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第一章 クッキング無双への一歩

サンサイ城内の(だいたいいつもの)日常

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 サンサイ帝国のど真ん中にそびえ建つサンサイ城、城内の日常をちょっと覗いてみよう

 ~宿舎~

「あーだりぃ‥」「朝っぱらからやめろよ有給取りたくなるだろうが!」

「いや俺、夜番だから今から寝るんだわ昼夜逆転するとさサボる場所って限られんだよなぁ」

「あーそれ、めっちゃ解る俺も夜勤で見廻りのシフトの時マジで暇になるからさ時間潰すにもパブか図書館くらいしか空いてねぇよな」

「は?夜勤務だとパブ行けんの?ちょっと上司に掛け合ってくる!」一人の兵士がドタドタと宿舎から去るのを夜勤経験のある兵士達は気の毒そうな顔である

「確かにパブは行けるよな」「嗚呼、嘘は言っていない」「「まあ上官にバレたら3ヶ月無給で無休or訓練も戦闘時もラフな服装短剣縛りで戦わされるけれどな‥」」



 ~執務室~

「‥‥これでは赤字ですよやり直しです」
「いやいやこれ以上我が部隊のどこを切り詰めたら良いか!?」

 宰相と将軍が軍費の予算で揉めていた

「いや将軍これ、此処ですよ何ですかこの桁外れの量の武器の受注書は!」

「むむ‥実は最近アンダー荒野で軍事演習を行ったのだが張り切り過ぎて弾薬も底をつきかけ実践に近い演習をしたため武器も防具もボロボロでな」

 はぁ‥と宰相は深いため行きを吐く
「もっと早く報告してくださいこの国では錬金術師がたくさんおりますローズ魔法学校に通う錬金術師ナガツキ殿を御存じで?」

「嗚呼、あの伝説の職業『戦闘料理人』のシモツキ殿の妹君であったな」

「そうです!良いですか武器や防具が壊れたらあの兄妹に依頼しなさい!特に兄のシモツキ君に相談すれば多少融通が効く価格にして貰えると思いますので今後はそのように」

「ああ取り敢えずシモツキ殿にお逢いしたいから直接ギルドにでも出向いた方が良いだろうか?」

「まあまだ冒険者に成り立てですからねクエストはこまめに受注しているみたいですからすれ違いになるかもしれません確実にお逢いするなら昼、帝都の市場に行ってみなさい的確にほぼ毎日見掛けますので」

「宰相?昼間城を抜け出してそんな事してたのか?」

「おや、誤解しないで戴きたいストーカーではないですよ帝王様がちょくちょくサボっておられるので回収しに向かう途中良く見掛けると言う訳ですので」

「まったく‥帝王もせめて護衛くらいつけて出掛けてもらいたいものだ」

 将軍の発言は宰相の怒りのボルテージを上げた

「はあ!?これ以上私に働けと申しますか!あの方がサボると此方に書類が回されるんですよ?私、宰相なのに(調理)スキルも結構高いからシェフのサポートにも回されて碌に有給すら取れていないのですよツ!!!!」

「すっ‥すまん宰相殿がこの城を支えてくれているから俺も隊員たちを指揮できるんだまあ珈琲でも飲むか?」
「‥‥‥ブラックで」


 ~玉座~

「あー暇じゃなあ‥何で特に客人も来んのに余は毎日毎日この玉座に座らにゃならんのだそういやシモツキ殿はいつ遊びに来るかのう?取り敢えず買い占めたシモツキ殿の勇姿が写しだられた紙を娘や貴族等に広めたんじゃがやっぱりもう少し根回しして娘と結婚させたいのう‥街中で噂を広めたし、そろそろシモツキ殿が理由を聞きに来そうなんじゃよなぁ‥はあ、まだかなあ」

 帝王は悶々と待っている



 ~謁見の間の扉~

「おい、また帝王様がぼやいてるぞ」

「あーまあでもそろそろお目当ての方が来るだろうそれまでは‥なあ?」

「しかし帝王様もやり過ぎだよなあ俺、シモツキ殿に同情するわ」

「俺だってシモツキ殿に同情するわつーか街中で姫様の婚約相手だって公言しちゃったしそろそろシモツキ殿が城に来るって」

「そうだよないくら王族と婚姻を認められるとは言え出会って間もない帝王さまにお逢いしたことのない姫様を嫁にやると言われても困惑するよな」

「だよな‥お?みろよ門番‥あいつら酒盛りしてね?」

「おー?うっわ‥いくら帝王様が寛大だからって宰相殿や将軍に見つかったらヤバイぞ」

「あ、将軍だあーあ‥」

「言わんこっちゃねえな」

 二人は窓の外の光景を眺めながらこれから門番におこるであろう出来事に祈る


 ~門前~

「さて、そろそろ昼頃出し市場へ言ってみる‥ん?」
「ダハハハッだからな俺は将軍の隠していたスケベ本を公開してやったのさ!」
「お前マシでいつか殺されっぞwww」
「まあバレなきゃなんとも起こらないだろう?」
「‥‥」
「おい?なに急に黙りこけてんだ?」
「お、わ私はしっかり勤めてました酒もこいつが飲んでいました!」
 振り向いてようやく彼も気づいた
「わっ‥私の今の発言は悪質な魔法で云わされただけでして因みにこいつも酒飲んでました」
 
「‥‥‥お前らの為に特別訓練を殺ってやるから今夜門番交代時に訓練場で集合な?」

 将軍は坦々と告げ街中へ消えた一方特別訓練を決行させられる門番達はというと普段は信仰すらしない神に祈った


 ~宮廷内のメイドや執事、兵士達の会話~


「はぁ‥良い出会いないかしら」
 一人のメイドか恋愛に飢えていた
「あれあんたこの前彼氏できたんじゃなかったっけ?」
「あの野郎、良い歳してマザコンでさあ‥」
「あーうん今度合コンでもしよっか」


「なあなあ」「なんだよまだベッドメイキング終わってないぞさっさと終わらせようぜ」
「ああ、勿論早く休憩したいからさっさと終わらせるけどさ俺ら城に仕えている割には有給少なくね?」「お前それを言っちゃうとよ宰相殿が発狂するぞ?あの人もう2年程無休で働いてんだぞ」

「え、怖ツ‥なにそれ流石に働き過ぎじゃん」
「帝王様のサボった分の仕事も食事も一部担当してるからなそれに比べたら俺らは微々たるもんだがシフト制で休みもらってるだろう?」
「そうだな、そうだよな!賃金はめっちゃ待遇いいし俺頑張るわ!」
「おうよ、よし次の部屋に向かうぞ」



「異常な~し!」
「いやいや異常有りまくりだろう!」
 目の前の中庭に大量の荷物が積まれていた

「ああ、これ?お妃様が定期購入している書籍やペットの餌とかだから問題ないよ」

「え、お妃様もしかして買いだめするタイプ?」
「そうなんじゃないかな知らんけどまあこの大量の箱も2~3ヶ月で綺麗になるから」

「つまり2~3ヶ月分定期購入契約してるのかうちの母ちゃんみたいだなぁ」

「お前んチのお袋さんはどんなものをまとめて定期購入してるの?」

「牛乳と新聞‥」
「契約時の割り引きクーポンなんかに釣られたのかぁ‥」




 ~昼の市場~

 いやあ昼頃は混雑するんだよねぇ早めに来たけれどやっぱり混んでるなぁ‥
 今晩の食材を物色していると声を掛けられた

「失礼、新人冒険者のシモツキ殿とお見受けします」
「はいシモツキは俺ですが」

「あの私はサンサイ帝国軍の将軍なのだがその宰相から聞いてだなかくかくしかじかであってできれば予算内で妹君のナガツキ殿に依頼をお願いしたくて」

「成る程因みに予算は幾らくらいで?」

 将軍は紙切れを出し見せる
「ふむ‥こんなに戴けるのですか?もう少し3割程引いても妹なら一週間で修復できますよ?」

「なんと!?しかしナガツキ殿に負担が掛かるのでは?」

「実は俺のスキルで作った料理を食べればまったく負担にならないんですよ本当最近気づいたのですが妹が作ったスーパーエナジードリンクよりも健康で快活に負担にならずに取り組めるのでその分3割引きということで」

「助かる!すまないが君の自宅に傷ついた武器や防具を送っても良いだろうか?」

「はいもし妹が体調悪くてもこれくらいなら僕もできますので早速送って下さい早めに納品しますので」

「本当に助かったこれで宰相殿の負担が減らせるよ!」

「宰相さん相当お疲れなんですか?」

「‥‥うむ」「そうですか‥」




 ~閑話休題~

「ただいま」「お帰り~今日はオークのバラ肉を使った肉うどんだぞ」

「わーい!いただきます」


 ~それからそれから~


「‥‥で私に依頼が?全然問題ないよ早速取りかかるね」

「有り難う、因みに前に話したと思うけど研究費が補助されるから思いきって部屋を増築してみる?」

「そうだね‥この部屋に地下室が欲しいな」

「わかった早速明日あたり土木建設商人さんに見積り受けて交渉してくるよ」

「うん!」

「あと‥帝王様が暴走しているから一旦お城に行って顔合わせに行ってくる」

 今も着々と外堀埋めてるだろうし‥

「わかったそう言えばお兄ちゃん学園に多額のお金寄付してくれたんでしょう有り難う!」

 妹の笑顔が眩しい!冒険者になって良かった!

「まあ冒険者として活動しているけれどそっちは微々たる額しかまだ受け取れないがちょっと前に俺をベースにした教材が飛ぶように売れていてね‥自分でも怖いくらい絶賛なんだよ」

「あの実践講義の時に記録された映像紙だね私の学校でも学生の間で人気の教材なんだよ!」

 マジかよあの清くて正しくみたいなローズ魔法学校がいいのかな‥

「実は今も活動中の映像が教材化されているからどんどん教材の種類増えるっぽい‥」

 あれから所長が命じたんだろう隠密にツクヨミ先輩が俺を投影しているらしく最近チラッと図書館で見たらもう第5部とシリーズ化されていた

「まあお兄ちゃんはそのままいつも通り活動していれば直ぐSランク冒険者になれるよ!」

 うーんこの真っ直ぐ嘘偽りのない言葉に救われる「うんお兄ちゃんはSランクに突き進むぞ~あ、20時か明日は早いから先に寝るね依頼の納期は一週間もあるからのんびり修復して勉学ときっちり睡眠とるんだぞ?」

「解ってるよ~お休みお兄ちゃん」

「うん、おやすみ」

激動の一日になるんだろうな明日は‥






一方その頃城内訓練場にて

「おらあ!死ぬ気で掛かってこい此方も8割の斬撃いくぞー!死の斬撃デス·スラッシュ!」

凄まじい斬撃が向かってくる確実に殺しに掛かってくる斬撃を二人の兵士は必死に躱す

「「ぎゃあーーーーーっ!!」」

「はあはあ‥掛かってこいって云われても」

「俺ら一歩も進むことすら許されてない」

((完全に殺しに掛かってくるこれは処刑だ))

生き残る術は将軍が満足するまで斬撃を放たせそれを避け続けなくてはならない


結局朝まで続いた

以降彼らは「もう愚痴やサボるときは周囲の警戒を怠らない」と同僚に言い放ったらしい






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