子豚の魔法が解けるまで

宇井

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42 触れ合い

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「……ん、ちゅっ」

  啄むキスから思いっきりのべろちゅーに変わる。ここまで急に発情した子は初めてだ。
  厚みがない舌が俺の中を暴れる。誰に教えられた訳じゃないだろうに、なかなか上手くて嫌になる。こっちも声にも甘さがのっちゃう。

 「……ベン……っ」
 「……トモエ」

  気が済むまでやればいいと俺が力を抜くと、それが伝わったのがベンの動きが次へと移る。
  耳たぶをはむはむされて、首に吸い付かれる。手であちこちを撫でくりまわされる。ベンの唇が下へとずれていく。胸元まで降りたいのに布に邪魔されて、息がフガフガしている。

 「もう……これっ、服が……じゃまぁあぁぁぁ」

  泣きそうになって叫ぶとかかわいすぎる。ここで笑ってしまうとプライドを傷つけてしまうので我慢。

 「じゃあ、脱ごうか。ベンも脱ぐ?」

  ってもうシーツを跳ね上げて破る勢いで脱いでいる。素早いね。少量ながらも男性ホルモンが滾ってる感じを横目にしつつ俺も上着を脱ぐ。

 「あっ、トモエさん……」
 「なに?」
 「えっと、パンツは……脱いだらだめでぇ……」
 「あ……じゃあ、脱がせてくれる?」
 「うん」

  俺のちんこならこれまでも、さっきの風呂でも見えていたはずだけど……脱がせるって事に大きな意味があるんだろうな。

 「えっと、じゃあ、どうぞ?」

  ベッドに膝立ちになると、ごくりと喉を動かしたベンがパンツの両端をもって、そうっと降ろし始めた。
  相手が成人してたら、召し上がれ、とでも言えたけど、流石にここでは封印する。
  中にたいした物は入っていないけど、パンツと言う名の色気のない薄布に包まれた俺のちんこは別の価値を持つらしい。日本のパンツより丈があってセクシーとは言い難い代物だけど。
  布にベンの鼻息が当たる。
  なんか、こんなプレイ久しぶりすぎて恥ずかしくなってきた。
  顔が赤らむの感じていると、まだちんこが「こんにちは」しない位置でベンが手を止め見上げてくる。

 「トモエ、恥ずかしい?」
 「……恥ずかしい、よ」
 「もうすぐ、見えちゃうね」

  あ、形勢逆転……?
  可愛く大人しいベンの隠し持つ牙がチラリと見えたようで、体の中心がじんわり熱くなった。
  時間をかけてパンツが膝まで降ろされる。
  大人ちんこだったらぺろんと飛び出しただろうけど、俺の子供ちんこは下向き。
  だけどベンがそれを手にして玉までこねこねしてくるから、じんわり気持ち良くなる。ちんこは食べられてないけどすぐ横をベロベロされてビックリした。つうか、そっちの方がクル。
  膝立ちのまま体をビクビクさせてると、それを支えるようにベンが絡みついてくる。
  後にまわった手は尻におりて割れ目に入ってくる。ベンの指は俺の後ろの皺を数えるみたいに動いていて、でも蕾が硬すぎて遠慮したのか指は入ってこなかった。
  ここの使い方を知っているのかいないのか、でもどこかに突っ込みたいっていうのは本能でそこに辿り着いたのかもしれない。

  あぁ、誰かローション持ってきてぇ!

  心の中で叫んだ。腹の奥がぼんやりと痒くて、掻き回して欲しくてしょうがない。それで腰をくねらせて、ちんこも気持ちいいのにお互い立たないとか、本当拷問。
  こんなきめが細かくて吸い付くような美しい肌なんて、今しか味わえない。少年ベンの可愛さのピークをこの場で全部食っちまいたい。
  俺はここで反撃に出て、ベンの腰をがっちりつかんで上体をまっすぐさせると腰をピタリと合わせた。

 「ん……ともえしゃん……」

  ゴリゴリと腰を回す俺にベンの泣きが入る。でも吐息は甘い。
  そのままベッドへ倒れて、それでもなおペニスが触れ合うように腰を擦り付けた。
  気持ちいい。けど射精がないから終わりがなくて困る。そう思い始めた時にベンがぐずり出した。

 「いれ、たい……入れたい……」
 「俺と繋がりたいの?」

  コクコクと必死に頷くベン。
  どうしたものかと暫らく考えた末、俺はペロリと自分のひとさし指を舐めて、ベンの指とからめて自分の蕾に持って行き、二本をぐっと指を押し当てた。

 「……ん……!」

  つい反射的に侵入を阻むようにぎゅっと筋肉がしまる。潤滑油がないとさすがに皮膚が引きつれる。
  それを、怖くないよ怖くないよと、自分を騙しながら優しくノックし続けると、徐々に指を招きいれるように緩んだ。

 「あっ……!」

  ぐっと、ほんの一センチほど潜り込ませると、ベンの方が声を上げた。

 「トモエん中、ぬくい」
 「これ以上は怖いから、ここまでね」
 「うん」

  無理矢理入れても切れないだろうと思ったけれど、皮膚がつっぱる感覚がある。でもそれとは逆に、小さな侵入に感じてしまっている自分もいた。

 「ベン、ちょっとだけ、すってみて……あっ……」

  ベンの指は巧みだった。教える為に一緒につっこんでいた俺の指はもう用がなくなってはじき出されてしまう。ベンは出し入れする時に角度をつけてくるし、たまにあまった指で玉を転がしてくる。

 「あっ……気持ちいいよ、ベン……んんっ……」

  俺の体がくねり出すと、それを押さえるみたいに頭で胸を押さえて腹にキスをかましてくる。
  いつしかベンの指はもっと深くまで埋まっていったみたいで、感じる場所が奥に移動していた。
  ベンは一度に複数の事ができないみたいで、腹にキスしてる時は指が止まり、指を動かしている時はそればっかりになる。それを交互にしているうちに……俺の後ろに指を突っ込んだまま眠ってしまった。
  きっと緊張してたんだろうな。それに俺を気持ちよくさせる為に一生懸命にしてくれたんだ。
  名残惜しくもベンの指を抜いて、シーツを引き寄せ彼を抱いて眠った。

  翌朝も散々唇を合わせて、ベンの唇がぽってり腫れてしまった。
  幸いというか当然というか、俺の唇は熱を持つこともなかった。下の口も腫れもれず切れもせず無事。
  指挿入を許した子はベンが初めて。おかげでローションなしでも指一本くらいは余裕で大丈夫っぽい事がわかった。
  それからは俺の腕にしがみつき、昼間から俺べったりになったベン。

 「トモエさん……すき」
 「うん、俺も好きだよ」
 「すきぃ」
 「好きだよ、ベンが大好き」
 「初恋は、トモエさんじゃ……一生、想い続ける人じゃ……」

  俺にはもったいない程の言葉をもらって、数日間、別れの時まで体を寄せ合った。
  新しい家族が迎えに来た別れの時、ベンはじたばたせず手を振って馬車に乗り込み去って行った。
  もっと名残惜しく泣いたりすると予想したけど、あっさりしたもんだ。でも泣き顔を見るよりは断然いい。

  旅立つことの不安、未来への希望をベッドの中で俺に語る子は多かった。
  眠らなきゃいけないのに興奮して、それを鎮めるみたいに衝動的にキスをしてくる子。性交を思わせるような目つきで見つめてくる子。
  みんなまだ子供なのに、そこは立派な雄なんだなって感心させられた。
  まだ勃起しないちんこの持ち主ばかりだったから入れられなかったけど、そうだったら完璧に襲われただかもしれない。
  天使の加護があるせいで、青少年を発情させちゃうのか。それともこれから花開こうとする俺の危うさが煽ってしまうものなのかと、しばらく考えたものだ。
  だけど俺はこの子たちを拒絶しようとは思わなかった。
  俺だってキスが好きだし、抱き合うのが好きだ。何度か真っ裸で抱き合ったこともあるけど、皮膚接触は偉大で多くを語り合うよりよほど心が繋がった気がした。
  お互い立たない小さなちんこをすりつけあって、時には体を舐め合って、股に挟んで疑似セックスみたいなこともしたけど、当然満たされたのは精神の方だった。
  それに子供の小さな未発達の性器を見ているとなんだか安心する。ほっこりするって言えばいいのかな。
  凶暴さもないし、小さかったり、被っていたり、それを恥ずかしがって背を丸める子達の気恥ずかしさというか奥ゆかしさが好きだ。
  もちろんエロなしだった子もいた。
  本当はずっとこうして誰かに甘えたかったんだねって、髪を梳いていい子いい子してあげると、泣き出す子もいる。
  キスがあってもなくても、股の擦り付け合いがあってもなくても、俺の体ひとつでそれが一時癒せるならお得すぎる。
  ショタに転向した方がいいのかと思うほど、俺はここにいる少年たちを愛している。
  だけどまたひとり、愛しい子が旅立っていった……
 見送りに出ていた先生、仲間たちが中に戻っていっても、俺はなかなか動けない。毎回毎回、魂が抜かれたみたいになって、いつまでたっても慣れない。

 「なあ、トモエ。ベンのラストスパートはすごかったな。僕がトモエに近付こうとすると睨んで威嚇してきた」

  ベンを乗せた馬車が消えた方を見て立ち尽くしていると、俺に付き合って残ってくれていたケネスが真横に並ぶ。

 「うん……でも、そうやって感情をむき出しにしたのは初めてだったね。王都の学校でも、その調子で上手くやっていけるといいな。あの子の場合はそれくらい主張してちょうどいいくらい。それに、きっと外へ出れば、俺より素敵な人が沢山いる事に気付く」
 「せっかく自分を思ってくれてるのに寂しくないのか?」
 「寂しいけど、俺が初恋だって言ってくれた。それだけでも充分すぎる」
 「そうか」
 「ベンも俺を通り過ぎて行った男の一人として、一生胸に刻んでおくよ」

  しんみりするのを終わらせるようにふざけて言うと、ケネスの片方の口の端がヒクッと持ち上がるのがわかった。だけど、怒りもされず手を出すこともされなかった。
  頑張れって俺は何度も心の中で繰り返した。
  ベンの残した笑顔を思い浮かべながら、彼の明るい未来を祈った。 
 
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