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物語
06.聖女デビュー(過去)
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だけど15歳を迎えた新年。
成人を祝う舞踏会の場。
ティアは希望を持つことを止めた。
舞踏会に王妃は1人の娘を連れてきたのだ。
王妃サンテが運営する孤児院で育った愛らしい少女。
初めて彼女を見た時、その屈託のない笑みに目が奪われた。 利権が絡みあうオゾマシイ王宮において、全てが美しいと無垢に笑える少女にティアは嫉妬心を覚えた。
「神聖皇国においてもこの子ほどの神霊に愛された者はいないでしょう。 さぁ、イザベル、アナタの力を、成人を迎えたこの子達を祝福するため、祈りなさい」
「はい、サンテ様」
そして彼女は祈りを捧げる。
茶色の髪と瞳に混ざる黄金が、光を増して会場に浄化の光が舞い注がれた。
おぉおおおお
そんな歓声が広がり、その子は聖女として認められ……国により聖女と認められた娘は、次代の王の母とすると言う公国法に従い王太子殿下の婚約者と定められた。 とは言え、この時にはもう王太子殿下は、留学と言うの名の修行の旅に出ており、王太子殿下は本人の知らぬところで妻となる女性を定められる事になる。
無邪気である聖女は、無邪気である事を許され、無邪気である事を求められた。 それを通すためには、愛が必要なのだと。 王太子がいない以上、その役割は第二王子であるジェフロアの役目だと言い、ジェフロアは聖女イザベルのパートナーを務めるようになっていた。
パートナー(代理)だから、抱きしめ、口づけるのだと。
かつてティアは聞いた。
「私は、私が!! ジェフロア様の婚約者ですよね」
そう問えばジェフロアは眉間を寄せ不機嫌そうに、まるで呪いの言葉のように言ったのだ。
「婚約者の役割を放棄し、私に恥をかかせ、人心を惑わす事に協力をした。 それが婚約者だとよく言えたものだな。 幾度となく兄上に戻るよう連絡を出しても、兄上は未だ戻る事がなく、母上の後見がある聖女とはいえ、イザベルの立場が未だ安定しない。 聖女は人の心で善意と愛情で生まれるものだと言うではないか、このままでは、イザベルが聖女になりきれない!! それほどまでオマエはイザベルが憎いのか!! どこまで邪魔をするつもりなんだ!!」
その言葉を最後に、私は名ばかりの婚約者に対して完全に希望を持つことを諦めた。
成人を祝う舞踏会の場。
ティアは希望を持つことを止めた。
舞踏会に王妃は1人の娘を連れてきたのだ。
王妃サンテが運営する孤児院で育った愛らしい少女。
初めて彼女を見た時、その屈託のない笑みに目が奪われた。 利権が絡みあうオゾマシイ王宮において、全てが美しいと無垢に笑える少女にティアは嫉妬心を覚えた。
「神聖皇国においてもこの子ほどの神霊に愛された者はいないでしょう。 さぁ、イザベル、アナタの力を、成人を迎えたこの子達を祝福するため、祈りなさい」
「はい、サンテ様」
そして彼女は祈りを捧げる。
茶色の髪と瞳に混ざる黄金が、光を増して会場に浄化の光が舞い注がれた。
おぉおおおお
そんな歓声が広がり、その子は聖女として認められ……国により聖女と認められた娘は、次代の王の母とすると言う公国法に従い王太子殿下の婚約者と定められた。 とは言え、この時にはもう王太子殿下は、留学と言うの名の修行の旅に出ており、王太子殿下は本人の知らぬところで妻となる女性を定められる事になる。
無邪気である聖女は、無邪気である事を許され、無邪気である事を求められた。 それを通すためには、愛が必要なのだと。 王太子がいない以上、その役割は第二王子であるジェフロアの役目だと言い、ジェフロアは聖女イザベルのパートナーを務めるようになっていた。
パートナー(代理)だから、抱きしめ、口づけるのだと。
かつてティアは聞いた。
「私は、私が!! ジェフロア様の婚約者ですよね」
そう問えばジェフロアは眉間を寄せ不機嫌そうに、まるで呪いの言葉のように言ったのだ。
「婚約者の役割を放棄し、私に恥をかかせ、人心を惑わす事に協力をした。 それが婚約者だとよく言えたものだな。 幾度となく兄上に戻るよう連絡を出しても、兄上は未だ戻る事がなく、母上の後見がある聖女とはいえ、イザベルの立場が未だ安定しない。 聖女は人の心で善意と愛情で生まれるものだと言うではないか、このままでは、イザベルが聖女になりきれない!! それほどまでオマエはイザベルが憎いのか!! どこまで邪魔をするつもりなんだ!!」
その言葉を最後に、私は名ばかりの婚約者に対して完全に希望を持つことを諦めた。
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