龍と海に堕ちた天使

46猫

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天使の秘密

・・・・竜火と朝子の秘密・・・・

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とある日、妹達と一緒に遊びに来ている。

     ~龍サイド~

 竜火は、いつも通りに俺に笑ってくれた。・・・だけど、どこか悲しく見えた。

龍【あの日と同じ瞳だ。】

 
 どこか切なくて、だけど何かを思い続けている。・・・・その目には何が映っているの?
 竜火は、俺を見て話す。


竜火「ねぇ、龍兄?・・・あのさ・・オレ龍兄
n「「竜火姉~!一緒に撮るよー!」」


龍「竜火、話があったの?」


竜火「あっ、別にいいんだ。どうせ下らないことだから。」

 俺は、竜火の言葉に疑問を抱いた。・・・・竜火が何か重要な事を話そうとしている事を。

竜火「朝子、悪いな!」

 けど、竜火がいつも通りだったから俺は気にしなかった。

       ~竜火サイド~

 ずっと、独りぼっちだった。・・・・妹を守る為に自分を犠牲にしてきた。何があっても、妹を守らなくてはいけない。・・・・・母さんとの約束、最初で最後だったけど。
 
 妹以外にオレが仲が良かった奴は1人だけ。・・・そいつは、一族の長になったオレを守る為に死んだ。

 なぁ、もう一度オレを驚かせて笑わせてくれる?・・・また、オレと遊んでくれる?

竜火【もう、戻れない。分かってる、だから・・・・】

 だから、お前から貰ったネックレスをずっとつけている。

竜火【オレ、未練タラタラ過ぎるなぁ。・・・馬鹿みたい。】

 
 はつ恋だったかも知れない、●●はオレと同じ年でオレよりも強くて頭もよかった。・・・・オレ達は、直ぐに友達になった。オレが、妹の為に怪我をしたらいつも助けてくれた。


 だけど、もう・・・・もう2度と会えない。


竜火【だから、オレは・・・・・一生、忘れない。いや、忘れてはいけないって思うんだ。・・・・・・・だから、お前の分までオレは生きて償う。いや、償い続けるよ。】



  《お前の為にオレは償い続けるから》


 オレが、お前に出来る事がこれしか出来ないんだ。だって、オレが一族の後継者にならなければお前は生きていた。


竜火【大人達の勝手な都合で、オレの未来も別れたんだ。】



嗚呼、神様って何で平等じゃないんだ。世界の一部しか、幸せになれないならそんなのおかしい。


なんで、オレ達に不幸を与える?

なんで、オレ達に試練を与える?

なんで、オレにはこの紋章を与える?

なんで、オレから大切な物を取る?

なんで、オレだけ違うの?

なんで、皆と違うの?


どうして、オレだけ皆より・・・・・・


皆は、喜怒哀楽がある。自分は感情を忘れた。感覚も色も。


覚えてるのは、血と涙・・・・そして、火薬の匂い。


ずっと、あの日が夢に出てくるんだ。


あの日・・・・・オレから、すべてを奪った。・・・・いや、オレ達から。
 
 
 母さんと親父が殺されて、オレが悲しんでいたらある奴がオレを外に連れ出してくれた。


そいつは、オレに笑いながら名前を聞いた。名前を言ったら、オレに言った。


[おまえ、きれいないろだな、なまえもいいなだしうらやましい。]そう言って、オレの手を握り走り出した。
 初めて、綺麗と言われた。初めて、羨ましいと言った。


そいつは、オレが知らない世界を教えてくれた。・・・・・だけど、そいつは・・・目の前で失った。・・・・オレを庇って車にひかれた。


そいつがまだ息があるうちに抱き締めたら、オレに言った。

[なぁ、りゅうか・・・・おぼえてるか?おれたちがはじめてあったあのひを。]

オレは頷いた。

[おれ、ずっとおまえがすきだった。・・・・はじめてあったときから・・・]

オレは、涙を必死に堪えながら、そいつを呼び続けた。

[・・・りゅうか・・・ごめんな。おまえにかなしいおもいさせて。・・・・]

そう言って、オレの頬を撫でる。

[りゅうか・・・・おまえは、きれいだ。・・・・てんしやりゅうみたいに。]


オレは、そいつの手を握った。・・・・そいつはオレの耳元で話した。


[りゅうか・・・・おまえを・・・すきになれてほんとうによかった。・・・・]


手を握り続けていると段々と体が冷たくなっているのに気付いた。
・・・・嗚呼、こいつも失いたくない。・・・お願い・・・こいつを連れていかないで。

そいつが最後に言った言葉は、もう聞けない。・・・・だって・・・・


[・・・りゅうか・・・生まれ変わっても・・・・おまえをみつけるから。]


そう言い終わると手を強く握り返してくれた。・・・・・だけど、動いてはくれなかった。


幼い竜火[そら?・・・めをあけろよ、なぁ!]


何度も名前を呼んだ。・・・・空は、笑っていた。・・・死んでいるのに今にも起きて来るんじゃないかと思った。
葬式には出れなかった。・・・・オレは忌み子だから、人を不幸にするんだ。
・・・・だから、オレは部屋にこもった。もう誰も傷付かないため、そして同じ事が繰り返さない為に。
・・・・・・嗚呼、オレは・・・龍兄を失いたくない。・・・この時、運命の歯車は着々とオレのすぐ近くに来ていたんだ。
 
 そう、あの時感じたあのことは覚える。


竜火《もう、オレは失いたくないから強くなるんだ。》



この腐った世界を・・・・いや、腐った大人達を消し去るために。



大人達の勝手な都合で多くの子や生き物達が犠牲になったのだろう。・・・・・オレはその子達の為に新たなる改正を起こすんだ。
 すべて、悲しみや憎しみを持っている生き物達や子達を集め組織を作る為に長に成る為にオレは手をあげた。
皆、賛成してくれた。・・・・オレはすぐに行動し多くのマフィアやヤクザ達を引き連れる事になる。


いつの間にか、沢山の仲間がいた。・・・身内の沢山が国の上にいる。・・・・オレはまだ満足等はしていない。
もっとだ、もっと沢山の子達を助けたい。
・・・・・・・だけど、神がそれを許さない。



竜火《大人達のせいだ。》


そう何度も思った。・・・・ずっと、我慢した。・・・復讐するために。


いかんいかん。今はなりきらないと・・・・妹がいるから。・・・・普通の竜火として。



竜火「朝子、次は何に乗るんだ。」


オレは・・・偽りの笑顔で妹達に接する。それしか出来ないから。


お昼過ぎに従兄から電話が来た。
何でこの時間何だよ。・・・・・そう思いながら電話に出る。


その声は、優しい従兄の嫁さんからだった。

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