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(番外編)男たちの珈琲談義(2)
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「それにな。リドルがお互いが想いあってないと美味しいコーヒーにならないなんて余計なことを教えるから、俺の反応が悪いと『もう私のことを愛していないのですね!』とか始まって、朝から大変だよ。というわけで、俺は家では紅茶派を名乗ることにした。そっちの方が落ち着いて飲める。」
「ああ、確かにそういうところがあるな。先日、アメリアとちょっとした言い合いになったんだが、その後、淹れてくれたコーヒーが妙に酸味が強くてな。アメリアは怒ってませんと言っていたが、まだ怒ってるんだなと分かった。アメリアはあまり顔に出さないが、コーヒーの味で分かる。」
なるほど、と思う。
至高のコーヒーというものの存在を知ってしまってから、魔動コーヒーメーカーの開発を続けるかどうか悩んでいた。
結局、売れないのなら作っても意味がないと思っていたのだ。
けれど、至高のコーヒーにもそういう欠点があるのなら、需要はありそうだ。
「というわけで、俺は職場に一台コーヒーメーカーを置きたいと思ってる。うちの職場はコーヒー好きも多いしな。」
「ああ、俺も今後はアメリアがいつも側にいるわけではないから、職場にはいいかもな。」
「職場用か。でも、俺としては家庭用が普及して欲しいと思ってるんだけどね。コーヒーを自宅で気軽に飲めるようにしたいじゃん。」
俺がそう言うと、二人は何故か顔を見合わせた。
「いや、、、それは、ちょっと難しいかもしれんな。」
フェリクスが妙に言葉を濁す。
「え、なんでよ。」
と問う俺に対して、ルバートが
「なんだ、お前知らないのか?」
と言った。
「え、なんで?自宅でコーヒー飲みたいでしょ?」
俺が尋ねると、フェリクスがニヤついて答えた。
「自宅に魔動コーヒーメーカーを置くのは、コーヒーを淹れてくれる人を見つけられない寂しい独身男だけだと言われてるらしいぞ。なんでも、巷では結婚を諦めた男のことを『リドル系』と言うらしいな。」
「なっ!!」
「ああ、俺もそれを聞いたな。長年尽くしてくれた研究室のメンバーに、俺とアメリアの結婚記念品としてコーヒーメーカーを贈ろうと思ったら、『縁起でもない!リドル様のように結婚できなくなったらどうしてくれるんですか!』と頑なに拒まれてな。」
「はあ?!!!俺は結婚を諦めたわけじゃないぞ!!俺は結婚できないんじゃない!しないだけ!!」
信じられない!俺が仕事で忙しくしている間に、そんな結婚できない男の代名詞になっていたなんて!
確かに、今は結婚とか先でいいかって思ってるのは否定しないけど、諦めてないし、そもそも全然寂しくないし!!!
憤る俺を横目に、二人は楽しそうに笑っていた。
確かに、幸せそうな二人の側にいたら寂しいやつだと思われてしまうのかもしれないと思う。
まあ、若干羨ましいと思わないでもないが。
「しかし、人生とは分からんもんだな。あんなに親の決めた相手と結婚するのを拒んでいた俺がそのまま親の決めた相手と結婚し、親の決めた相手と結婚するのが当たり前だと言っていたルバートが貴族ですらない娘を嫁にするんだからな。」
フェリクスがグラスを飲み干して、微笑んだ。
「ああ、本当にそうだな。俺は決められた道の上を歩くつもりだったからな。まさか、こんな外れるとは思っていなかった。」
ルバートも同じような微笑みを浮かべる。
「そして、俺たちの結婚について、『高位貴族様は大変ですね~』なんて言って馬鹿にしてた奴だけが、未だに独身っていうのが一番笑えるよな。」
フェリクスとルバートが、俺の方を見て、声をたてて笑った。
「いや、俺、もう結婚するから。今すぐするから!」
二人が楽しそうに笑っているのを横目に見ながら、俺は本気で婚活しようと固く心に誓った。
「ああ、確かにそういうところがあるな。先日、アメリアとちょっとした言い合いになったんだが、その後、淹れてくれたコーヒーが妙に酸味が強くてな。アメリアは怒ってませんと言っていたが、まだ怒ってるんだなと分かった。アメリアはあまり顔に出さないが、コーヒーの味で分かる。」
なるほど、と思う。
至高のコーヒーというものの存在を知ってしまってから、魔動コーヒーメーカーの開発を続けるかどうか悩んでいた。
結局、売れないのなら作っても意味がないと思っていたのだ。
けれど、至高のコーヒーにもそういう欠点があるのなら、需要はありそうだ。
「というわけで、俺は職場に一台コーヒーメーカーを置きたいと思ってる。うちの職場はコーヒー好きも多いしな。」
「ああ、俺も今後はアメリアがいつも側にいるわけではないから、職場にはいいかもな。」
「職場用か。でも、俺としては家庭用が普及して欲しいと思ってるんだけどね。コーヒーを自宅で気軽に飲めるようにしたいじゃん。」
俺がそう言うと、二人は何故か顔を見合わせた。
「いや、、、それは、ちょっと難しいかもしれんな。」
フェリクスが妙に言葉を濁す。
「え、なんでよ。」
と問う俺に対して、ルバートが
「なんだ、お前知らないのか?」
と言った。
「え、なんで?自宅でコーヒー飲みたいでしょ?」
俺が尋ねると、フェリクスがニヤついて答えた。
「自宅に魔動コーヒーメーカーを置くのは、コーヒーを淹れてくれる人を見つけられない寂しい独身男だけだと言われてるらしいぞ。なんでも、巷では結婚を諦めた男のことを『リドル系』と言うらしいな。」
「なっ!!」
「ああ、俺もそれを聞いたな。長年尽くしてくれた研究室のメンバーに、俺とアメリアの結婚記念品としてコーヒーメーカーを贈ろうと思ったら、『縁起でもない!リドル様のように結婚できなくなったらどうしてくれるんですか!』と頑なに拒まれてな。」
「はあ?!!!俺は結婚を諦めたわけじゃないぞ!!俺は結婚できないんじゃない!しないだけ!!」
信じられない!俺が仕事で忙しくしている間に、そんな結婚できない男の代名詞になっていたなんて!
確かに、今は結婚とか先でいいかって思ってるのは否定しないけど、諦めてないし、そもそも全然寂しくないし!!!
憤る俺を横目に、二人は楽しそうに笑っていた。
確かに、幸せそうな二人の側にいたら寂しいやつだと思われてしまうのかもしれないと思う。
まあ、若干羨ましいと思わないでもないが。
「しかし、人生とは分からんもんだな。あんなに親の決めた相手と結婚するのを拒んでいた俺がそのまま親の決めた相手と結婚し、親の決めた相手と結婚するのが当たり前だと言っていたルバートが貴族ですらない娘を嫁にするんだからな。」
フェリクスがグラスを飲み干して、微笑んだ。
「ああ、本当にそうだな。俺は決められた道の上を歩くつもりだったからな。まさか、こんな外れるとは思っていなかった。」
ルバートも同じような微笑みを浮かべる。
「そして、俺たちの結婚について、『高位貴族様は大変ですね~』なんて言って馬鹿にしてた奴だけが、未だに独身っていうのが一番笑えるよな。」
フェリクスとルバートが、俺の方を見て、声をたてて笑った。
「いや、俺、もう結婚するから。今すぐするから!」
二人が楽しそうに笑っているのを横目に見ながら、俺は本気で婚活しようと固く心に誓った。
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