話 真夜中
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(何だ?)
ルークは真夜中にふと目を覚ます。
宿を見つけたルークとミリーナはそれぞれ別の部屋をとった後、適当に街を見て回ったり食事をした。
その後、休んで今に至る。
気配はまだ遠いが物凄いスピードで走っている。
(ミリーナは・・・寝ているようだな)
どうやらこの気配に気づいているのはルークだけのようだ。
(ただの訓練のためのランニングかもしれないが一応確認しておくか。。。)
ルークは眠るときも直ぐに行動できるように服を着て居たため、枕元に置いてあった『護命剣』を手に取り、部屋の窓から屋根に飛び移る。
(もう宿の入り口は閉まっているだろうからな)
そのまま音を立てずに家の屋根から屋根へと飛び移りながら気になった気配のある場所に向かう。
しばらく進むと気配と近くなってきた。
(敢えて気配を消しているようだな・・・まだ訓練という線は否定しきれないが怪しい)
漸く気配の主が目視で分かるようになってきた。
(ん・・・何かを抱えているな)
気配の主は全身黒ずくめで移動していた。
肩に大きな包みを持っている。
ルークは訓練という線を完全に捨て、不審者と確定する。
黒ずくめの進行方向に待機する。
「!?」
やがて向こうもルークの存在に気づき、足を止める。
「こんな真夜中に何をしている?」
「・・・」
ルークの問いかけにも返答をせず、肩に担いだ袋はそのままで懐から短剣を取り出す。
「問答無用か?いいだろう」
ルークも護命剣を抜き、相対する。
「・・・」
黒ずくめがルークのプレッシャーに後ずさる。
「・・・」
ルークが無言で歩を進めるとすぐさま黒ずくめが懐から何かを投げつけてきた。
ボン!
それはルークの手前の地面にぶつかり煙を発生させる。
「ちぃ」
ルークは急いで黒ずくめの気配に向かうが更に何かを投げつけてきた。
「!?」
ルークは反射的に斬ろうとしたが済んでのところで受け止めることにした。
ドン
煙が晴れた後に、腕の中を見てみると黒ずくめが担いでいた包みであった。
「・・・逃げたか」
ルークから逃げていく気配を感じて呟く。
流石にこの状態じゃ、いくらルークでも追いつけない。
包みの中を確認しておかないと思い、開ける。
「・・・参ったな。これは想定外だ」
包みの中に入っていたのは、身分が高そうな寝間着姿のご令嬢であった。
ルークは真夜中にふと目を覚ます。
宿を見つけたルークとミリーナはそれぞれ別の部屋をとった後、適当に街を見て回ったり食事をした。
その後、休んで今に至る。
気配はまだ遠いが物凄いスピードで走っている。
(ミリーナは・・・寝ているようだな)
どうやらこの気配に気づいているのはルークだけのようだ。
(ただの訓練のためのランニングかもしれないが一応確認しておくか。。。)
ルークは眠るときも直ぐに行動できるように服を着て居たため、枕元に置いてあった『護命剣』を手に取り、部屋の窓から屋根に飛び移る。
(もう宿の入り口は閉まっているだろうからな)
そのまま音を立てずに家の屋根から屋根へと飛び移りながら気になった気配のある場所に向かう。
しばらく進むと気配と近くなってきた。
(敢えて気配を消しているようだな・・・まだ訓練という線は否定しきれないが怪しい)
漸く気配の主が目視で分かるようになってきた。
(ん・・・何かを抱えているな)
気配の主は全身黒ずくめで移動していた。
肩に大きな包みを持っている。
ルークは訓練という線を完全に捨て、不審者と確定する。
黒ずくめの進行方向に待機する。
「!?」
やがて向こうもルークの存在に気づき、足を止める。
「こんな真夜中に何をしている?」
「・・・」
ルークの問いかけにも返答をせず、肩に担いだ袋はそのままで懐から短剣を取り出す。
「問答無用か?いいだろう」
ルークも護命剣を抜き、相対する。
「・・・」
黒ずくめがルークのプレッシャーに後ずさる。
「・・・」
ルークが無言で歩を進めるとすぐさま黒ずくめが懐から何かを投げつけてきた。
ボン!
それはルークの手前の地面にぶつかり煙を発生させる。
「ちぃ」
ルークは急いで黒ずくめの気配に向かうが更に何かを投げつけてきた。
「!?」
ルークは反射的に斬ろうとしたが済んでのところで受け止めることにした。
ドン
煙が晴れた後に、腕の中を見てみると黒ずくめが担いでいた包みであった。
「・・・逃げたか」
ルークから逃げていく気配を感じて呟く。
流石にこの状態じゃ、いくらルークでも追いつけない。
包みの中を確認しておかないと思い、開ける。
「・・・参ったな。これは想定外だ」
包みの中に入っていたのは、身分が高そうな寝間着姿のご令嬢であった。
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