クッキング無双  (不定期更新)

tukumo

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第一章 クッキング無双への一歩

お家に帰りたい

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 翌朝妹に朝食を作り今日一日の支度をする
「あれお兄ちゃんドレスコードするんだ?」
「うん帝王様にいつでも来て良いと云われても
 一応礼儀としてねそれにせっかく所長から一着譲って貰ったから着ないとと思って‥あ、そういえば学校の売店今日は開かないんだよねはい、弁当。」
 普段妹は昼食だけは売店で購入した物を食べるなんでもスペシャルパンシリーズが美味しく種類も豊富で全種類制覇したいとか、今日は調整日で閉まっている年に数回各自持ち込み弁当の日になる
「有り難うお兄ちゃんそうだこれ‥昨日修復作業中に序でに作ったんだけれど飲んでみて?」
 ポケットから禍々しい色の小瓶を渡される

「‥‥一応聞くけれど飲んでも大丈夫な奴?」

「うん99.9%安全だよ」

 100%じゃないんだね「効果は?」

「これはね飲むと魔力MPをぐーんと上げてくれる薬。お兄ちゃんってHPは結構有るけれどMPは平均より少ないからそれを飲めばぐーんと魔力MPが上がって本来の潜在魔力分のMPを手に入れることができるよ!」

 グビッ!「‥ぼぇッ不味ッ!‥‥お、‥おお!?」

 視認できるくらい魔力が溢れだしてくるそして数秒経過した頃「あれ収まった?」

「正確にはMPが定着したんだよ帰ったら鑑定させてね?じゃあ行ってきまーす!」

「お、おう行ってらっしゃい気を付けてな!」

 妹を見送り家の戸締まりをし家の改築の相談‥の前にダラル爺さんの畑へ向かう

 ~ダラル爺の畑~

「おっす爺さん!」

「おうシモツキなんだ?デートか?」

「ヒント、帝都の城」

「答えじゃねえかw普段の服装からドレスコードするお前さんの姿を見ると馬子にも衣装だな!」

「失礼なもう少し成長したらいい感じに着こなせてるさ」

「その頃には相当稼げてるだろうから新しいの買えよ?w」

 おっとつい長話しになってしまったそろそろ本題を云わないと

「ところでダラル爺さん相変わらず畑の土壌が良くならないね?」

「嗚呼‥もう諦めてるよ」

「フフン、それは早いよ爺さん!俺が新しい技であっという間に良い土壌にしてあげるから!」

「ふむ?その若干ムカつく顔はなにやら策があるようじゃな?」

 失敬だなあ‥

「じゃあそこでみていてくれ新しい技、正確には魔法!ふう‥聖なる雨ホーリーレイン!!」

 空からダイヤモンドのようにキラキラ光る雨が畑を潤したそして直ぐに効果が現れたダラル爺さんが驚く「おお‥おおおぉぉお!!」

 先程までカラカラで痩せた豆や芋なんかがかろうじて生えていたが(ホーリーレイン)を浴びて大地はふかふかの絨毯のように黒く艶のある土に、先程まで今にも枯れそうだった豆や芋等はすくすく育ち辺り一面一つ一つ肥え実らせた

「どう?今朝妹にMPの調整してもらった時に習得したんだ!」 


「シモツキ!お前に出会えて本当に良かった儂の畑が生き返った!こんなに良い土壌は儂が父と畑作をしてた頃と同じ、それ以上に良くなった有り難う!!」

「え、爺さん泣く程嬉しかった?この魔法ね持続効果がえぐいっぽいんだ数ヶ月水あげなくてももりもり作物育つくらいの魔力使ったから暫く使ってみて経過観察も兼ねて感想聞かせてね?」

「ウウッ‥うむそれくらい毎日畑作しているんだたくさん語るさ親父と育てた野菜を俺はこれから育てるぞ!シモツキ、お前の畑の野菜と儂の畑の野菜どちらがうまくなるか勝負しようぜ!儂、まだ長生きするからなお前を超えて越されて競い合おう!」

「そんなの当たり前じゃないかよし、爺さんが棺桶に入るまで野菜バトルだ!!」

「「ガハハハッ!!」」

 (儂はこの歳になって生きる事に貪欲になれた有り難うシモツキ、)

 そんなこんなでダラル爺さんは活力を取り戻しお互い収穫の時期にどちらの野菜がうまいかご近所さんを巻き込んで食べ比べ勝負を毎月毎年するのはダラル爺さんの畑に植えた過去に育てていた思い出の野菜が収穫できるようになった年から始まったそのお話はもう少しだけ先のお話



 ~建築専門商会~

「てな感じで妹の実験中爆発や火災に強くて掃除しやすい地下室が欲しいのですが」

「ふむふむ面白いですね図面はこれから何枚か考案してから郵送致しますので一度御兄妹様で話し合って貰って納得のいくものを我々はお造りしますので」

「頼もしいです。一度妹と図面をみて話し合ってからまた今度は2人で来ます」

「はい是非お越しくださいませ」

「あっと、そろそろ用事があるのでこれで失礼しますでは」

「有り難うございました!!」






 やはり妹と詳しく図面をみて話し合うべきかあなるべく妹が暇な時間帯‥うーん
 悩みながら城へ向かっていると見知った顔の人が声を掛けてきた「シモツキ殿~」初めてサンサイ城にて帝王の謁見へ向かうために護衛してくれた兵士さんの一人だった
「お久しぶりですシモツキ殿ドレスコードと言うことは城へ?」

「ええ、帝王にお会いするつもりでして」

「そうですか!それは丁度良かった我輩城に戻る途中だったのでありまよ、よかったら跨がっていきません?我輩の相棒は乗り心地最高ですよ」
 兵士さんの馬、めっちゃ目がキラキラしている可愛いなあ‥「跨がって送ってもらっても構いませんか?」

「大歓迎ですよ!ささ、跨がり方は‥おお御上手ですね申し訳ないですが万が一の為手綱は我輩が引いて行くであります!」  

 跨がることは見よう見まねでできたけれど手綱捌きは解らんから正直普段からのりこなす兵士さんに委ねるほかあるまいて

「では、出発します!!」

 パカラッパカラッ
「おお‥」凄い身体に振動が伝わる



 ~帝都、中心地サンサイ城~

「さあ、着きました!我輩も詰め所へ向かうので門まで御一緒致します」

「「!!シモツキ殿よくぞお越しになられました!帝王様は謁見の間に降りますのでこのまま真っ直ぐお通りください!」」

 お、おう‥門番さん御二人とも元気だなぁ

「では、シモツキ殿我輩はこれで失礼するであります!」
 すげえ‥無駄のない綺麗な敬礼

「此方こそ送って頂いて有り難うございますそれでは失礼します」
 ペコリとお辞儀をし謁見の間へと足を運ぶ





「おい、お前!」
「な、なんでありますか先輩?」
「シモツキ殿と来たがどう云うことだ?」

「どういうことも何もたまたま僕も城へ帰還の途中シモツキ殿も帝王様へお会いに向かっておられましたので此処まで送って差し上げたわけでありますが」

「‥‥お前確か2度も案内したんだろう?」
「しかもシモツキ殿の特製飴玉を頂いたとか」
 
 彼の先輩にあたる門番達は先程から顔が近い

「ええまあ前回は護衛で他2名もおりましたが」

「「かあーっ!ちくしょう!羨ましいなぁ」」

 王城の兵士にとても早く好かれたのは当時の護衛の自慢話と帝王が買い占めたシモツキ活躍する映像紙をあちこち布教しまくった事で株が爆上がり状態なのである

 当の本人は違和感は覚えつつも真実は知らない


 ~謁見の間~

「これはシモツキ殿、ようこそお越しくださいました」
「今扉を開けますごゆっくり‥」


「失礼します」

「おー久しいのうシモツキ殿よ!余は何時くるのか待ちわびておったぞ!ささ、其処の窓際にあるテーブル席でティータイムといこうではないか、ハッハッハッ!」

 ‥絶対口に出さないけども
 お家に帰りたい。


 まあ此処まで来たんだし帝王の暴走を止めつつ暫く満たしてって貰おう

「帝王様単刀直入に申し上げますが事の顛末かくかくしかじか‥は流石にやりすぎです。」

 云うべきことはしっかりと本人に伝えるべきだと最近学んだ

「むうそれに関しては申し訳ないと思っておる」

「‥ですが折角の姫様のお誕生日が近いと言うことと私の作ったスイーツがこ所望との事で大変光栄に思いまして清潔に純粋に堪能できますスイーツをお持ち致しますので姫様にもお伝え下さい」

「くうぅっ流石余が見極めた男!娘を連れてこようそして本人に伝えて挙げてくれ」 

 至極全うな父親としての回答で俺は安堵した

「はい」 

 ~数分後
「大変お待たせいたしましたはじめましてシモツキ様第三王女名はミナツキと申します」

 ミナツキ姫はカーテシーをし挨拶をする

「御初に御目にかかりますシモツキと申します姫様のお誕生日が近いとの事で是非腕に寄りを掛けてスイーツをお作りして参ります」

 無難に立って45℃のお辞儀で済ます

「フフッ楽しみですねえ、シモツキ様?シモツキ様の普段の生活を聞かせて貰えませんか?」

「え、ええ構いませんよ庶民の私の暮らしで良ければ冒険者として最近活動したばかりですが‥」

 帝王さまと、姫さまと3人で窓辺のテーブル席でこれまでの記憶に残る噺をする

「ほう今朝習得したその聖なる雨ホーリーレインとやらの効果を是非生で見たいものだ」

「そういえばシモツキ様私の花壇のお花達が最近元気がでてこないの良かったらその魔法で治して貰えませんか?」

 雑作もないことだしいいか

「畏まりました受けましょう」

 パアッと妹とはまた違った目映い笑顔が姫様の特徴なんだなと思った

「では、ご案内します」

「はい宜しくお願いいたします」


 ~中庭~


 なんか凄い沢山物が積まれてある  

「ああ!そ、それは御母様の物でしてお恥ずかしながらこの中庭少々狭いですが此方です」

 案内された先にあったのは一畳分の花壇、
 色取り取りのバラが生えていた確かに若干萎れている「姫様これは肥料の遣りすぎですね」

「へ?良い土とお水をたくさん毎日あげていますのよ?」
「それが萎れている原因でございます少し魔力の調整をして聖なる雨ホーリーレインを与えたら元の艶に戻ると思いますその前にこの土壌を変えましょうか私が借りている畑の以前の土をサンプルとして持っていたのでこれを混ぜれば中和して土壌改善します」

 なにはともあれダラル爺さんの以前の畑のサンプルとして採取していた痩せた土壌を中庭の姫様の庭園の土壌に混ぜ中和、そして少し手加減し魔力を抑えて
聖なる雨ホーリーレイン!!」

「まあ!まるでダイアモンドダストのようだわ!」

「御覧ください無事に薔薇は癒されてます」


「有り難うございます!先程の魔法もう一度、もう一度だけ見せてくれませんか?」

「え、構いませんが何処に降らせましょう?」

「フフッ余の出番だな!この記録用魔石に降らせて貰えるか?」

「畏まりました聖なる雨ホーリーレイン!」


 魔石に注ぎ込むように放ったすると魔石から映像が浮き出して先程の光景が映る

「これはな忍びアサシンのスキル(投影)を誰でも使えるようにと発明されたものでな隣国の王から譲り受けたのだ」

 これは妹にも作れるかも知れない頼んでみよう


「いやあ良いものを見せて貰った我が娘よどうだった?」

「とても素晴らしい一生の思い出になる光景を魅せられましたわ!」

「恐縮です」ふと時計に目をやる15時半を回った

「帝王様、姫様大変申し訳ないのですが妹の夕飯の支度の時間が迫ってますので今日はお暇させて貰いますミナツキ姫、必ずや舌を唸らせる絶品スイーツを作って参りますのでまたお会い致しましょう失礼します」
 お辞儀をしすたすた早歩きで家路につく

「フフフハハハッ余は満足だこの映像も布教させるぞ~」
 
「私もシモツキ様と対面できて御父様の行動に理解してきました」


「そうかでは一緒にシモツキ殿の外堀を共に埋めに行こうか」

「お供しますわ御父様!!私はシモツキ様と結ばれたいんですもの!」


 ~結果~

 火に油を注いでついでに火薬も投入してしまった






「あー不味いぞ‥カリノス殿に伝えねばお二方が暴走してしまっている!唯でさえサボるから此方は忙しいのにシモツキ殿が重たい愛情の炎で灰になるまで燃やされ兼ねない緊急事態だ‥」

 父娘の会話を聞いていた宰相はあらかた片付いた仕事を終えてギルドへ特急馬車を手配し、早急にカリノスへ伝えにむかう

 (頼む御二人の行動はとても早い一秒でもいいから早く伝えたい)


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